「…そうなんだ…。」
原田は、腕組みをして深くうなずいた。
「実はね、坂元は、君と付き合う数ヶ月前に同期の子と付き合っていて、しつこくされたらしい…という話しをしたよね…」
「はい」
「あの後、気になったから、その子と連絡を取ってみたんだ。」
「…そうなんですか」
「彼女、坂元と別れて1ヶ月くらいして会社を辞めたんだけど、メンタル的に追い詰められて、会社に出社出来なくなってしまったらしいんだ」
「…え?…それは、坂元さんのせい?」
「うん。別れ話しをしても、受け入れてもらえず、ずいぶんしつこく付きまとってきたらしいんだ」
「…つきまとい…?!💦」
「朝はアパートの前に車を停めて『送るから』と待っていたり。もちろん帰りもそう。ランチタイムも待ち伏せされたらしい。」
「ランチまで…💦」
「しかも、別れ話をしてから激しくなったらしくて…。」
「……」
「知ってたら、君に話したのに…」
「この件を前もって知ったら、別れることができなかったかも知れません」