次のゴミの日、早く起きて、まだ日も上がらない明け方、ゴミを出してきた。
油断は出来ない。
それでもゴミを持ってくるかも知れない。
『カタン…』
隣の宮本さんが、ゴミ出しに出掛けるんだろう。
帰りに自分のゴミを持って帰って来たら、「違いますよ」と、言い逃れは出来ない。
安子は、玄関の扉に耳を当てて、宮本が戻って来るのを待った。
…なかなか戻らない…。
どうしたんだろう…。
え?もしかしたら?
…あわてて扉を開けた。
やっぱり…。
さっきの『カタン…』という音は、既にゴミを持ち帰って、安子の部屋の前に置いた音だった…。