私が一番最初に三線を買った時は、一時的に大ブームが起きていた頃で、そのBOOMのブームに乗って安い外国産の「棹」と、これまた外国産の「胴」を組み合わせて、にわか作りの店が売るというのが多くあったようだ。
だから、私が買った三線の「カラクイ」は、小学生がカッターで削った鉛筆のようなガタガタの仕上がりで、買ってからすぐに折れたのを覚えている。
最近でも、三線を始めたばかりの人が、カラクイが悪くて習うのをあきらめたのを目撃している。
また、部当てもいい加減で、別の店で人工皮から本皮に張り替えてもらったときは、棹と胴の角度が変更され、とても弾きやすくなった経験がある。
こんな状態だから、少し手先が器用な人間なら誰でも三線店をやっていけるのではないか。と思わせるのだ。
そして、県外から来た人で三線店を始める人が出てきて、沖縄で昔から三線店をやっている人たちの生活を脅かすことになっているのだ。
つまり本場沖縄の三線店でも、その店によって品質が大きく違うので、三線のイメージを悪化させる事態となってしまっている。
この対策として、例えば、これから新たに三線店を始めるときは、一定の基準の技能試験による資格を設けるなどの対策が必要ではないだろうか。それは簡単なもので構わない。それが無いと販売できないわけでもなく、買う人が安心感を持てる「ブランド」のようなもので構わないと思う。