映画感想(ネタバレもあったり)

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 映画『ドロステのはてで僕ら』 ラストネタバレあり どうやって撮ったの!?高い技能と気合とチームワーク!

2020-08-19 | ネタバレあり




『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』とか
『1917 命をかけた伝令』などと同じワンカット〝風〟ではありますけど、十分長い。

そこにテレビの録画の再生(過去と未来)が絡んでくるので、、、「これどうやって撮ったの???」とドキドキしながら観ました。

どうやって撮ったのか知りたくてパンフ(なんか劇場では売ってなかったのでオンラインで入手)を読むと、
どうやらただただ頭を使ってただただものすごい技能と気合とチームワークで作ったようです。。

秒単位どころか、0.1秒単位で決まっているセリフと動きに合わせて、アンサンブル演技して、しかも長回し、、ですよ。。。





これこそが劇団の強みなのかと思いました。

普段から意思疎通が取れて、信頼し合っていて、お互いの技能も知っていて、自然と分担もできているからこそ、完成した作品なんだと思います。

今は1人でやろうと思えばだいたいのことはできちゃいますけど、やっぱりいろんな個性を持った人間たちが集まって切磋琢磨して、何かを作ることの威力を感じました。

脚本も素晴らしい!

登場人物と観客は映画の設定を同じタイミングで知っていきます。

なので、架空の商品「ドロステレビ」について観客が疑問に思ったことを、あんまりタイムラグなく解決してくれないと、観ていてイライラする。

逆に観客がもうわかってるのに登場人物がまだわかっていない、っていう時間が長いとこれまたイライラする。。

ちょうどいい塩梅で前半の設定説明タームも乗り越えました。

だからこれはすでに舞台で演じた演目なのかと思っていました。本当に脚本が素晴らしかったので。

まさかこの映画のために書かれたものとは。。信じられない。。





設定と人物を紹介して、話を展開させて、人物の関係性も一旦ぐちゃぐちゃにしたら、、今度はそれを畳まなきゃいけない。

タイムトラベラー物にはつきものの「やっちゃいけないことしてる感」がずっとあるので、それを解消してくれなきゃいけない。

それもお見事でした。



やっていることは壮大でものすごく困難なことだったけど、「小さなカフェでの〝すこしふしぎ〟な一夜」の話に落ち着かせたところがホント上品。



ラストネタバレは以下に。






「決まっている未来から逸れちゃだめ」「パラドックスを起こしちゃダメ」というのが、この映画全員の共通意識。

未来を知っちゃったらその通りに動かなきゃいけない。(動かされちゃう、って感じもありますかね)





ドラえもんでもお馴染みのタイムパトロールが登場し、2台のテレビについて「時空のひきつれのせいでワーム干渉を起こしている」と説明。

すでに2人のタイムパトロール(時空局)はカトウとメグミ以外の全員を気絶させて記憶を消している。

カトウとメグミは「事態を収束させようとしたから」ということで、(光線銃を売って気絶させるんじゃなく)自ら記憶忘却剤を飲ませられることに。

カトウ「飲まないっていう選択肢は?」

タイムパトロール「ないです、ほら飲んでるし」

未来テレビには記憶忘却剤(粉薬)を飲むカトウとメグミの姿が。

ぴったり2分後にカトウとメグミは薬を飲まなければいけない。じゃないとパラドックスが起きてしまう。

カトウ、仕方なく薬を飲むふりをしてクシャミ。粉薬を吹き飛ばす。

メグミも「ダメですよ、気をつけないと」とクシャミ。同じように粉薬を吹き飛ばす。

結局間に合わず2人は薬を飲まなかった。

タイムパトロールの2人が消えていく。タイムパトロール「あ〜あパラドックス起きちゃった!」

**

カトウとメグミ、カフェのソファに座って良い雰囲気。今までの話を総ざらい。

未来のテレビにはカトウとメグミが。リモコンを持ってテレビを消す。これで未来は見えなくなった。

おわり

エンドロール。

エンドロールには撮影風景。めっちゃくちゃ大変な緻密な撮影風景。

からの最後の最後にこれは本当に書いちゃいけないことがありますので、劇場で!






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