ケンミジンコのうた

平和な日々の暮らしを綴った日記です

時空の窓

2017-02-10 15:49:47 | 片思い
少し前に、昔好きだった中国人の男の子を検索して、
写真を見てはニヤニヤしていたのだけれど、
(前の記事はこちら
今日、また検索してみたら、
もう、彼の写真が表示されることはなかった。

これは、薄々感じていたことだった。
写真を見られるのは、きっと、限られた時間だけだろうな、と。
インターネットの魔法が、遊び心で私の思いを叶えてくれて、
今、この短い間だけ、彼の姿を見ることができるのだ、と。

気孔のように閉じたり開いたりしている小さな時空の窓から、
私は少しだけ、遠くにいる彼の姿を垣間見ることができたのだ。

窓が開いている間に、
叫べばよかった。
手を伸ばせばよかった。

でも、私はそうしなかった。
彼はもう、過去の人だと、分かっていたからだ。

そして、時空の窓は閉じて消えた。

彼は今も、あの町で生きている。
でももう、会うことはないだろう。

もう、会えないのだ。


コメント (4)
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幸せの街

2017-02-10 15:09:21 | 雑感
所用があって、隣の駅まで出かけた。
この駅には、ちょっとした特徴がある。
構内にツバメの巣がたくさんあるのだ。
私がいつも使っている駅には一つもないが、
隣の駅には、なぜかたくさんある。

ホームに降りると、私は早速、上を見て、ツバメの巣を探した。
ところが、最近行われた改修工事のせいか、
以前あった場所に巣は見当たらず、
つるつるした新しい天井と壁だけがそこにあった。

私はがっかりしたが、
それでもいくつか、店の軒先にツバメの巣が残っていた。
工事で天井と壁は新しくなっていたが、
巣は取り外して取っておいたようで、
箱のようなものの上に、巣がそっと置かれていた。

そして、巣の下にフンが落ちないように、
フンよけの板が壁にボルトで固定されていた。
板を目印に探したら、
全部で4つ、巣が残っていた。

春になったらツバメも戻ってきて、
これらの巣で子育てを始めるだろう。
ツバメのヒナが巣から頭を出しているのを見るのが
私はとても好きだ。

ツバメの巣がある家には幸福が訪れるという。

巣を取り払うのではなく、大切に見守る心優しい人のもとに、
幸せはきっと訪れるだろう。



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