ある時、沙友理さんが、優太さんと一緒の写真を見せてくれた。
確かに長身でイケメン。
「それに彼、優秀で、最近昇進したんですよ。」
沙友理さんは、それを自慢気にではなく、不安げに話す。
切れ長の目は、優しそうで、口角がキリッと上がった笑顔は、かなり好感度が高そうだ。
非の打ち所がない…とでも言おうか…。
確かに、沙友理さんのように不安になる人もいるかも知れない。
イケメンほど、彼女がいない…なんて言葉を言った人がいたけど、これなら頷ける。
そんな彼に寄り添う沙友理さんの笑顔が、心なしか、少し不安げな表情に見える。
「素敵な彼ですね。」
「…そうなんです。だけど、私、彼と居るとコンプレックスばかり感じて、なんだか幸せな気がしなくて…」
「あまり難しいことを考えないで、素直に今を楽しんでみては?」
「…そうですよね。最近彼が、『どうしたの?』とか、『楽しくない?』とか聞いてくるんです。さすがにまずいですよね。」
なんとも、答えに困ってしまいました。