直樹と正人と松田。
夜9時に3人は集まった。
持ち物といえば、スマホと懐中電灯だけ。
何かしらがあれば、すぐに逃げられるように身軽にしていた。
「さぁ、行くぞ!」
正人が先頭に自転車をこぎ、進み始めた。
最初はサイクリング気分で、面白い話しをしながら盛り上がっていたが、民家も無くなり、街灯もほとんど無くなり、嫌がおうにも気分は肝試しモードになってきた。
出発して、20分くらい経って、街灯がまったく無くなり、灯りは自転車のライトだけ…となってくると、直樹たちは、森の中の鳥の鳴き声や風に揺れる木々の音がやたらと気になって来ていた。