「どうなりましたか?」
後輩の浜田が心配そうに話しかけてきた。
「彼氏と別れたんですか?」
「…うん。すっきり。」
「すっきり…ですか。良かった。自分はまだすっきりしてないです」
浜田は、まだ莉沙への思いに悩んでいるようだ。
「お金…貯めてませんでしたっけ?」
「え?」
「先輩の彼氏。あ、元彼氏…」
貯めてた…。
お店を出したいと言っていたし…。
「莉沙に巻き上げられなきゃいいですけど…」
「……」
「あ、でも、莉沙も本気モードなら、お金は巻き上げないかも知れませんね」
「……」
「あ、すいません」
「え?どうして謝るの?あ、本気モードって言ったこと?…気にしないで。
ところで、そもそも、彼女は本気モードになるの?」
「3年くらい前の恋愛は、本気モードで、逆に貢いだらしいです。…本人から聞きました。…でも、本気モードでなければ、財布ってワケですね。」
「でも、途中から本気モードになるかも知れないでしょ。」