明治生まれの私の祖父は、とても「つまらない」話を、得意になって話していた。それは、いくつかパターンがあったが、その中の一つに、海の中の魚の話がある。「大きな魚は、自分よりも小さな魚を食べる。その小さな魚は、もっと小さな魚を食べる。その小さな魚は、もっともっと小さな魚を食べる。」そう言って、いつまでたっても永遠に話が終わらないのだ。小学生の頃の私も、さすがに腹立たしくなり、「小さな魚は、動物性プランクトンを食べ、動物性プランクトンは植物性プランクトンを食べ、植物性プランクトンは太陽の光合成で生きている。」と、説明したが、プランクトンと言う言葉を知らない祖父は、何を思ったか、「タンパク質は海の中には無いだろう」と言い出す始末だ。
しかし、それにしても、とおの昔に亡くなった人の事を、いつまでも腹を立てているのは、私の方が異常なのだろうなあ。