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映画『海に向かうローラ』 ネタバレあり  お母さん散々…… トランス女性当事者が主役を演じた

2022-05-03 | ネタバレあり
海に向かうローラ(2019年製作の映画)
Lola vers la mer/Lola
製作国:ベルギーフランス上映時間:90分
ジャンル:ドラマ
監督 ローレント・ミケーリ
脚本 ローレント・ミケーリ
出演者 ミヤ・ボラルス ブノワ・マジメル



目次

  1. 映像がいいとか、
  2. しかし、
  3. ラストについては以下に。



映像がいいとか、

映画としての語り口もよくできてるとか、
主演のミヤ・ボラルス自身のトランス女性でベルギーのアカデミー賞で有望女優賞を受賞しているレベルに演技も存在感もビジュアルも素晴らしいし、
父親(ブノワ・マジメル)のキャラクターも冒頭では一側面しか見えない古い価値観の男だったのが、じわじわ彼の多面的な部分も見えてくるとこのいいし、
LGBTQへの無理解という問題と同時に
「思春期の子供と親」という問題がそもそも大きいしそれって永久に解決されないよね
さらにそこにセクシュアルマイノリティの問題が絡んで難しくなっちゃってるね
フランスでさえもまだこのレベルなんだね、
ってとこもいいし、
いくらでも広げられる話を「父と子」のみにギュギュッと集約したこともいい。


***


しかし、

こんがらがった問題が解決されていくのが、ずっと
「実は知らないとこでこういうことが行われていた」
「実はこうでした」
「実はこう思ってた」
という事実が羅列されていって
「あ、そうだったんだ…」とお互いに軟化していく、という流れ。

これがいい。だからいい。という人もいるかも。。

***



ラストについては以下に。







お母さんの遺灰がさぁ、半分は下水溝に飲み込まれて行ったし、残り半分も車と一緒に燃えて車の灰と混ざっちゃって「燃えちゃったね」的な感じで、
お母さんがずっと酷い目に遭ってましたね。。。
「遺灰を砂丘に撒く、という儀式自体いらないよね」というメッセージなのかもしんないけど、、
お母さんの希望がなぜこんなにも叶えられなかったのかがわからない。。
***
ローラと父フィリップはラストで急接近してバックハグもしてローラは手術も受けられるくらいにハッピーエンドなだけに、、
お母さん。。。。
遺灰が下水溝に吸い込まれ、砂丘の手間の道路で車の灰と混ざってしまった。
その後は、ゴミ清掃業によって回収されて、焼却もしくは、埋め立て地に埋められますよね。
もしくはリサイクル??
****
なんかあまりにも、父と子が2〜3日一緒に過ごしただけで問題解決しすぎなんですよね。。
お母さんは生きてる間も夫と子供の間に挟まれて苦労したし、死んだ後も散々だし。。



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