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「夏祭り、夜店の籤に当たり無し 露天商の男を逮捕」(7月29日、朝日新聞)
当たりの入っていない籤引きで金を騙し取ったとして、大阪府警は28日、大阪市西成区天下茶屋2丁目、露店アルバイトA容疑者(45歳)を詐欺容疑で逮捕したと発表した。容疑を認めていると言う。
阿倍野署によると、逮捕容疑は27日午後6時50分頃から1時間半に亘り、大阪市阿倍野区の阿倍王子神社で開かれた夏祭りで、当たりが入っていない籤引きの露店を営業し、男女3人から計約1万4千円を騙し取った疑い。
籤引きは1回300円、2回500円。1枚の籤に1~100番の数字が振って在り、55番以上なら「プレイステーション3」や「Wii U」等の人気ゲーム機が当たるとの触れ込みだったが、実際には54番以下の籤しか入っていなかったと言う。
27日に1万円以上を注ぎ込んだ男性が不審に思い、府警に相談。同署が28日に露店を家宅捜索し、当たりが無い事を確認したと言う。A容疑者は「27日に、約10万円を売り上げた。」と話していると言う。
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最初に2つ断わっておきたい。「元記事には容疑者の実名が記されていたけれど、『此方で、改めて晒す必要は無いだろう。』という判断から、仮名とさせて貰った。」という点と、もう1つは「詐欺を働いた容疑者が悪いので在って、騙された側が悪い訳では無い。」という点。
で、今回のニュースを最初に見て思ったのは、「露店でのこういった騙しって、『暗黙の了解事項』では無かったのかあ。」という事。
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以前にも書いたが、昔は子供達をターゲットにした胡散臭い大人が結構居た。小学校の前では“カラーひよこ”を売っている親父が手薬煉引い待ち構えていたし、祭りの場にもそういった的屋が結構居た。展示されている豪華な商品が欲しくて、じっくり時間を掛けて針で型抜きをし、「完璧に仕上げた。」と確信して的屋の親父の元に持って行くと、何だ彼んだといちゃもんを付けられた挙句、“参加賞”のちんけな商品しか貰えなかった。酷い時には、親父が此方に背を向けた状態で型を指で傷付け、「ほら、此処が欠けているから駄目だよ。」等と平然と言う始末。其の他にも絶対に当りの出ない手製のルーレットや、1等の当り籤が入っていないとしか思えない籤引き等、「子供相手に良くもまあ、此処迄する物だ。」と子供心に思った物だった。
しかし不思議な物で、子供はそういった胡散臭い物が好きだったりもするのだ。胡散臭い大人に騙され、そして反論&反発し乍らも、其れを心の何処かで楽しんだり、「今度は騙されないぞ!」と“成長”させられた面も在った様に思う。余りにも整然とした祭りを見ていると、昔の様な胡散臭い雰囲気を知らない子供達が、一寸気の毒にも感じてしまう。
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7年前の記事「整然とし過ぎていて物足りない」からの抜粋。子供の頃より「露店での騙し=普通の事」と捉えていたので、今回の報道には「確かに“悪い事”をしたのだから、罰せられるのは仕方無いだろうなあ。」という思いが在る一方、「詐欺容疑で逮捕かあ・・・。」という驚きも在る。
プレーステーション3とかWii Uは、新品で購入すれば2~3万円はする商品。2回で500円という料金でも、完全な“外れ”が無く、“参加賞”の費用も発生するだろうから、「100回に1回位の当選率」じゃないと的屋も儲けられないだろう。こういった高額商品が当選したという話を見聞した事が無いし、「当たり籤は無いんだろうなあ。」というのが、少なくとも子供を除いた人間の間では「暗黙の了解事項」と、自分は捉えていたから。
“ゲーセン”等で見掛けるUFOキャッチャーの中には、「プラスチック製の丸いカプセルをゲットすると、高額商品が貰える。」という物が在る。透明のカプセルの中に、数字が記された紙が入っており、其の数字と一致する商品が貰えるのだ。数字は外からも判るので、欲しい商品のカプセルを狙う訳だが、どう見ても完璧にクレーンで掴み取っているのに、クレーンが動き出すと“露骨な迄に態とらしく”、ポトリとカプセルを落とすのが定番。色々調べてみると、「何れだけ確りとクレーンが掴み取ろうとも、そんなのは無関係。“一定額”が費やされないと、絶対にゲット出来ない仕組みになっているから。」という指摘を幾つも目にした。中には「高額商品は、絶対にゲット出来ない様になっている。安い商品は別だけれど。」という指摘も。事実かどうかは判らないが、当たっている様な気もする。
今回の逮捕で一部の的屋が当たり籤を加えたり、業者がUFOキャッチャーの仕組みを弄ったりするかも。
大阪の露天商では当然の所業ですね。(笑)
夏祭りの屋台など、所詮はいかがわしい連中が
仕切りっている訳で、客もそのノインチメイトな
雰囲気を楽しみたくて行くようなところも・・・
籤に1万円もつぎ込んだ男のチクリで発覚した
ようですが、そんな怪しい籤に1万円もつぎ込む
男の感覚の方が不健全ですねえ。
まあ、罪状としは詐欺罪なのでしょうが
うーん、それもなあ・・・と言う感じですね。
巨悪はいけませんが、世の中からそんな
いかがわしい小悪がなくなったら、ずいぶん
つまらなく息苦しくなりますよねえ。
今回の件、露天商が悪いのは間違い無いのだけれど、「何だかなあ・・・。」という思いが、どうしてもしてしまうんですよね。まろ様も書かれていますが、自分も「インチキ遣ってるんだろうなあ。」と想像した上で、其の「胡散臭さ」も楽しむという感じが在る。悪事は悪事なのだけれど、「もっと巨悪が在るでしょ。」と思ってしまうし・・・。
仰る様に、「時代が変わった。」って事なんでしょうね。記事でも触れた様に、今回の的屋が遣った事自体は「悪事」で在るのは確かだし、批判されても仕方無い事だとは思います。でも、「逮捕」となってしまうと、「何だかなあ・・・。」とも思ってしまうんですよね。
「悪事」にも色々在る。絶対に許してはいけない非道な悪事は論外だけれど、中には「どうしようもねえなあ。」と苦笑交じりで看過出来る悪事も在り、そういう悪事に触れる事で「免疫」を付けて行く面も。