「あ、これこれ!見た目より結構重いんだよ」
例の箱を見つけた徹弥は得意げに持ち上げる。
「どれどれ!」
幹太は箱を受け取った。
「あ、本当だ」
そして、幹太はその箱を上下に振り出した。
「音…しないよ」
「そんなことないよ。」
幹太はさらに大きく振った。
「やめなよ。何かあったらどうするの?」
「何かって?」
「何かが割れたり…」
「…呪われるとか?」
幹太は笑った。
「とにかく、やめよう」
夕美は幹太から箱を奪うと、元の場所に戻した。
「もう、草むしりしよう!」
夕美は、正直、この物置小屋に長く居たくなかった。