韓国の繁華街で、人が密集してすし詰め状態となり、下敷きになった人が死亡した。私は、あることを思い出した。約20年前、長野県のスキー場でゴンドラ乗り場で行列を待っていたら、なぜか行列がやたら詰まって人が密集して、すし詰め状態になった。よく観察してみると、後ろの方からグイグイ押されている。そんな事をしても、ゴンドラに乗れるスピードは変わらないので、早く乗れるようになるわけではない。その力があまりにも強く、私は押されて耐えられなくなり、「押すな!押すな!」と声をあげた。すると、一瞬にして押す力は無くなった。何と、私のすぐ後ろの人が押していたのだ。そして、何という事か、その人は、押す力が無くなって隙間ができた行列の間を縫って、スイスイと割り込んで、あっという間にゴンドラに乗って行ってしまったのだ。あっけにとられたが、あの時死亡事故が起きなくて良かったと思う。
今思い返すと、あれは長野県の八方尾根。12月のシーズンまだ早めの時期で、積雪が十分でなく、滑られるゲレンデが標高の高い場所だけに限定されていたため、ゴンドラに乗って上に登らなければスキーが出来ない状態だった。下りも、スキーで滑って下まで降りるのではなく、ゴンドラで降りるという状態だ。その下りで起きた出来事だった。そして、やがて私の順番となり、下に降りて見ると、なんと先程グイグイ押して、更に割り込みまでしていた当の本人が、運営窓口のような所で何か文句を言っている。考えられるのは、「ゴンドラに乗って上まで行ったのに、その大部分が滑られなかった」から、恐らく払い戻しでも要求していたのだろう。その人はあの時点(20年前)で60歳代に見えたが、まだ生きていれば80歳代。人を後ろから押すくらい急いでいるのに、クレームを言って逆に時間をかけている。結局、全体的にはヒマなんだろうな。こういう人は、ろくな死に方はしないだろう。
それにしても、スキー場の積雪は年々少なくなってきており、20年以上前なら、当時の八方尾根スキー場は、シーズンになれば積雪5~6メートルは当り前だったが、今ではその半分程度だ。あと数十年もすれば、山の積雪は全く無くなり、スキーなど昔の話となってしまうかもしれない。