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名作っ! 映画『パスト ライブス/再会』ラストネタバレあり

2024-11-08 | 映画感想

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画) Past Lives
上映日:2024年04月05日
製作国:アメリカ 韓国
上映時間:106分
監督 セリーヌ・ソン
脚本 セリーヌ・ソン
出演者 グレタ・リー   ユ・テオ  ジョン・マガロ



「ニューヨークでは泣けないの?」


「私は人生をつかみたい。なのにソウル行きの便ばかり探してる」

**

名作ぅぅ!


恋愛というよりは、
結構可能性高くあったかもしれないもう一つの人生、でしょうね。

自分の意思と関係なく親にアメリカへ連れてこられたけどそこからは自分の意思で人生を掴んだ。

なんの悔いもないのに
自分の故郷の韓国から初恋の男が「君の本当の人生はこっちだったのかもよ」と近づいてくる!!

やめてよそんなこと思わせないでよ、と。
そりゃ韓国の方が苦労はなかったかもしれないし
今の夫も微妙だけど
アメリカだからこそ女性でも劇作家として活躍できてるのかもしれないし
誰だっていつだって「夫は微妙」なものでしょ、と。。

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「いいえ、私は1秒も乱れていません」てな感じなノラだけど
ぐるぐるぐるぐるとメリーゴーランドのように回っている。

メリーゴーランドのバックにした2人の会話シーン、最高!

監督のセリーヌ・ソンは韓国系カナダ人もしくは在カナダ韓国人かな。
1988年生まれの36歳!

この映画の主役のノラと境遇が似てる!と思ったら、半自伝的な作品とのこと。

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「韓国ではノーベル賞は取れない」というセリフがある。


この映画公開のときまではそう。

それまで韓国では金大中(大統領当時)のノーベル賞平和賞が唯一の受賞だった。

2024年10月韓国の女性作家、ハン・ガン(韓江)さんがノーベル文学賞を受賞!
おめでとうございます!

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この映画、下手したら
大人になったノラとヘソン2人だけのニューヨーク散歩短編映画になってた可能性もあるよね。


むしろそれの方が自然?

よくこの(薄い)内容で長編映画にしようと思ったわ。

韓国時代のノラの家族の様子とか
もちろん子供の頃のノラとヘソンとか
リモートの時期とか
ヘソンのダサいパーカー大学生時代とか
兵役とか。

なくても成立はするけど、
ぜんぶめちゃくちゃ大事ですよね。
ぜんぶ効いてる。
兵役とか特に。

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あと重要なのが夫!

(『ファースト・カウ』の主役ジョン・マガロ !!)

夫のネチネチ感がいいですね。
「君は寝言を韓国語でしか言わない。僕は君の夢がわからない」

「僕は君たち2人が主人公の物語の邪魔なアメリカ夫じゃないか!」
ってセリフは突然メタ構造に入ったのかと思うほど。

だからこの夫はめちゃくちゃ視野が広いんですよね。

何が起きてるのかはわかってる。
妻が愛欲で揺れてるわけじゃなさそうなことは頭ではわかってる。

もっと深く人生の帰路に立ってるっぽい!
だからこそ不安。

「あったかもしれないもうひとつの人生」が近づいてきて揺れている妻を拘束はしないんよ。

ちゃんと向き合ってきな、と。
だからこそのあのラストさ。

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ラストは以下に!







2分後にウーバー(タクシー)が来る。
おそらくさすがにもう2度と会わないであろう2人。
アメリカ式のフリして抱きしめちゃおうかな
最後だしずっと我慢してたからいいよね
なんだったらキスとかしてもいいかな
だってここアメリカでしょ
アメリカ人って結構軽い意味でキスしたりすんでしょ
あ〜全然無理
全部ノラに見透かされてる感じするし恥ずかし無理無理
でも見透かされてるっていうか
そもそも僕の気持ちは全部ノラは知ってるはずで
ここは男らしく悔いが残らないように
アメリカ式のハグのフリなんかじゃなく
韓国男としてノラを抱きしウーバー到着……。 

結局アメリカ式のハグ。笑顔。
 ウーバー着いてから長々と喋り出すヘソン。
 ヘソン「来世でも僕らであったらどうなる?」
ノラ「わからない」
ヘソン「僕もわからない」
 ↑何この会話 
ウーバー走り去る。
 歩いて家に戻るノラ。
玄関先で夫が待っている。
ノラを抱きしめる夫。
ノラ泣く。 初めてノラが感情を露わにした。
 夫はノラを抱きしめながら2人は部屋に戻る。



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