君は誰?11

2024-09-30 09:53:06 | 日記
「…ッツ…」

「…キャ…」

ネコのような、何かが壁を突っつくような音が続いていた。

「二階からだと思うけど…。本当に二階に行くの?」

松田が急に不安げな声を出した。

「え?行かないの?ここまで来たのに!」

正人は強気だ。

さっきから直樹は、好奇心と恐怖が入り混ざり、何も言えないでいた。

「直樹は?どう思う?」

「うん…。ここまで来たし…。このまま帰るのは、勿体無いような…」

「だよな!」

今の直樹は、ほんの少しだけ好奇心が勝っていた。

「とりあえず、二階は、後にしよう。」

直樹は、少し時間ぎ経てば、状況も変わっていることを願った。

「次は、理科室」

「人体模型、あるのかな?」

「剥製とかあったら怖いよな…」

理科室の前に来た。

中は真っ暗。

懐中電灯をあてたが、
テーブルがひっくり返っていたり、棚が視界を塞いでいたり、人体模型も剥製も見えない。