今年の1月19日にアップした記事「XXに浸透して欲しい10の習慣」の中で紹介した映画「平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊」。上映開始から1ヶ月以上が過ぎてしまったが、遅れ馳せ乍ら映画館に足を運んだ。「流石にもう、観客数は少ないだろうな。」と予想していたのだが、豈図らんや場内は略満席。
観客の多くは親子連れで、子供は小学校低学年位といった感じ。「昭和ライダー」と「平成ライダー」が登場するという事で、嘗ての子供達、即ち「親」や「祖父母」の世代をも魅了する作品と言える。
自分(giants-55)の隣の席は矢張り親子連れで、父親は自分よりも幾分年下に見受けられた。其の父親が上映中、笑い乍ら呟いていたのは「何でも在りだな。」という言葉。昭和ライダーと平成ライダー、其れ其れ主役級の15人、合計30人が登場するというのも凄いが、加えて「スーパー戦隊シリーズ」のキャラクター達も登場するのだから、此れを「何でも在りだな。」と言わずに何と言おうか?自分自身も全く同じ事を思っていたので、其の呟きには思わず笑ってしまったが、此の呟きは「平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊」という作品を、端的に表していると思う。天衣無縫の御祭り映画だ。
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ふとした事から、ヘルヘイムの森とは全く異なる世界の調査をする事になった葛葉紘汰/仮面ライダー鎧武(佐野岳氏)。そんな中、シュウ(青木柚君)という少年に遭遇する。其の時、侍の如き風格を持った男が現れ、紘汰に「御前の様な雛を、ライダーと認める訳にはいかん!」と言い放つ。其処に地下帝国バダンが襲来。そして其の男は「変身!」と叫ぶ。彼こそ、伝説の男・本郷猛/仮面ライダー1号(藤岡弘、氏)で在った。1号を始めとした昭和ライダー達は、何の為に行動しているのだろうか?紘汰には、祖父程も年齢の離れた本郷の真意が、全く判り兼ねるのだった。
其の頃、或る理由から平成ライダー15人の力を結集し様と、幾つもの世界を渡り歩いていた門矢士/仮面ライダーディケイドが、紘汰にも接触。「一連の事件は全て、バダンが人類滅亡を画策した結果だ。」と語り、力を貸す様に依頼するが、其処に再び昭和ライダー達が現れ、「バダンを生み出した根源こそ、平成ライダー達なのだ。」と主張し始めた。
士と本郷、平成ライダーと昭和ライダー、互いの主張は全く相容れず、遂に「此れ以上の問答は無意味だ。」と打ち切った昭和ライダー達は、平成ライダー達に戦いを挑み始める。紘汰は何方が正しいのか困惑するも、「昭和ライダーが挑んで来る以上、倒すしか無い。」と覚悟を決めた。果たして正義は何方のライダーに在るのか?バダンがシュウを手中に収めた事で、遂に発動を開始する最終作戦「メガ・リヴァース計画」の全貌とは?
そして、平成&昭和の区別無く、ライダーを倒す仮面ライダーフィフティーン(板尾創路氏)の出現と、烈車戦隊トッキュウジャー及びキョウリュウレッド/桐生ダイゴ(竜星涼氏)の参戦により、遂に平成ライダーと昭和ライダーの勝敗の行方が明らかになる。
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当ブログで何度か書いているけれど、子供の頃、仮面ライダー・シリーズを夢中になって見ていた。勿論、昭和ライダーの方で、リアル・タイムで見ていたのは第1弾の「仮面ライダー」【歌】から第5弾の「仮面ライダーストロンガー」【歌】の途中迄。だから「仮面ライダー」で本郷猛を演じていた藤岡弘、氏や「仮面ライダーX」【歌】で神敬介役を演じていた速水亮氏が出演されている(昭和ライダーで言えば、「仮面ライダーZX」【歌】で村雨良役を演じていた菅田俊氏も出演。)というだけで、「絶対に見なければ!」と思わせる映画なのだ。
昭和ライダーの時代から、「歴代のライダー達が集結!」というパターンは良く在った。長じてからは「『歴代のライダー達が集結!』というのは、概して番組がマンネリ化し、視聴率が芳しく無くなった時に良く使われる手法。」というのを知ったが、子供だった頃は「歴代のライダー達が集結!」というだけで、妙に心が浮き立ったもの。今の子供達も同様だろうし、藤岡氏や速水氏が画面に登場ただけで、場内から「おーっ!」と低く響く“おっさん声”が結構在ったのは嬉しかった。
シオマネキングやさそり男、ジャガーマン、カメバズーカ等、昭和ライダー達の敵キャラクターも続々登場。ショッカー戦闘員も、勿論登場する。昭和ライダーと平成ライダーを比較して感じるのは、ライダー自身で言えば「昭和ライダーのボディーは“布”という感じに対し、平成ライダーは“メタル”。」、人間態で言えば「昭和ライダーは顔が大きく、男臭いタイプなのに対し、平成ライダーは小顔でフェミニン。」といった所だろうか。
「昭和ライダー達が、平成ライダー達と戦わなければならない“真の理由”。」が明らかとなった時、「成る程、そういう事か。」と腑に落ちたが、敵キャラを全て倒した後、“別の理由”から両者が改めて戦うという設定は必要だったのだろうか?「勝者となった理由」も、笑っちゃいけないけれど、笑ってしまう理由だったし。
此の作品、人によって評価は大きく分かれるだろうが、昭和仮面ライダーを見て育った自分にとって、藤岡&速水氏が出演しているというだけで大満足だった。総合評価は、星4つとする。