「『箱の中の何か』が、急に"痛い…痛い…"って言うんだ。」
幹太が熱でうなされていた時に見た夢の話しをしていた。
「怖い…」
梨花が思わず声をあげた。
「それだけじゃないんだ。声を聞いた俺は、箱をくまなく見ると、門に10円玉くらいの穴を見つけるんだよ。」
「それで?」
「その穴から中が見えるかな…と、思って覗こうとすると、なんと…箱の中の"何か"と目が合うんだ」
「マジか…!!」
震える声をあげたのは、徹弥だった。
「あ、夢だよ!夢!」
「うん…わかってるけど、リアルだな…」
「で、あの日、幹太が物置小屋に入った時、一体幹太は何をしたの?」
「それが、やっぱり、思い出せないんだ。」
「たぶん箱を見に行ったんだから、箱を持ち上げたり揺すったりしたんじゃないか?」
「うん…そうかも知れない…。とうしよう。バチが当たもったかな?」
「熱も下がったし。もう、大丈夫だよ」
心配していたより軽い症状の幹太の姿を見て3人は安心して帰路についた。