再び、別れ話をした店にやってきた。
「ここ!」
坂元は先に来ていて、七美に手を振る。
「お待たせしてすみません」
「大丈夫。10分しか待ってないよ。何だか急に他人行儀だなぁ…」
「……」
「何食べる?ここのおすすめはチキンステーキらしいよ。」
「あ、いいえ、私はお腹空いてないので…コーヒーで」
「なんでよ。今日は冷たいなぁ…。食事くらいいいでしょ。」
「あ、はい。それじゃ、チキンステーキで…」
運ばれてきた食事を、坂元は、楽しそうに食べる。
二人の間には、何も無かったかのように…。
「この次は、ケーキの美味しいお店に行こうか?」
「……え?」
「スィーツ好きだよね」
「はい…。でも私たち…」
「あ、そうそう、君が好きなイチゴのパフェの有名なお店があるんだ。来週行こう」
「ちょっと待ってください。私たち別れましたよね。」
「え?ダメなの?」