梨花は、謎の箱を怖がることもなく気軽に持ち上げる。
「重い…」
30センチ四方の箱なので、持てなくは無い…。
「重いし…、持ち手も無いし…。」
「何も入って無いんじゃない?」
「こんなに重いのに?米なら10キロの袋は入ってそうだよ」
「ここにいたの?」
オーナーが物置小屋に入ってきた。
「あ、鎌が小さくて…」
「あぁ~、大きめな鎌なら、奥にあるよ」
オーナーは、奥の大きめな観音開きの棚から鎌を2本出してきた。
「あとは、鍬で我慢してくれる?」
「はい」
「オーナー、この箱って…」
「さて、草刈り頑張るべ~!」
梨花が箱の中身を聞こうとした瞬間、徹弥が言葉を遮った。