猫の鳴き声を追って、一目猫を見たい…。もしも、何かしら困った状況なら助けたい!その一心でお化け屋敷の中に入ろうとしていた。
裏手にたどり着くと、勝手口のような入口を見つけた。
子供心に、"開くワケは無い"…と、思いながらも、ドアノブに手を掛けて回してみた。
『カチャ』
…開いた💦
そもそも、肝試しと言って、たくさんの若者が入っているので、あちこちの鍵などは壊されてしまっているのかも知れません。
それだけ、肝試しに最適な大きさの屋敷なんです。
私は…というと…、
"⚪⚪ハイ"になってしまって、もう止められません。まるで子猫の母親にでもなったかのようです。
『ギギギ…』
錆び付いた扉が、渋い音を立てて開く。
外の光が暗闇に差し込んで、白い煙のような埃を舞い上がらせる。
目が馴れるまで、踏み込めずにいた。
目が馴れてくると、勝手口付近の景色が見えて来た。
案の定、家の中もかなり荒らされている。
猫の鳴き声のする部屋は、勝手口から入ると、右側だ…。
ミシッ…ミシッ…。
ゆっくりゆっくり足を進め、右側の部屋に行く扉を探した。
さすが、屋敷というだけあって、勝手口と言えど、広々としている。
右側の部屋へ行く扉を見つけた。
すでに少し開いている。
扉の隙間から覗くと、今いる場所よりさらに薄暗い廊下が見えた。
だけど、廊下の数メートル先は明るい。
天窓からなのか吹き抜けなのか、光が差し込んでいる。
…たしかに、猫がいるのは、こっち側の部屋だと思う。