２００９年を迎えて

謹賀新年。本年も何卒宜しく御願い致します。

２００９年が幕を開けた。元号で言えば「平成２１年」で、平成元年に生まれた子は今年成人を迎える訳だ。昭和生まれの自分としては、「昭和は遠くなりにけり」といった感を強くしてしまう。干支で言えば、今年は丑年。「丑」には「芽が種子の中に生じて、未だ伸びる事が出来ない状態。」という意味が在るそうだが、様々な“仕組み”が崩壊した昨年に対して、今年はどういう年になるのか気になる所。年初に毎回思う事が、今年一年がより良き年になって欲しい。

今年がどういう年になるのか、色々思いを馳せる。愛するジャイアンツの闘い振りも気になるが、それは開幕直前に「順位予想」という形で触れたい。気になる幾つかのポイントの中から、「２００９年の政治」及び「２００９年のＴＶ番組」に付いて書いてみる。

先ずは「２００９年の政治」に付いて。最も注目されるのは、今夏迄には行われる衆議院議員総選挙だろう。前回の第４４回衆議院議員総選挙では“稀代のぺてん師”に翻弄され、自民党の大圧勝に終わった。確固たる信念＆政策を持つ政治家も生み出したろうが、それ以上に口だけ達者で何も出来ない“困ったちゃん”を自民党内に多く生み出してしまった選挙だったと思っている。何も考えないまま多くの法案に票を投じ、その結果が今の日本の現状に繋がっている。「多くの困ったちゃんを生み出したのは、我々国民自身で在る。」という事を猛省した上で、投票行動を決めなければいけないだろう。

次の衆議院議員総選挙では恐らく、自民党は大きく議席数を減らす事だろう。逆に民主党が大躍進し、政権交代を果たすのではないか。前から何度も書いている事だが、自分は「民主党が一番！」なぞとは思っていない。官僚組織に依存し過ぎて、自浄能力がゼロと化してしまった自民党がどうしようも無いだけで、それよりは未だ民主党の方がましといった捉え方。例え民主党が政権与党の座に就いたとしても、好い加減な政策を繰り出せば、民意があっと言う間に離れて行くのは必定。それは非自民党政権で在る「細川政権～羽田政権」が、２年も持たずに崩壊した過去を見る迄も無い。

万が一、民主党政権が崩壊したとして、次に自民党が単独で政権を握る事も無い様に思う。それだけ、自民党という党は腐り切ってしまっているからだ。自民党でも民主党でも無い“第三の存在”、恐らく既存の党を離れた連中が作り上げる“新党”が大きな鍵を握るのではなかろうか。

そして「２００９年のＴＶ番組」に付いて。１００年に一度とも言われる不景気風が吹き荒れそうな中、多くのＴＶ局が経営悪化状態に在る。これ迄は湯水の様に使えたで在ろう番組制作費も、大手企業が広告宣伝費の切り詰めを図っている以上、大幅に減じられるのは間違い無い。「言行不一致で、好い加減極まり無い。」と常々不快感を持っていた某大物司会者が、コスト削減の煽りを食らって、その露出度が減りそうなのは大歓迎だが、その他にもギャラの高い連中の首切りは進む事だろう。

制作費の削減は致し方無いにしても、その事で個々の番組のクオリティーが下がってしまうのは困る。別に「上品な番組を作れ！」と言っている訳では無い。「そもそもＴＶ番組はそんな上品な存在で無く、エロやグロが在って良い。」と思っている自分だ。エロ＆グロ番組“も”含めて、クオリティーの高い番組を作って欲しい。

「最近って、１時間番組を必ず２時間とか３時間の拡大版にするのよ。やけに多いでしょ。１時間番組の収録が延びたら、そうするんだ。あれって制作費が殆ど同じだからなんだ。１時間番組３本のギャラを払うより、３時間特番作った方がＴＶ局は得だもん。セットを変える必要も無いしね。」とは、東京スポーツ（１月１日）紙上でビートたけし氏が語っていた話。「“水増し番組”＝クオリティーが全て低い」とは必ずしも言えないかもしれないが、“遣っ付け仕事”からクオリティーの高い番組が生まれないのは確かだろう。２００９年のＴＶ番組、政策費削減を受けて、その多くがどういう方向に走るのか？少ない制作費でも知恵を駆使して、独創的な番組を作り上げて行くのか？それとも、遣っ付け仕事による魅力の無い番組が増えるのか？それによって、視聴者が大きく離れる可能性も出て来るだろう。ＴＶ局にとって今年は、大きな分岐点を迎える事になるのではないだろうか。