旅館15

2023-10-05 10:10:47 | 日記

箱には何の装飾もなく、真っ黒で、持ち手もなく、蓋だと思われる部分も何もない。そもそも、中に何か入っているのか、箱なのかどうかもわからない。

「箱?」

梨花は不思議そうにつぶやく。

「開くの?」

そう言って、箱に触れようとした。

「やめた方がいいよ」

徹弥が大きな声をあげた。

「何?急に…💦びっくりした~。なんで?」

「いや、なんとなく。」

「動いた事が本当なら、何か入っているのかな?」

「まさかぁ~!この箱、息つぎの穴も無いし…、生き物が入ってるわけないよ。」

「…そうだよな。」

「気のせいだよ」

梨花は、物怖じもせず箱にさわる。