映画感想(ネタバレもあったり)

映画コラム/映画イラスト

映画『フリー・ガイ』ネタバレあり ディズニー帝国が一般市民に「あなたたちは自由だ」と説く 

2021-09-01 | ネタバレあり
フリー・ガイ(2021年製作の映画)Free Guy
監督 ショーン・レヴィ
脚本 出演者
出演 ライアン・レイノルズ ジョディ・カマー ジョー・キーリー チャニング・テイタム タイカ・ワイティティ 野村祐人

目次
  1. 野村祐人懐かしっ!
  2. 「ゲームばっかりやってちゃいけませんっ!」
  3. ネタバレは以下に。

野村祐人懐かしっ!

つーか奈良橋陽子の息子だったのね。

**


「ゲームばっかりやってちゃいけませんっ!」

こういうゲーム世界と現実世界を平行して描く場合、
ラストは「ゲームもいいけど現実もね❤️」っていうメッセージを込めて終わりたいのが〝大人〟。
ゲーム三昧の映画を二時間やっておきながら
「ゲームばっかりやってちゃいけませんっ!」と言わずにおれないのが〝大人〟。

『レディ・プレイヤー1』のラストがまさにそうで
ラストで「ゲームもいいけど現実も最高っ!リア充最高!」って言い放っちゃったものだから
それまで主人公と一緒にゲーム世界で戦っていた観客は突然裏切られ突然突き放されて呆然。。
なかなかの残酷描写、っていうかある意味ゴア描写でした。

**

今作ではおそらく『レディ・プレイヤー1』のラストを意識したものだったかと。




ネタバレは以下に。




主役男女はキス直前で切られましたね。
まぁあの勢いで顔を近づけてるんだからあの直後キスするだろうし、
キスで終わったと思ってる人も多いでしょう。
でもキスはしてない。
からのゲーム世界。
ガイと親友(バディ)が再会してハグする。
ここで映画終了。
まさか今のディズニーが「男女がキスしてハッピーエンド」の映画なんか作れませんからね。
友情ハグで終わりました。
**
ディズニーですから脚本が上手いのは期待通りでした。
期待していてもそれ以上やってくるのがディズニーとピクサー。
恐ろしい。
ブラックライブズマターや銃社会批判や性的搾取批判、
あからさまでないセクシュアルマイノリティ(バディ)や多様な人種の登用など、
これでもかとメッセージを入れてきてます。
(バディがデュードの雄っぱいを揉みしだくシーンは問題かと。セクハラだよね。バカっぽい筋肉男なら無許可で触っていいわけではないでしょ。) 
バディはラストで銃を捨てます。
銃のない社会へ。
**
その中でもメインテーマは、
モブなんていない!
自由は与えられるものじゃなく誰もが生まれ持って自由がある!
的なことかと。
**
社会の粒みたいな、ゲームのモブみたいな扱いを受けているほとんどの市民に
「あなたたちはモブじゃないよ、全員素晴らしいんだよ」と。
社会の歯車として迷惑にならないように頭使わず意思もなくただただおんなじ毎日を繰り返してりゃいい…
んじゃないよ!
あなたは独立したひとりの人間!
自由に生きれるんだよ!
世界一位のコンテンツ会社のディズニーが言ってくるのが、
なんか怖かったです。。。
今作でも、権利を買ったマーベルやスターウォーズのアイテムが出てくる場面がありまして、
キャプテン・アメリカの盾や1秒のクリエヴァが出てきた時は「わぁ♪」と楽しい気持ちになりましたけど
ライトセーバーが出てきたときにはちょっと引きました。。。
あ、これ全部ディズニーが持ってるんだ、、と。
全部持ってるディズニーが作ったものを金払って電車乗って座らされて真っ暗な部屋で最初から最後まで観させられてるんだ、、
と思ったらなんか怖くて。。。
ディズニーが「善なるもの」であることが大前提の社会構造なわけで、、、
それが揺らいできたりズレてきたら一体どうなるんだろうか、と。。。
エンドロール最後まで観た方はお分かりかと思いますが、一番最後の曲めっちゃくちゃ不穏な曲調なんですよ。
あんなに楽しかったのに。
エンドロールだって三曲くらい使っていたのに、ラストの曲だけ不穏。。




最新の画像もっと見る