旅館18

2023-10-16 10:36:40 | 日記
「あ、これこれ!見た目より結構重いんだよ」

例の箱を見つけた徹弥は得意げに持ち上げる。

「どれどれ!」

幹太は箱を受け取った。

「あ、本当だ」

そして、幹太はその箱を上下に振り出した。

「音…しないよ」

「そんなことないよ。」

幹太はさらに大きく振った。

「やめなよ。何かあったらどうするの?」

「何かって?」

「何かが割れたり…」

「…呪われるとか?」

幹太は笑った。

「とにかく、やめよう」

夕美は幹太から箱を奪うと、元の場所に戻した。

「もう、草むしりしよう!」

夕美は、正直、この物置小屋に長く居たくなかった。