旅館16

2023-10-09 08:30:36 | 日記
梨花は、謎の箱を怖がることもなく気軽に持ち上げる。

「重い…」

30センチ四方の箱なので、持てなくは無い…。

「重いし…、持ち手も無いし…。」

「何も入って無いんじゃない?」

「こんなに重いのに?米なら10キロの袋は入ってそうだよ」



「ここにいたの?」

オーナーが物置小屋に入ってきた。

「あ、鎌が小さくて…」

「あぁ~、大きめな鎌なら、奥にあるよ」

オーナーは、奥の大きめな観音開きの棚から鎌を2本出してきた。

「あとは、鍬で我慢してくれる?」

「はい」

「オーナー、この箱って…」

「さて、草刈り頑張るべ~!」

梨花が箱の中身を聞こうとした瞬間、徹弥が言葉を遮った。