イラクで人質になっていた一人の若者が、惨たらしい姿で発見された。彼の軽率極まりない行為に関しては、「愚か者達」の中でも批判されてしかるべきだし、不測の事態が起こっても同情の余地無しとした自分だが、そう書きながらも無事解放されて欲しいという気持ちが根底には在った。生きて帰国し、バッシングの嵐に晒される事になったとしても、”生”に勝る価値はないからだ。だが、最悪の結果を迎える事となってしまった。今は、何とも言えない脱力感だけが自分を支配している・・・。
今回の件では、日本政府の情報収集能力の御粗末さや無力さが批判されている。米軍からの情報だけを頼りに、右往左往していただけではないかというのがその原因だ。だが、小泉首相不支持の自分ではあるが、この点に関しては政府に同情的になってしまう。派遣された自衛隊の位置付けや、イラク国内の状況を考えた場合、最善とは言えないかもしれないが、あれ以上の事を成すのは極めて難しかったと思うからだ。*1
それよりも批判されるべきは、大義名分が非常に不明確な状態で、アメリカの顔色を伺って、この様な危険地帯に自衛隊を派遣した事だろう。
国民の自由を奪い、恐怖政治を敷く”独裁政権”は決して許されるものではない。その意味で、フセイン政権が崩壊した事自体は、イラク国民の望む所だったろう。しかし、アメリカが軍事介入した動機に、不純さをイラク国民だけではなく、世界の国民の多くが感じ取ってしまうのが問題なのだ。
喩えて言うならば、銃弾を受けて手術に臨む者が居るとする。銃弾が取り除くのに問題無い位置に留まっているならば、手術もそれ程難しくはないだろう。だが、もしも心臓に近い部分、少しでも動かせば大動脈をも破裂させてしまいそうな位置に留まっているとしたら、充分過ぎる程注意を払って手術に臨まないと、手術という行為自体が「死」を意味するだろう。銃弾を独裁政権と置き換えた場合、独裁期間が長ければ長い程、銃弾はより危険な部位に留まっている事を意味する。細心且つ最適な手術をなさなかった場合、つまり、大義名分なしに大規模な軍事力を投入した場合、結果がどうなるかは自明の理だったと言える。
イラク国内では、今回の結果を哀しむべき事態と捉える一方で、「日本政府は冷淡」という声も少なくないという。事件発生直後に、小泉首相が「テロに屈する事は出来ない!」と発言する等、テロに対する強硬姿勢が突出”し過ぎた”と。小泉首相の立場としては、犯人側の要求を受け入れる発言が出来ないのは理解した上でも、「人質を殺すな!」と強調する事も出来たのではないかと。
イラク人の間では、「経済大国で文明国の日本が、どうして自国民の命を冷淡に扱うのか?」という疑問が広がっているとも言い、日本に対するイメージが悪い方向に変わったと指摘する声も在る。
イラク国民の総意を忖度する事無しに、安直にアメリカに追随して自衛隊を派遣。(本人の軽率さは否定出来ないものの)自国民を結果的に死に追いやり、挙句イラク国民の信を失うでは、亡くなった彼が全く以って浮かばれない。
アメリカの軍事介入に端を発した底知れぬ泥沼状態。一体、誰が為に銃声は鳴っていたのだろうか・・・。
最後に、無念の死を遂げた彼とその御親族に心から哀悼の意を表したい。
*1 今回の政府の動きに関しては、批判する気は無いが、情報が錯綜した事に対して小泉首相が、関係者に「注意しなさい。」と言った事に、一国の長としての責任の重さを感じられなかった。各責任者に自覚を持って物事に当たって貰っているからと彼は言うのだろうが、何事に於いても”丸投げ体質”の本性を此処でも見た思いだ。
それと、気持ちが滅入ってしまっている為、何時も以上に纏まりの無い記事になってしまった事を御詫びしたい。やまさわかつまさ様のブログ「Katsumasa Yamasawa Weblog」に、「やりきれない結末」という記事が載っているのだが、其処に書かれている内容が、自分の思いを代弁してくれているかの様なものであったので、此処に記しておきたい。
今回の件では、日本政府の情報収集能力の御粗末さや無力さが批判されている。米軍からの情報だけを頼りに、右往左往していただけではないかというのがその原因だ。だが、小泉首相不支持の自分ではあるが、この点に関しては政府に同情的になってしまう。派遣された自衛隊の位置付けや、イラク国内の状況を考えた場合、最善とは言えないかもしれないが、あれ以上の事を成すのは極めて難しかったと思うからだ。*1
それよりも批判されるべきは、大義名分が非常に不明確な状態で、アメリカの顔色を伺って、この様な危険地帯に自衛隊を派遣した事だろう。
国民の自由を奪い、恐怖政治を敷く”独裁政権”は決して許されるものではない。その意味で、フセイン政権が崩壊した事自体は、イラク国民の望む所だったろう。しかし、アメリカが軍事介入した動機に、不純さをイラク国民だけではなく、世界の国民の多くが感じ取ってしまうのが問題なのだ。
喩えて言うならば、銃弾を受けて手術に臨む者が居るとする。銃弾が取り除くのに問題無い位置に留まっているならば、手術もそれ程難しくはないだろう。だが、もしも心臓に近い部分、少しでも動かせば大動脈をも破裂させてしまいそうな位置に留まっているとしたら、充分過ぎる程注意を払って手術に臨まないと、手術という行為自体が「死」を意味するだろう。銃弾を独裁政権と置き換えた場合、独裁期間が長ければ長い程、銃弾はより危険な部位に留まっている事を意味する。細心且つ最適な手術をなさなかった場合、つまり、大義名分なしに大規模な軍事力を投入した場合、結果がどうなるかは自明の理だったと言える。
イラク国内では、今回の結果を哀しむべき事態と捉える一方で、「日本政府は冷淡」という声も少なくないという。事件発生直後に、小泉首相が「テロに屈する事は出来ない!」と発言する等、テロに対する強硬姿勢が突出”し過ぎた”と。小泉首相の立場としては、犯人側の要求を受け入れる発言が出来ないのは理解した上でも、「人質を殺すな!」と強調する事も出来たのではないかと。
イラク人の間では、「経済大国で文明国の日本が、どうして自国民の命を冷淡に扱うのか?」という疑問が広がっているとも言い、日本に対するイメージが悪い方向に変わったと指摘する声も在る。
イラク国民の総意を忖度する事無しに、安直にアメリカに追随して自衛隊を派遣。(本人の軽率さは否定出来ないものの)自国民を結果的に死に追いやり、挙句イラク国民の信を失うでは、亡くなった彼が全く以って浮かばれない。
アメリカの軍事介入に端を発した底知れぬ泥沼状態。一体、誰が為に銃声は鳴っていたのだろうか・・・。
最後に、無念の死を遂げた彼とその御親族に心から哀悼の意を表したい。

*1 今回の政府の動きに関しては、批判する気は無いが、情報が錯綜した事に対して小泉首相が、関係者に「注意しなさい。」と言った事に、一国の長としての責任の重さを感じられなかった。各責任者に自覚を持って物事に当たって貰っているからと彼は言うのだろうが、何事に於いても”丸投げ体質”の本性を此処でも見た思いだ。
それと、気持ちが滅入ってしまっている為、何時も以上に纏まりの無い記事になってしまった事を御詫びしたい。やまさわかつまさ様のブログ「Katsumasa Yamasawa Weblog」に、「やりきれない結末」という記事が載っているのだが、其処に書かれている内容が、自分の思いを代弁してくれているかの様なものであったので、此処に記しておきたい。
基本的に、書き込みして下さった方のブログへ、直接レスを付けさせて戴く形を取っているのですが、貴ブログが見当たりませんでしたので、こちらに書き込む失礼の段を御許し下さい。
香田氏が人質になったニュースが報道された当初、彼に対する見方はjunnya様と全く同じでした。そういう見方をしていた人は少なくなかったのではないでしょうか。
彼が殺されて以降、様々な”事実”が明らかになって来ました。それ等に触れ、彼や御遺族に対して申し訳なく思うのも、又、それでもやはり彼には同情の気持ちが沸かないと思うのも、人それぞれではあると思います。仰る様に、この問題に関しては明確な答えはないと思います。
唯、間違いなく言えるのは、あの様に理不尽且つ残酷な形で人を殺すという行為には、激しい憎悪の気持ちしか起きないという事です。戦争という行為も、当事者の国にとっては、”正義”を成しているんだという自己の大義名分の下に殺戮行為をしている訳ですが、どんな奇麗事を並べた所で、人を理不尽且つ残酷な形で殺している事には変わりがないと思います。その中から生まれて来るのは、殺された側の激しい憎悪。結局は、”憎悪の連鎖”を生み出している事になるのでしょう。
又、もう一つ言える事は、彼が殺された事で、多くの日本人が”生と死”に付いて、真剣に考える時間を持ったという事ではないでしょうか。自分はそう思いたいです。そう思わないと、彼の死が一層やり切れないから・・・。
これからも宜しく御願い致します。
ネットの掲示板に対して書き込むことは今回が初めてです。俺自身まさか最初の書き込みの内容がこういう場所だとは思いもしませんでしたが…。
何で書き込んだかというと俺もメディアに踊らされた人間とかわらなかったんですが…ようは香田ってやつ(行っちゃだめだよ!っていわれてるところに興味本位で入ってしまった愚か者)馬鹿じゃねぇの(笑)そんなやつ死んだって自業自得だろ。と思ったいた一人でした。
今日はたまたま暇だったので友人から聞いた幸田殺害映像を探そうと検索サイトからいろいろ飛び回ってここと似たような(失言)サイトで似たような内容(失言)の文をたくさん見ることになりました。
パソコンを起動させて30分後には俺の考え方は間違っていたのか…少なくとも正しい考えではなかったような気になってきています。それと同時にこの問題には答えなんてないような気がしてきました。
首相が冷たすぎるんじゃないの!?…もう少しどうにかならなかったのか…
幸田さんどうして踏みとどまることができなかったのか…。
元々テレビとかまったく見ないほうなので政治にはまったく知識がないのでそっちの法にはあえて触れませんが…。
今俺の中でこの二つがぐるぐる回っています。
それとこの話を抜きにして幸田さん、幸田さんの遺族、友人の方に謝罪させていただきたいと思います。
長文になってしまってすいません。
一国の指導者には、時には冷酷さを求められる事も有るでしょう。又、身内に対して非情で有ろうが無かろうが、要は国”舵取り”をきちんとこなしてくれれば良いのだという意見も有ると思います。ですから、自分が感じた事が全て正しいと言うつもりもないですが、そうは思っても小泉さんの言葉には心からの”温かみ”を感じられないのが、残念でなりません。
中曽根元首相が、「自省録」という自伝もどきの中で、小泉首相の事を「深い思慮と慎重さが感じられない、”瞬間タッチ断言型”」と称しています。支持率の高さも、政策の実態よりも首相のパフォーマンスの上手さ、内閣の姿勢の見せ方が上手さだけに基盤を置いていると。
彼には一時期、「自分の言葉」で喋っている”様に思えた時期が有りました。しかし、最近では結局、「言葉の修辞(言葉遊び)」に酔っていただけなのかもと思えてなりません。
そんな話は全然知りませんでした。
やっぱり冷淡すぎますね。
早く消えてほしい!!
コメントありがとうございます。
giant55さんはいつ眠ってらっしゃるのでしょう?
僕も人のことは言えませんが・・・
僕は共産・社民・公明を除いて、フリーターや派遣社員を組織員として認めないような労働組合を支持基盤にする民主党を排除して、消去法で自民党支持なのですが、小泉さんはダメだなって思います。
優秀な「政治家」であることには同意ですし、強いリーダーが今の日本には必要だとも思うのですが、彼には、難しい選択をしている、という感覚を感じないのです。
たとえば香田さんの事件であれば、国家の安全保障としてテロリストと交渉しない、ということと自国民の命を天秤にかけて苦渋の決断をする、という回路はないように思います。
すごく冷静ですよね。
ただ、香田さんを拉致したグループはイラクに軍隊も送っていない国の人質でも殺し続けてきていて、イスラム教徒以外で救出された人はいないそうなので、冷静にみると交渉の余地は向こう側にも無かったように思いますが、冷淡ですよね、首相は
基本的に、書き込みして下さった方のブログへ、直接レスを付けさせて戴く形を取っているのですが、貴ブログが見当たりませんでしたので、こちらに書き込む失礼の段を御許し下さい。
小泉首相に関しては、自分は”情”というものを余り感じません。週刊誌等でも何度か取り上げられていますが、小泉首相には3人の息子が居ます。長男&次男は小泉家で引き取り、三男は前妻が引き取ったという事なのですが、小泉家(特に小泉首相の姉)と前妻の間に確執が有った為、前妻はまだしも三男も”父親”に会わせて貰えないという事でした。どういう感情の縺れが有ったにせよ、血を分けた子供が会いたがっているというのに、姉の意向を優先させる小泉首相には、どうしても温かみを感じないです。一国のトップには非情さも必要なのは判りますが・・・。
これからも宜しく御願い致します。
日本人のことわざに「沈黙は金」というのがありますが、心があっても本当は話すのが下手なのかもしれません。香田君も最後だと思って、あのビデオを撮ったかわかりませんが、やはり他の人質が色々と話すのに、彼は、何も話さず、子羊のようになくなってしまった。人質になったビデオが最後のビデオとなり、たったの「すいませんでした。日本に帰りたいです」が彼の最後の言葉になってしまったのは、寂しい限りです。
私は人にはそれぞれの人生と死があり
その全てに意味があると思っています。
奇麗事に聞こえてしまいますが
今回の事件にもその結末にも何かしらの意味があり
決して無駄な死では無いと思いたいです。
先の「自己責任騒動」の時もうんざりしていました。自分も含め報道で知る以外、今のイラクの事など何一つ知らない筈なのに、その自分を棚に上げて単純な言葉で他人の行動や考え方を批判する人の何と多い事か。
もし彼の訪問していた場所がイラクでなければ、あるいはイラクがこんなにも危険な場所でなければ、彼はその体験を己の生きた証として立派に生きてゆく事が出来たかもしれないのに。
しかし彼は殺され、皮肉にも日本の情報収集能力の弱体ぶりを露呈させる結果となった。日本人全てに警鐘を鳴らすと言う意味において、彼の死は無駄では無かったと信じたい。
小泉首相は、こんな拉致事件や、新潟の震災で人が苦しんでいる中、福田官房長官の親戚の結婚披露宴に行っていたんですよ。
確かにお祝い事かもしれませんが、国のトップとして、して良い事と悪い事の区別も出来ない人に、何を同情できるのでしょう?
正しくは、アメリカに良く見られる為だけに犠牲にしたんじゃないですか?
厚生大臣だった頃の彼を知っていますが、自分の得にならない事には目を背ける人ですよ、彼は。
だからいつまでたっても信用できないんです(-_-)