私は落語が好きでCDやレコードであるいは最近は
TVで放送される番組で聞いたり見たりします。特に
古今亭志ん生や三遊亭圓生の語り口がたまりませんね。
そして間の取り方が素晴らしいのです。噺家の修行と
いうのは師匠の前で話を語り、直しをしてもらうそう
です。後は自分でお客の反応を見ながら工夫するのが
大切だそうですね。
志ん生の落語の枕でこんな話があります。
「おい、あれはどうした」
「ああ、あれはなにのところへもってっといたよ」
「そうか、わかった。後は俺の方で何しておくわ」
「そうか何のことはそれで安心した」
これですべて通じてしまうのだから不思議ですね。
もしこの会話の中で二人が違う”あれ”のことを話し
ているとしたらどうなるでしょうか。とんでもない
結果になるかもしれませんね。
最近、企業を標的にした高額詐欺事件が頻繁に発生
しているという報道がありますね。詐欺というのは、
同じ言葉を当事者間の解釈に違いが出た結果ですが、
当事者はそれぞれことなる思惑があったときに加害者
がそれを利用する。被害者は自分の都合よい方へ解釈
する。この行き違いの言葉が重大な損害につながるの
です。
前にも書きましたが、妻と妻の妹の会話を聞いてい
ると不思議な気持ちになってしまいます。私にはお互
いに違う内容を話しているのに返事をすることがある
から不思議ですね。
さて長男が、眼瞼ガンという診断で3週間ほど入院
して手術で切除していただき退院しました。担当医は
術後がん組織の周辺を少し大きめに切除しましたが、
全部取り切れていなければ再発することがあるかもし
れません。といいました。怖い言い方ですね。医師の
世界では普通なのでしょうか。
医学に素人の私たちには、”全部取り切れていなけれ
ば”云々というこの医師の言葉はどう解釈したらよいの
かわかりません。
すれ違いの一言にならなければよいと思うのですが。