今日は、とってもよいお天気の日曜日です。ミノタンのパパは仕事がお休みです。ミノタンはパパと水族館へ行く約束をしていました。それでミノタンは、パパとママと水族館へお出かけすることになりました。お家からバスと電車に乗って水族館のある駅で降りました。水族館への道は、子供たちがいっぱい歩いていました。みんなパパやママと手をつないで水族館の方へ歩いています。
「ミノタン、お友達がいっぱいきてるわね。みんな水族館へ行くのね。」
とママがいいました。
「お友達がいっぱいきているね。みんなと仲良くなれたらいいなあ。」
とミノタンはいいました。
「今日は新しいお友達がたくさんできそうだね」
とパパもいいました。
パパが入場券を買って、ミノタンたち3人はゲートをくぐりました。はじめに一番上の階へ行くことになっていたのでエスカレーターに順番に乗りました。ミノタンは、パパと手をつないで同じ段にのりました。よその子たちもみんなパパと手をつないでエスカレータに乗っていました。上の階につくと少し太った子がミノタンをみているのに気がつきました。その子はコウタンでした。
「やっぱりミノタンだったね、おはようミノタン」
「あっ、コウタンだ、おはよう。コウタンのパパとママもおはようございます」
とミノタンはきちんと挨拶ができました。
「やあ、おはようミノタン」
とコウタンのパパがいいました。二人の親たちもお互いに挨拶をしました。
ミノタンとコウタンは、手をつないでさっそく水槽の方へ走っていきました。
「走らないでゆっくり歩きなさい」
とママたちがいいました。
大きな水槽の中には、長いしっぽをつけた何か四角な物が泳いでいました。
「わあ、これ何だ?。へんな魚だね。」
とコウタンがいいました。ミノタンは声も出ださないで、じっとその生き物をみていました。 そこへパパたちが来ました。
「おもしろい格好をしているね。これはエイというお魚だよ。お腹は白いけど、背中は黒っぽいんだよ」
とミノタンのパパが教えてくれました。エイが下の方へいくと背中が見えました。はじの方にふくらんだところがあり、それが目だと教えてくれました。ゆるい下り坂になっている通路をゆっくり歩きながらいろいろな水槽をみていきました。大きな水槽の反対側には、小さな水槽が沢山並んでいました。
「わあー、きれいだね」
とミノタンたちは目を丸くしてみていました。そこには、あおく光っている小さな魚がたくさん泳いでいる水槽がありました。
「ネオンテトラっていうのよ」
とママが教えてくれました。
すこし先に行くと足の長さが80cmもあるタカアシガニのところへ出ました。
「わー、お祭りのやぐらみたいだね。これは何なの」
ミノタンはパパに聞きました。
「これはね、タカアシガニといって、足の長さは立っているときにはパパより高くなるんだよ。ほんとにお祭りのやぐらににているね」
ミノタンたちは、いろんな生き物をたくさんみました。ラッコのところでは、ミノタンとコウタンはガラスに顔をくっつけるようにして見ていました。
ラッコは水槽の下の方から貝を捕ってくると水面に浮かびお腹の上に貝をおき、もう一つの貝でたたいて割り中身を食べていました。ラッコは何回もその動作を繰り返して見せてくれました。周りにいたすこし大きい子たちは、可愛いと言っていました。
ラッコがほかの場所へ行ってしまうとミノタンたちはフーとため息をついてしまいました。
ミノタンのママはふと気がついたように
「お腹がすいたわね」
といいました。ミノタンたちはラッコがおいしそうに貝を食べていたのをみたので自分たちもお腹がすいてしまいました。そこでみんなでレストランへ行きお昼の食事をすることにしました。ミノタンはお子様弁当を食べました。コウタンは大人と同じ大きさのオムライスを残さずに食べました。
食事が終わると、今度は一番大きな水槽を見に行きました。
「わー、小さい魚がいっぱい泳いでいるね。これはなんて言うのパパ」
とミノタンが聞きました。
「これはイワシだよ、二人で数えてごらん」
とぱぱがいいました。二人は数え始めました。
「1,2,3,4・・・、早く動くから数えられないや」
ふたりは数えるのをあきらめました。
「100 匹以上はいるわね」
とママたちが言いました。するとコウタンのパパが説明書きを読んでくれました。
「この水槽にはいくつかの群れがいて、一つの群れには500 匹以上もいるってかいてあるぞ」
「500 匹なんて数えられないや」
とコウタンがいました。
いろんな大きさの魚がたくさん泳いでいるのを見ていると、突然ミノタンが大きい声を出しました。
「わー、大きな魚がこっちへ向かってくるよ。あの魚ガラスにぶつかってしまうよ」
「大丈夫だよ、あの魚はマグロだよ。こっちへ向かってくるけど、ガラスのところに泡がでているだろう、この泡を見るとマグロは向きを変えるんだよ」
とパパが言いました。
「あんなに早く泳いでいるのに息していないみたいだね」とミノタンが言いました。
パパは難しいことを聞くなーと思いましたが、やさしく説明してくれました。
「ここにもあっちの方でも泡がでているね、こうして泡を水の中に出すと空気が水に溶けるんだよ。魚はその空気を吸っているんだよ。よく見ると魚は少し口を開けて泳いであるだろう。口から水が入ってエラで空気を吸って、水だけはき出すんだよ。お家の熱帯魚の水槽でも泡を出しているだろう。あれと同じだよ」
「難しいけど何となくわかったよ」
魚を見てたミノタンが、また声を出しました。
「わー、すごく大きい魚がきたよ。これはなに、パパ」
とミノタンとコウタンがと同時に言いました。
「これはジンベイザメって言うんだよ」
「あれれ、大きいのの周りに小さい魚がいっぱい泳いでいるね」
「あの小さい魚は、大きい魚の体についている寄生虫なんかをとってきれいにしてくれるんだよ」
とこうたんのパパがおしえてくれました。ジンベイザメの上の方からウエットスーツを着た人が泡を出しながら泳いできました。するとミノタンがいいました。
「あの人は自分で泡を出しているね」
「人は魚のように水に溶けている空気を吸えないので、背中に空気の入ったボンベを背負っているんだよ。それを吸って泳いでいるんだよ」。
パパたちはいろんなことを知っていますね。またミノタンが声を出しました。
「わー、こんどは手で泳いでいるのがきたよ」
「あれはアオウミガメって言うんだよ。ミノタンも知っている浦島太郎も大きな亀に乗って竜宮城へ行ったんだよね」
「ぼくも乗ってみたいな」
水の中にすむいろんな生き物を見ているうちにいつの間にか水族館の外へ出ました。外にはプールがあって、ちょうどイルカショウをやっていました。イルカはジャンプして輪をくぐったり、女の人を乗せて泳いだりしていました。イルカショウを見ているうちに、子供たちは疲れたのかこっくりし出しました。
「今日はいろんな魚を見て疲れてしまったのね、そろそろ帰りましょう」
とママが優しくミノタンたちを見ながら言いました。
ミノタンは、パパの背中に背負われて帰っていきました。ミノタンはママが読んでくれた浦島太郎を思い出して、パパの背中を亀の甲羅と思って竜宮城へ旅立っているのかもしれませんね。コウタンもパパの背中で水槽のマグロとお刺身のマグロがどうしてあんなに姿が変わっているのだろうと夢の中で考えているのかもしれませんね。ミノタンたちは、大きくなっても今日見た水族館のことをきっと忘れないでしょう。