箱には何の装飾もなく、真っ黒で、持ち手もなく、蓋だと思われる部分も何もない。そもそも、中に何か入っているのか、箱なのかどうかもわからない。
「箱?」
梨花は不思議そうにつぶやく。
「開くの?」
そう言って、箱に触れようとした。
「やめた方がいいよ」
徹弥が大きな声をあげた。
「何?急に…💦びっくりした~。なんで?」
「いや、なんとなく。」
「動いた事が本当なら、何か入っているのかな?」
「まさかぁ~!この箱、息つぎの穴も無いし…、生き物が入ってるわけないよ。」
「…そうだよな。」
「気のせいだよ」
梨花は、物怖じもせず箱にさわる。