ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)
Jojo Rabbit 上映日:2020年01月17日製作国:アメリカドイツ上映時間:109分
映画としての出来は良いけど、やってることはそんなに褒められたものでもないのでは?
限界があるでしょ
差別意識を持っていた相手と対話したら
全然悪い人じゃないってわかったので
差別意識が消えました♪
って話、好きじゃないんですよ。。
無理だから。
差別を受けている〝全て〟の属性を持った人と対話したり何らかの方法でよく知ったりすることは
物理的に無理だから。
限界があるでしょ。
よく知らないことを差別する理由にしちゃダメなんよ。
全く無力
そもそも、このような
「理解し合えば差別はなくなる」
と言うメッセージは、
理解し合おうという気がさらさらない人には全く無力。
ほとんどの差別主義者は相手側を理解しようなんて気、さらさらないでしょ。
とにかく殲滅しようとしてんだから。
国から出て行けっつってんだから。
生きてても良いけど平等なんて求めるなっつってんだから。
**
自分の生活と関与がない他属性のことを能動的に知ろうとする人は
そもそもそんなに差別意識ない人ですよ。
反発→混乱→対話→共感→融和
しかもこういう映画で描かれるのは、
例えば
娘の婚約相手が異人種だった!
とか
息子の婚約相手が異教徒だっだ!
とか
難民と一緒に住むことになった!
とか
隣人が!とか同僚が!
と、
他属性が自分の生活に強く関与し始めてから
反発→混乱→対話→共感→融和
という丁寧な手順を踏んで
やっと差別がなくなっていく。
全ての属性に対して全員がこの手順踏んでくれるの?
自分の生活が脅かされる!
かと言って単純に拒絶もできない!
という特殊な状況になってから初めて
これだけの手順踏んでくれるんでしょ。
それを、良い話でございましたでしょ!って映画にされても。。。
**
現実世界ではほとんどの場合、
他属性は自分の生活にあまり関与もなく
しかも単純に拒絶しても問題ないでしょ。
そしたらやっぱ
「理解し合えば差別はなくなる」というメッセージは無力。
理解する必要がないんだもん。
差別するかしないかの2択じゃねえんだよ
日本は単一民族国家だとか
周りにはLGBTはいないとか
他属性と融和するも何も
いないことにしようとしてるんだから
「差別しないように理解し合いましょう」は通用しない。
お前の理解なんて必要ねえんだよ。
差別するかしないかの2択じゃねえんだよ。
って言ってやんないと。
「善きユダヤ人」
特に今作は、
匿われているユダヤ人が若い美女。
これが、
美女ではなくチビデブハゲの油ぎったオヤジだったら成立したでしょうか。
あの少年は守ってくれたのでしょうか?
油オヤジだったらすぐにゲシュタポに通報されて射殺されてたのでは?
美女だったとしても
性格悪かったりしたらそもそもスカヨハは彼女を匿わなかったのでは?
「善き黒人」という問題がありますけど
彼女はかなり「善きユダヤ人」でしたよ。
邪魔せずに大人しく品行方正にしてたら生きてて良いよっていう「善き黒人」と同じじゃん。
**
映画としての出来は良いけど、やってることはそんなに褒められたものでもないのでは?