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「原氏6票、斎藤氏3票足りず 野球殿堂」(1月23日、日刊スポーツ)
公益財団法人・野球殿堂博物館は17日、平成27年野球殿堂入り記者発表を行い、競技者表彰プレーヤー部門で、古田敦也氏(49歳=元ヤクルト捕手)が選ばれた。
◆競技者表彰の選考経過:プレーヤー部門は古田氏のみで、2007年梶本隆夫氏以来の単独表彰となった。有資格3年目の古田氏の得票数は、有効投票数332票中255票。当選必要数249票を6票上回った。僅かに届かなかったのが、斎藤雅樹氏と原辰徳氏の巨人勢2人。斎藤氏は3票、原氏は6票、当選必要数に足りなかった。斎藤氏は後6年資格を有しているが、原氏は今回がラスト・チャンスだった。ユニフォームを脱いだ後、エキスパート部門の候補に挙がると見られる。其のエキスパート部門は、2年連続して該当者無しだった。
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野球殿堂関連の記事を、過去に何度か書いている。10年前の「バースやクロマティーの居ない野球殿堂なんて・・・」では、「ランディ・バース氏やウォーレン・クロマティ氏、ブーマー・ウェルズ氏等、素晴らしい成績を残し、且つ野球ファンに強烈な印象を残した外国人選手達が野球殿堂入りしていない事。」を、7年前の「落合博満氏の落選に思う」では、「“三冠王を3度獲得した人物”という唯一無二の存在で、競技者表彰プレーヤー部門の有資格者となった初年度に一発当選しないとおかしい落合博満氏が、一発当選しなかった事。」を、そして4年前の「『野球殿堂』の選出委員に物申す!」では、「其の落合氏が競技者表彰プレーヤー部門で当選する迄、(有資格者となってから)3年も掛かった事。」に疑問を呈した。
今回、競技者表彰プレーヤー部門で古田氏が選ばれたのは、非常に喜ばしい事。彼も有資格者となった初年度に、一発で選ばれてもおかしくない人物だ。
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「平成27年野球殿堂 競技者表彰プレーヤー部門の得票結果」
古田敦也氏:255票
斎藤雅樹氏:246票
原辰徳氏:243票
立浪和義氏:117票
岡田彰布氏:107票
伊東勤氏:96票
タフィ・ローズ氏:85票
川相昌弘氏:60票
石毛宏典氏:51票
郭源治氏:48票
桑田真澄氏:48票
野村謙二郎氏:37票
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此の他にも票獲得者は居ると思われるが、判っている範囲での得票の上位者を記した。
「競技者表彰プレーヤー部門」の対象者は、「プロ選手で、引退後5年を経過して、其の後15年間(但し、2009年は経過措置として4年延長。)の者(詰まり、引退後20年以内の者)。但し、満65歳以上の者や故人は、5年経過していなくても良い。」という規定になっている。2009年に引退したタフィ・ローズ氏は、今年が有資格者としての初年度という事になるが、彼なんぞも一発で当選しないとおかしい人物に思う。佐藤義則氏も実績からすれば、何年も選ばれない儘で居る人物では無いのだが・・・。
自分はジャイアンツ・ファンだけれど、ファンとしての思いを極力取り除き、原辰徳氏と斎藤雅樹氏の“落選”を考えてみる。
先ず、選手としての原氏の場合、「チャンスに弱い。」というイメージはどうしても拭えない。獲得したタイトルも、打点王が1回だけ。そういう事で言えば、「今回落選し、競技者表彰プレーヤー部門の対象から外れてしまった。」というのは判らないでも無いけれど、でも、過去の当選者の顔触れを見ると、原氏が選ばれてもおかしくは無いと思う。
そして斎藤雅紀氏の場合だが、実績を考えると有資格者となった初年度に、一発当選してもおかしく無い人物。彼の現役時代を知らない人も居るだろうから、簡単に説明すると「1990年代、ジャイアンツのみならず、日本球界を代表する大エース。特に1989年から1996年の8年間に関して言えば、其の内の6~7年間は、“昨年の金子千尋投手級の活躍”をした。」といった感じ。
通算成績は「180勝96敗11セーヴ」と200勝を達成はしていないし、田中将大投手やダルビッシュ有投手等の様な“凄みの在る投球”では無かった事も影響しているのかもしれないが、少なくともこんなに長い間、当選出来ないという人物では無い。
此方の情報によると、「今回、選出委員の内、14人が投票を棄権し、加え無効票も2人居た。」とか。「投票するに値しないメンバー許りだったから。」という理由で、棄権したり無効票を投じたりしたのなら未だしも、そうで無かったならば、選出委員を辞めて貰いたい位だ。
野球ファンの思いとは乖離している様な野球殿堂。野球殿堂は、誰の為に在るのか?