ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

欺瞞

2006年02月02日 | 政治関連
批判しているだけでは何も有益な物は生み出さない。例え意に適わない事柄や人物で在っても、その時々で是々非々を判断して行くべきだろう。それは重々判っているのだが、それでも小泉首相の手法には欺瞞性を感じてしまい、その受け容れ難さは日に日に強くなっている。

一昨日、議員年金廃止法案が衆議院を通過した。しかし内容を見る限りでは、「廃止」と銘打つには御粗末な内容に思える。

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[議員年金廃止法案]

① 在職10年未満の現職議員
これ迄に支払った掛け金の8割を一括返還し、四月に議員年金制度を廃止。

② 在職10年以上の現職議員
一括返還か、現行制度より15%削減した額の年金を貰うかを選択する。

③ 受給資格の在る引退した議員
最大1割減し、年金を払い続ける。
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①だけ見れば確かに廃止と言える。でも、②及び③では、廃止等とはとんだ看板倒れと言われても仕方ないだろう。②のケースを試算すると、在職10年の議員が返還を選択した場合、約1千万円が戻る事になるが、年金支給を選択すると毎年約350万円を死ぬ迄受給出来、この場合3年で元が取れる計算となる。議員の多くがどちらを選択するかは、自明の理と言えるのではないだろうか。

現行の議員年金制度では、在職10年で引退した場合、65歳以降、毎年412万円が支払われる事になっている。国民年金(基礎年金)が、40年せっせと保険料を払い込んだ場合でも、年80万円足らず。掛け金の違いは在るにせよ、国民年金の場合の国庫負担率、即ち税金で賄われている分が3分の1なのに対して、議員年金の場合は7割というのだから、批判が集中するのも当然だ。(市会議員や県会議員を規定年数勤め上げた国会議員の場合、3つの年金が受給出来るというのも問題になっている。)だからこそ、小泉首相は完全廃止を明言したのではなかったのか?

政治の世界に限らず、事を進めるには駆け引きが必要だ。何でもかんでも押し通すのでは、上手く行くものも行かなくなるだろう。だからこその妥協案と言うのだろうか?でも考えて欲しい。郵政民営化旗印に掲げ、国民の支持を背景に、所謂”抵抗勢力”を排除して、郵政民営化法案を押し通したのは誰だったのか?圧倒的な数の力を持ってすれば、議員年金を”真の意味で”廃止するのも不可能でない

ましてや、小泉首相には議員年金を完全廃止する義務が在る筈。それは此処でも何度と無く書いて来たが、痛みを伴う構造改革聖域無き構造改革を声高に叫んで来た者として、国民にだけ痛みを強いるのでは無く、身内にも強いるべきと考えるからだ。それも国民よりも率先して、「先ずは隗より始めよ。」というのが為政者として在るべき姿だろう。

これも以前書いたが、国民の為になる仕事を為した議員はそれに見合った範囲で在れば、高給を得るのは全く構わないと思っている。しかし、残念ながらそんな議員は先ず見当たらないのが実状。で在れば、不条理な議員年金は完全廃止すべき。適当な妥協案で御茶を濁し、議員定数の削減すらも御座成りというのでは、小泉改革の実態とは何なのだ?と思うのは致し方ないだろう。

郵政民営化自体は個人的に賛意を持っている。でも漏れ伝わる様に、「郵政民営化によって官僚の天下り先が増えた。それも、小泉首相の寵愛を受けた者達が率先して天下る。」というのが事実ならば、とんだ噴飯物だ。

そう考えると、「駐車違反の民間委託も、天下り先を増やしただけではないか?」とか、「女帝問題の結論をあれ程迄に急いで出そうとしているのも、皇位継承者が大幅に増加する事で宮内庁の拡大化(宮内”省”に変える?)を図り、ひいてはやはり天下り先を増やそうとしているのではないか?」、「ドサクサに紛れて法案を通した、全ての家屋への火災報知器設置義務化も、同様に天下り先を増やしたいが為ではないか?」等と、次々に不信感が沸いて来る。

参議院が本当に”良識の府”で在るならば、この欺瞞に満ちた廃止法案を否決して貰いたい。

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7 コメント

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ふにゃふにゃら~改革 ()
2006-02-03 11:44:09
こんにちわ。(*^。^*)

わたしの嫌いな人、ベスト3!に堂々と輝く、小泉純一郎と、細木和子。笑

ば○さんの書いておられることはごもっともです。

威勢のいいのは言葉だけ、実際の改革とは・・歯切れの悪い・・ゆる~~い、ぬる~い、ふにゃふにゃふにゃらぁ~~ああです。

小泉さんは、いつ見ても、何をしゃべっても、薄っぺらにみえ、時に馬鹿じゃないんだろか?と思ってしまいます。。

こんなことをいうと、えらそうに・・と言われそうですが・・わたしはいつも怒っています。小泉さんを選んだ日本の国民、深く考えることのない有権者・・つまり・責任はそこにあるんですよね。だから、最近は、わたしは、小泉さん本人よりも、頭にくるのが、有権者のこの意識の低さです。その国の政治のレベルはその国の国民のレベルなんですよね。悲しい。

わたしの仲のいいテニス仲間も・・政治は自分たちの生活に密接に関わってくるみんなのもの・・という感覚がない人が多いです。とってもいい人ばかりなんだけどなあ。。こうした人が多いのは・・日本の教育がそういうことを教えてないからでしょうか?あ。それとも、意識して、政治に興味を持たない人間をつくりあげていってるとか。?
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なんつか.. (彩木)
2006-02-03 17:23:48
汚水をかき混ぜれば泡が立ちますな.....(^^)

小泉...堀江..細木..マスコミや大衆が騒ぎたてる対象は

所詮は実体のない、いわば世相の象徴のような存在でしか

ないような気がします。 これからも姿を変え形を変え

絶えまなく大小の泡が立ち続けるのでしょうが、いちいち

考察する気にもならなくなってます。

個人所得、企業収益、国益、...益..益..益..益...

少し前にバブル崩壊を経験して痛い目にあったばかりの

国民が、もうマネーゲームに走っている始末...。

...益..益..益..益...いずれ終着益についた時

そこにはどんな風景が広がっているのでしょうね
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おじゃまします。 (super_x)
2006-02-03 23:08:56
こんなことですから、純ちゃんのやったことで評価されるのは…

愛のない「愛・地球博」での弁当持込だけだと、いうことになってしまいます。

靖国参拝は、中韓というよりも政策のミスを批判される事を回避したいがためなんて、思ったりも…

皇室典範の改正もあせっている感じがしますし…

いったい、どうしたいのか読めませんね。
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>雪様 (giants-55)
2006-02-04 02:09:21
書き込み有難うございました。



小泉首相に付いては、申し訳ないのですが思慮深さを全く感じません。思考よりも感性で生きる人間という感じすらします。唯、この人の凄い所はレトリックの巧みさ。もっとハッキリ言ってしまえば、事のすり替えの絶妙さに在る様に思います。



記事でも何度か触れましたが、郵政民営化自体には賛意を持っています。でも、小泉首相がこの一大事業に関して、どれ程迄に深い考えが在ったかは極めて疑問。改革の本丸と位置付けていた割には、最後迄この問題に関して、彼自身は説明責任を果たして来なかったと思っています。議論をする事無く、問題が煮詰まると、「造反議員と虐められる可哀相な指導者」という対立構図を上手く作り上げ、一気に事を進めました。



又、上でsuper_x様が書かれておられます様に、首相になる以前は靖国問題に関心が全く無かった様にしか思えない小泉首相が、急にこの問題を持ち出して来たのも、中&韓に対する政策ミス(これも、ハッキリ言えば彼自身にこれといった考えが無く、その場その場で”適当に”言葉を口にしていた事が招いた結果だと思っています。)から国民の目を逸らす為の様にも思いますし、基本的に事のすり替えが此処迄多い首相というのも、過去には居なかったのではないでしょうか。先日の「堀江氏を自民党が全面的に応援していたのではないか?」という批判に対して、一旦は謝罪した様なポーズを取りながらも、直ぐさま「でも、堀江氏を持ち上げていたマスメディアの責任はどうなるのだ?」と口にしたのもその典型かと。



唯、何やかんや言っても、某北の国等から比べると格段にまともな選挙体制の我が国。その中で、我々国民が選出した議員達ですし、彼等が選んだのが小泉首相なのですから、国民の側も反省すべき点は無いとは言えないでしょう。様々な方向から情報を積極的に取り入れ、自らの頭でその情報を”咀嚼”して、自らの理論形成に努める。その考えを基にして、如何にまともな世の中にして行くかを考える。そういった努力を国民は怠ってはならないと思います。玉石混交するツールのインターネット。でも、間違いなく言えるのは、従来よりも格段に情報を得易くなった事。「だって、そんな事知らなかったもん。」等という逃げ口上は、最早責任放棄としか捉えられないでしょうね。
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歴代の首相 (帆印)
2006-02-04 05:44:25
小泉氏は、俺の生きていた中では、一番の印象的な首相であることには、間違いないなぁ

あとは、佐藤栄作かな

しかし、年がばれてるか・・・。
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選挙制度にも問題があるのでは? (higu)
2006-02-05 12:44:59
議員年金とは“引退後の生活を心配せずに政治活動ができるように”と考えられた制度ですよね。それはまあ、分かるのです。議員は金がかかる職業。借金をしてる人も多く中には数億単位の人も。だから議員年金の必要性を完全に否定する気はないのです。

でも、これだと在職10年未満で「落選した」議員はどうなるのでしょう。戻って来る掛け金は405万1200円。次の選挙が4年後とすると年間100万円で生活しなければなりません。まして政治活動をするとなると。党公認の人は幾らかマシでしょうが無所属になってしまった人は本当に苦労がたえないと思います。

静岡から立候補し片山さつき氏に敗れた城内氏がワイドショー等で取り上げられてましたが「大変そう」の感想しかありませんでした。

彼は中々有能な方で自民党森派のホープとも期待されていただけにこのまま彼の政治生命が終わってしまうのは個人的には残念です。個人批判は好きではないですが「ヒラリーマン議員」や「ファイヤー議員」が“国会議員”として院に登院しているのかと思うと……。

議員年金もいいですが落選した人を何らかの形で支援する制度がないと日本の国会は有名人か世襲議員ばかりになってしまうのではないでしょうか。



そもそもの問題は日本の選挙に金がかかりすぎる事。又今の選挙制度は得票数と議席数が“不平等”な向きがあります。それが今の選挙制度の特徴で利点もあるのですが、「金がかからない」事を優先に考え、得票数が相応に議席数に反映されるようにするには比例代表制度が良いのでは、とも思います。欧州を始め世界的にはこの制度が多数派ですし。小選挙区制は米・英・加ぐらい。「世界の標準」がすべていいとは限りませんが、日本のような“二大政党制志向”が必ずしもいいとも思えません。当然、比例代表制にも問題はありますけど。この問題は難しいですね。



参院が“良識の府”だったのは遠い昔ですね。以前は学者や知識人が多かった参院もいまやタレントばかり。存在意義が問われても仕方ないように思います。



ともかく金がかかる今の選挙制度をある程度見直さなければならないのではないでしょうか。そうでないと議員年金も廃止になって将来を不安に思い、新たに議員に立候補する人が減ってしまい今後さらに国会議員が世襲の職業やタレントの副業になってしまう気が。

今の議員年金は問題だらけですが、そう考えると「議員年金の廃止」が必ずしもいいのか、とちょっと考えてしまいます。



それから皇室典範が政局の種になるかもしれませんね。天皇制は保守系議員の「アイデンティティー」に関わる部分ですから無理もないでしょう。学者や神社関係者には反対意見が強かったですがとうとう国会議員からも。国民も「女系はやむなし」と思っても「第一子優先はちょっと」という人も多いようです。

今後は「旧宮家皇族復帰」が一つの焦点になるのでしょうか。唯そもそも“民”(臣民)が皇室の事を「大いに論議」していいのか、女系を認めて迄天皇制を存続させる必要があるのかといった意見もありこれは「国論」かはともかく「国会」を二分はしかねませんね。

気になるのは某宮様のご発言。これが“政治介入”に当たるかはともかく影響は少なからず与えていますね。「宮様の意思」という旗を反対派に与えてますし。ちょっと、心配です。
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>higu様 (giants-55)
2006-02-05 22:39:13
書き込み有難うございました。



地方や国を問わず、議員は国民の付託を受け、国民の代表として事に当たる存在ですので、”本来で在れば”それなりの対価を受けても良いと思っています。しかしながら現実に目を向けると、議員という職務に値する様な人物は、一握りに過ぎない様に感じます。それ故に、議員年金の在り様に多くの人々が不満を感じているのでしょうね。



昭和60年迄は国会議員が国民年金に加入出来なかったという事も在り、その救済措置として導入されたのが議員年金と聞いております。しかし、昭和61年以降は国民年金にも加入出来る様になったのに、議員年金をそのまま存続させたのは、higu様が書かれておられる様に、議員活動(選挙活動も含む。)に莫大な費用がかかる事も影響しているとは思います。だから、仕方が無いとするのではなく、選挙制度や議員の在り方自体を変えて行く必要が在るでしょう。



先ず、これも何度か書いているのですが、地方&国の議員数を大幅に減らす事かと。極論を言えば、半数に減らした場合、議員一人一人にかけられる費用を倍額し、個々の負担を軽くする。政治活動に不可避な費用に関しては、基本的に国が負担しても良いと思います。この事によって、議員個々の”顔”が国民に見え易くなり、当選はしたものの話題になるのはくだらないパフォーマンスか、刑事事件を起こした時だけ等というトンデモ議員が選出される可能性は減るのではないかと。



又、選挙制度も変える必要は在るでしょう。本来の比例代表制度は、民意がきちんと反映されるシステムだと思うのですが、問題は各党が作った名簿の内容。訳の判らない輩や、数合わせの輩が載っていたりするのが問題では在るのですが、これも投票する側の国民が全体を見回して判断すべき問題でしょうね。(現実問題としては、全てチェックするのはなかなかしんどい事ですが。)



議員連中が「女帝問題」を声高に叫んでいますが、賛成or反対のどちらの立場にせよ、皇室を引き合いに出して、結局は自らのアピール合戦をしている様にしか思えないんです。「皇室を政治利用してはいけない。」と言いつつも、これこそが政治利用ではないか?と思ってしまう今日この頃です。
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