「二階から足音がする」
松田の言葉に二人は足を止めた。
『ミシッ………、…ミシッ…』
確かに…足音のようにも聞こえる…。
「家鳴りだよ。」
「うん。そうかもね」
言い出しっぺの松田も怖くなったのか、家鳴りだよ…という言葉に納得しようとしていた。
「上…行ってみる?」
「いやいや、まだメインイベントにたどり着くには早いよ」
正人が少し楽しそうだ。
「メインイベント?」
「あ、メインイベントかどうかわからないけど、いきなり"何か居そう"な場所に行く勇気が無い…って意味で…。ここへ来たばかりだから、もう少し怖いやつに慣らしてから二階に行こうよ…」
「そりゃそうだね…」
直樹は、正人の謎の論理に不思議と納得した。