78回転のレコード盤◎ ~社会人13年目のラストチャンス~

昨日の私よりも今日の私がちょっとだけ優しい人間であればいいな

◎二郎系ラーメン屋に行ったら凄絶な恐怖を味わった(前編)

2017-10-17 10:24:39 | ほぼ週刊サンマイ新聞

 ラーメン業界の概念にとらわれず我が道を突き進む邪道のチェーン店『ラーメン二郎』。独自のルールに従わなければならず、初心者にはとても敷居の高い店となっている。そんな二郎の特徴的なラーメンをリスペクトする形で営業する『野郎ラーメン』や『らーめん影武者』などの店を『二郎系ラーメン』と呼ぶ。こちらは誰にでも入店しやすい配慮がなされており、普通のラーメン店と同じく食券を買って店員に渡し、好みを聞かれたら答えるだけで美味しいラーメンにありつける。

 先日当方は仕事で2時間近くも残業してしまい、疲労と空腹から思わずラーメン店に行ってしまった。朝からゼリー飲料しか胃に収めておらず、ガッツリいきたいけど予算は抑えたい。そうなると二郎系を選択するのは自明の理だった。早速スマホで調べ、小田急線沿線に位置する二郎系のとある店へと向かった。

 前述の通り、初心者でも安心して入れるのが二郎系の良さである……はずだった。19時45分に到着すると、既に20人以上の行列が出来ていた。これは本家二郎を彷彿とさせる光景。しかも、

男A「食券を買いに行って下さい」

男B「ハイ」

 普通のラーメン店では見かけない会話があった。男Aは当方の二人前、男Bは当方の前に並んでいる。並んでいる人から順番に食券を購入し、先に店員に渡しておくシステムだったのだ。男Bは行列を抜け、食券を買いに店内へ。そして店を出ると今度は当方に話しかける。

男B「食券を買いに行って下さい」

当方「??? ハイ」

 その時はシステムを良く理解していなかったが、当方も見よう見真似で行動した。ラーメンは極小、小、大から選べるが、当方は700円の小を購入。小でも一般的な特盛りレベルに相当することは有名な話で、コスパはとても良い。食券購入後も20分以上待ち続け、

店員「前の一人、店内のベンチに座って下さい」

 ようやく当方が呼ばれ、店内に潜入。意外にも学生風の若い男が多いが、二郎系特有のむさ苦しい空気に相違は無かった。そして事件は起きた。

店員「そこの人、蓮華取って!」

男C「ハ、ハイ!」

店員「お前、前にも注意したよな!」

 店員が客にキレるという、普通の飲食店では有り得ない事態が。どうやら二郎では客自らコップと蓮華を取ってから着席しなければならないルールがあるようなのだ。怒号を間近で聞いた当方は恐怖で身体を震わせた。そして察した。この店は二郎のラーメンのみならず、独特のルールや複雑なシステムまでもをリスペクトしてしまっていると。

店員「ベンチで待っている最初の一人は空いているカウンター席に座って下さい」

 いよいよ当方の番である。間違えたら怒られる。緊張がピークに達する中、まず蓮華とコップを取り、ウォーターサーバーを探す。しかし見つからない。もたもたしている時間も無く、コップに水を入れぬまま着席。他の客を真似して蓮華をコップの上に置いたが、二番目の関門は容赦なく訪れる。

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