坂元へ別れたい…と告げて数日が経った。
突然の別れ話に、蒼白になって、言葉を失った坂元の顔が忘れられない。
「大丈夫?」
突然原田からLINEが来た。
「え?」
「坂元と別れたんだって?」
「…はい。なぜ知ってるんですか?」
「うちの会社は、こういう話しは広まるのが早いんだよ」
「…そうなんですか」
「もう、坂元からは連絡は無いの?」
「無いです。……どうして、気にかけてくれるんですか?」
原田は坂元と同期だ。
だけど、他人の恋愛にはあまり興味を示さない…と言っていた原田が…なぜ気にするのか…。
「実はね…、坂元は、君が入社する数ヶ月前に、同期の女性と半年くらい付き合ってたんだ…。別れた後、あきらめきれなかったのか、ずいぶんとその女性にしつこくしていたらしくて…。」
「…え?」
「その時と今とは違うかも知れないし、無駄に心配しなくてもいいかも知れない…。だけど、何かあったら、相談にのるよ。」
「ありがとうございます」
そういえば…、異常なLINEの数や、突然に迎えに来た…と言って、待ち伏せされたことを思い出した。