先月30日に放送された「池上彰のニュースそうだったのか!!」は、「データで丸わかり!『今』の日本」というタイトルで、「様々なデータを取り上げ、其処から見えて来る"日本の今”。」を報じていた。数々の興味深いデータの中から、幾つか紹介したい。
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「世界の平均身長ランキング」(200ヶ所の国&地域を対象にしたアンケート結果より、日本と韓国、そして中国を抽出。)
<1985年の19歳男子>
98位:日本(170.4cm)
132位:韓国(168.7cm)
150位:中国(167.6cm)
<2019年の19歳男子>
65位:中国(175.7cm)
68位:韓国(175.5cm)
114位:日本(172.1cm)
<1985年の19歳女子>
129位:中国(157.4cm)
131位:日本(157.3cm)
133位:韓国(157.1cm)
<2019年の19歳女子>
54位:中国(163.5cm)
60位:韓国(163.2cm)
146位:日本(158.5cm)
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1985年から2019年の34年間で、中国と韓国は男女共に大きく順位を上げているが、日本は男女共に順位が結構下がっている。男子で言えば「日本が+1.7cm増に対し、韓国は+6.8cm、そして中国は+8.1cm。」、女子は「日本が+1.2cm増に対し、韓国は+6.1cm、そして中国も+6.1cm。」という感じだ。
「中国の場合、平均身長がぐんと伸びたのは、国民の栄養状態が大幅に改善した為ではないか。」、「『出生時の体重が軽いと、成人に成った際の身長が低く成り易い傾向に在る。』という説が在る。日本の場合、近年は(昔と比べると)痩せた妊婦が増えた事で、結果として出生時の体重が軽い赤ん坊が多く成り、其の事から平均身長が余り伸びていないのではないか。」という分析を、池上彰氏はしていた。
"短く成った物"と"長く成った物"という対比も。短く成った物としては「ヒット曲のイントロの長さ」が在る。「年間TOP100を対象にした、イントロの長さの平均時間。」は、「1980年代:約18.9秒、1990年代:約22.3秒、2000年代:約16.7秒、2010年代:約13.8秒、2020年代:約12.3秒」との事で、1980年代から1990年代に関しては「約3.4秒」伸びているものの、以降は右肩下がり。1980年代と2020年代を比較すると、「約6.6秒」も短く成っている。
「1980年代から1990年代に掛けて、ヒット曲のイントロの平均時間が伸びている理由。」に付いて、「当時は『ザ・ベストテン』【動画】等の音楽番組が数多く放送されており、其の中では歌手に関する情報や歌のタイトル等を紹介していたので、其の辺の事情を汲んだ作曲家が、イントロを意図して長くしたのではないか。」との分析。
又、2000年代初頭に"着メロ"が流行した事で、「着メロとして曲を選んで貰うには、イントロよりもサビが重要。なので、早くサビを聞かせる曲が良い。」という作曲家の考えから、イントロが短く成って行ったのではないかとも。
「『笑わせて、怒らせて、笑わせて、泣かせて、笑わせる。』みたいな喜劇の様に、『時間を掛けて"見る側の感情の起伏"に訴える事で生まれる爆発的な笑い。』を苦手とし、一発ギャグの様な"瞬間的な笑い"を好む。」という傾向が、今の若い子には在る気がしている。全体的に"堪え性"が無く、だからこそ「長いイントロも苦手で、近年のヒット曲のイントロが短く成って来ているんだろうな。」(以前書いたが、『雪國』【動画】を聞いた若い子が、「イントロが長過ぎて、気持ち悪く成る。」と言っていたのはショックだった。)とも自分は分析したのだが、他に「音楽サブスクでは、基本的に30秒以上再生されないと、配信側の収益には成らない。だから、配信する曲は出来るだけイントロを短くし、インパクト重視にする事で、選曲して貰える様にしている。」という理由も在る様だ。
一方、長く成った物として、「本のタイトル」が挙げられていた。「1950年代から2000年代にベスト・セラーと成った本の上位30冊(1960年代迄は、上位10冊。)を対象に、タイトルの平均文字数を調べた。」所、「1950年代~1960年代:約5文字、2000年代:約10文字」と倍に成っていたそうだ。
「1960年代位迄は『ベスト・セラー=小説』という感じだったが、1980年代位からは『ベスト・セラー=ハウツー本や自己啓発書』という感じに変化して来た事が、『本のタイトルが長く成って来た。』事に繋がっているのではないか。」と分析。どういう事かと言えば、小説がベスト・セラーの常連だった頃は、「知名度が高い作家の本なので。」という事からタイトルを意図して長くする必要が無かったけれど、ハウツー本や自己啓発書の場合は必ずしも著者の知名度が高いとは限らず、だからこそ「中身を説明する様な、長いタイトルの本が増えて来たのだろう。」と。