映画感想(ネタバレもあったり)

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映画『ライフ・アズ・ファニータ』白人にアフリカから奴隷船で連れて来られた黒人の末裔である〝アメリカの黒人〟の女性と白人に追い立てられて迫害された〝アメリカの先住民〟の男性の恋模様

2023-02-07 | 映画感想
ライフ・アズ・ファニータ(2019年製作の映画)Juanita 製作国:アメリカ上映時間:90分
監督 クラーク・ジョンソン
出演者 アルフレ・ウッダード アダム・ビーチ


評価低いのもわかる。。
けど、面白い映画ではあると思う。

アルフレ・ウッダードの名演技のおかげで観れたんだと思う。
名演技っていうか存在感?信頼感?


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主役のアルフレ・ウッダードがカメラ目線で観客に向かって語りかけてくるシーンが多い。

役としては、病院で清掃の仕事をしながら3人の子供を育てたシングルマザー。スポットライトを浴びたり、話の中心になることのない人物像。

普段は誰にも話を聞いてもらえない彼女にスポットライトが当たった映画なわけだ。

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よくあるミドルエイジクライシスの女性の物語かと思いきや、
都市部の黒人差別(警察による黒人青年の殺人事件などのBLM問題)もあるし、
先住民が湾岸戦争に駆り出されて今でもPTSD患ってるとか  
戦場で白人兵士たちから差別を受けていたことなどもできて
色んな問題が語られるし、

途中にはレズビアンもメンターとして出てくるし、
先住民の儀式のシーンも長いし、、
なかなかの暴れっぷりの映画。

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ものすごく重い話のはずなんだけど、、雰囲気はライト。
ちょっと、、、バカっぽいくらいにライト。。。

もうこれは意思を持ったライトさでしょうけど、、まぁ違和感強い。。
まぁいいんじゃないですか、、珍しいし。。

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白人にアフリカから奴隷船で連れて来られた黒人の末裔である〝アメリカの黒人〟の女性と
白人に追い立てられて迫害された〝アメリカの先住民〟の男性の恋模様。

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舞台はモンタナ州。『リバー・ランズ・スルーイット』のとこ。

モンタナ州はアメリカで最も保守的と言われているとのことで、
全人口のうち黒人の比率が0.67%と、モンタナ州には黒人がほとんどいない。

モンタナ州のインディアンの比率は6.7%。アメリカの中では多い方。

出会う確率のかなり低い2人が出会った!みたいな設定なんでしょうね。

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アルフレのウッダード演じる母親は息子2人を警察に逮捕されている。

「警察は若い黒人を捕まえる。ボスじゃなくて少年を捕まえる。ギャングと友達ってだけで捕まえる。
前科者にさせてまとも就職をさせない。そうするとギャングになるしか道がなくなる。
この話を言っても誰も信じない。白人しかいない街で暮らしてる人たちは。」

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モンタナ州のペーパームーンという小さな町のフランス料理屋を経営する先住民の男性は、湾岸戦争との時に戦争に駆り出されている。

いまだにPTSDを抱えていて、砂漠の嵐作戦 の日にはパニックになる。

「俺だって遺体ならたくさん見た。
アンタらそいつらに言ったのか?安全だって。
地雷はないから大丈夫だ。行けって言ったことがあるか?
3メートル先でヤツらの体はバラバラになった。エディは俺より先に行った。」

「俺たちは面白がって同じ隊にされた。
ブラックフッド族のモンタナのインディアンとニューヨークの黒人青年(エディ)を。」


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とても良い映画になりそうな要素はあったんだけど、どう考えても良い映画にする気のない作りなんですよ。。

なので、、もう、しょうがないよね。。


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