ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

辛いのはお前だけじゃない

2006年02月01日 | 其の他
諫言」と「言いたい放題」は似てなるもの。相手を慮る事無く、又、自身を省みる事無しに、口汚い言葉を投げ付けたり、天に唾する言動を為すのは、単なるアホとしか言えないだろう。TVを付けると、某監督夫人某女占い師等が重宝がられてしばしば登場しているが、こんな連中が口にしているのは単なる言いたい放題に過ぎず、グロ際物としか思えない。

際物的人物が多く跋扈しているTVの世界だが、一見際物に見えて、その実、結構まともな事を口にしているのが美輪明宏氏。性的な趣味や、霊的な類はさて置き、社会の事象に付いて語る彼の言葉には、しばしば納得させられる事が多く在る。先般、彼の記事が新聞に載っていたのだが、その中で語られていた彼の言葉もそんな一つだった。

悩みを抱えた人々が、相談に乗って欲しいと彼の元を良く訪れるのだとか。リストラに遭い、次の仕事が見付からない中高年サラリーマン。恋に破れて、自暴自棄になっている若者等々。世を儚み、死を口にする者も少なくないそうだ。そんな人々を前にして、彼は次の様な言葉を掛けるのだという。

今の状況が最悪で死にたいと言うけど、食べる物が全く無く、バタバタと人が死んで行った戦時中&戦後を考えたら、最悪なんて思えない。それに、若くして病気や事故で亡くなっている人が居るというのに、今現在生きている貴方は、それだけで既に幸運なの。

強靭な精神力を持った人間は、それ程多くないだろう。一寸した不幸を、さも身の破滅とばかりに考え込んでしまうのが、自分を含めた人間の哀しい部分でも在る。

以前に対談番組で耳にした有名人の話を下記する。共に貧しかった子供時代を語っていたのだが、何せかなり前に耳にした話なので、細かい部分に誤りが在るやもしれない事を御含みおき戴きたい。

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[岸本加世子さん]

「小さい頃、家で鶏を飼っていたんです。ヒヨコから育てて、凄く懐いてくれてて。でも、或る日、学校から帰ったらその鶏が居なくなってて、『どうしたんだろう?』って必死で捜してたら、親が”締めて”鶏肉にしてた事が判って・・・。その晩の食卓に”その子”が出て来たんですけど、兎に角哀しくて哀しくて、涙が止まらなかった。でも、食べる物が無いから、泣きながら食べました。」


[宮川大助氏]

子供の頃は本当に貧乏でした。食べる物が満足になくて、毎日御腹を空かせていて。だから、家族(確か御姉さんだったと記憶しているのだが。)が亡くなった時は、哀しいという感情よりも、『ああ、これで少しは多く食べられる。』という思いが、申し訳ないけど先に浮かびましたね。
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辛い時には、この話を思い浮かべる。両者から「辛いのはお前だけじゃない。」と言われている様で、小さな事でクヨクヨしているのが馬鹿らしくなって来るのだ。

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7 コメント

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生きてるだけで幸せだ ((まめ)たぬき)
2006-02-01 07:08:53
というのは、ぎりぎりを体験してないとわからないかもしれませんね。(私の場合、病気でとほほになっているとき、そう思いました)

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歌劇と歌舞伎の世界 (まなぶ)
2006-02-01 20:16:45
いつもコメント有難うございます♪

淀川長治さんが、年老いた両親の世話に明け暮れる毎日の中、唯一、人心地つけられる場所が、通勤の電車の中だったと回想しておられ、

「乗れば目的地まで運んでくれる・・ありがたいな」

と感じていたそうです。

“差異”という言葉がありますが、人間は他人との比較、自分の位置づけで生きてる部分が大きいですから、そこで泣き笑いを繰り広げている気もします。戦争を体験していない者には実感は持てないですが、現代人は贅沢、幸せと言われればそうなのかも知れませんね。

私の祖母が「戦争中の苦労は日本中が同じで耐えられたけれど、戦後、夫が結核で入院し、ヨイトマケで働いた2年間は辛かった・・」と話していたのを思い出しました。

昨年、友人とも話したのですが、黒蜥蜴、淀殿、犬神松子を演じる女優さんって共通している気がします。あたりを払うような気品、性別を超越した色気、母性や女の性だけでは割り切れない要素もあって、とっても難しい役柄だと思います。

初代・水谷八重子さん、小川真由美さん、美輪明宏さん、京マチ子さん、高峰三枝子さん、岩下志麻さん・・数え上げればどこか宝塚の男役や歌舞伎の女形っぽい方が多く頭に浮かびます(笑)

あと十年もすると、天海祐希さんや篠井英介さんが適役かもしれませんネ♪

勝手なこと言ってファンの怒りを買いそうですが(笑)

僕にはTBSの『関が原』の島左近、三船敏郎さんが印象深いですネ~☆あの作品では高橋幸治さんの大谷吉継も素晴らしかったです!三國連太郎さんの本多正信、沢村貞子さんの芳春院、役柄一つ一つに贅沢な配役がなされていて、現代の役者さんでは、最早、制作が不可能な作品だという現実が哀しいですネ・・〆
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美輪さんならいいの? (るるい)
2006-02-02 20:20:57
はじめまして。いつもこのブログ拝見させていただいています。

今は役者とか歌手でも、本業だけこなしていたのでは名前を売るのは難しく、バラエティーとかトーク番組に出て、「あの人、イヤな感じだったけどあの番組であんなこと言ってた。イイ人なんだ」とか「バカそうに見えてたけど、賢いんだ」という感じで知名度をあげていくケースが結構あるように思います。

美輪さんも某監督夫人や某女占い師も、そういう流れの中で名前を売っていることに変わりはないのでは?ただ、TVに出てくる時の「キャラ」が「上品」か「下品」かの違いはあるし、その違いは、もともとその人が持っている物の違いから来ているのでしょうが。

たとえTVに写る印象は良くても、その人自身をを「いい人」と色分けしてしまわないほうが良いように思います。

それにしても、人生の一大事に美輪明宏に相談に行く人がいるというのが驚きです。それで「食べる物が全く無く、バタバタと人が死んで行った戦時中&戦後を考えたら、最悪なんて思えない。」なんてことを言われたら、私なら「確かにそんな時代なら、あんたのところにもTVに出てノンキそうにコメントしてギャラ貰う仕事なんて廻って来てねーよ」っとか言っちゃいそうだ。

そんな時代に生きていた人がどうかじゃなく、人の苦しみって簡単に比較できないものだと思うのですが。

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>るるい様 (giants-55)
2006-02-02 21:48:59
初めまして。書き込み有難うございました。



長年付き合っている相手でも、その人となりを100%理解しているかと言えば、そうはいかないというのが本当の所でしょう。まして、TVから伝わって来るイメージなんて、その人の部分に過ぎないでしょうし、その限られた部分ですら虚像なのかもしれません。



小泉首相が登場した時、それ迄のハッキリと自分を主張せず、事勿れ主義で通して来た首相達にウンザリしていた自分は、他の多くの人々と同様に彼に大きな期待を寄せました。TVから伝わって来る彼のイメージは、自らの言葉をハッキリと口にする新しいリーダーと”思えた”のです。



しかし、時間が経過すると共に、彼が自分の興味の赴く分野に関しては声高に”叫ぶ”(それすらも、同じ台詞の繰り返しで在った訳ですが。)ものの、他の事柄に付いては自らの考えすらも披瀝出来ない人物というのが透けて見えて来たというのが自分の見方です。



ですので、「例えTVに写る印象は良くても、その人自身をを『良い人』と色分けしてしまわない方が良い様に思う。」という御意見は同感です。と言うよりも、自分は基本的に捻くれた見方をする人間ですので(笑)、他者に対して「この人は良い人。」とか「この人は信頼出来る。」となかなか思わないんです。美輪氏に付いても、良い人というよりも、某監督夫人や某女占い師よりはベター(まあまし)な存在というレベルで、ベストという訳ではないんです。記事でも触れました様に、霊的な発言に関してはかなり胡散臭さを感じていますし。



記事では、美輪氏が「物の考え方」に付いてコメントした部分を取り上げたのですが、そうではない一般的な社会事象に付いても、彼は結構”まともな”事を語っているんです。憲法の改正に付いても、概して反対派の多くが「9条を改正したら、即刻戦争になる!」といった様な短絡的な主張を口にしているのに対し、彼は「軍隊を持てる様になると、付随して兵器を”大っぴらに”売買出来る様になる。アメリカとしては、兵器を日本に大量に購入して貰えるし、日本としても対外的に兵器を”大っぴら”に売り捌ける様になる。日本が海外にばら撒いた兵器によって、何処かの国の国民が大量に殺される。賛成派も反対派も、そういった事迄念頭に置いて議論すべきだと思う。」といった趣旨の発言をしていました。



彼の発言の中には、私見と異なる部分も当然在ります。でも、異なった意見で在ってもその中には彼なりの考えがしっかり在る様に思うんです。ですから、あくまでもベターな存在として自分は捉えています。勿論、状況に応じて彼の意見を100%受け入れ難くなる事も在るでしょう。彼に限らず、是々非々で物事を捉えて行ける人間になりたいなと、未熟な自分は思っています。(そういう意味で、るるい様を始めとした多くの皆様方の御意見を、非常に貴重なものと感謝致しております。)



それと、自分が実際に長年付き合っていて、相手の人間性等を含めて深く知っている相手ならいざ知らず、TVで見ているだけの人間に人生の相談をする気は、自分も全く無いですね。そんな相手に頼る位なら、亡き父親を含めた祖先に精神的な拠り所を求めて(霊的な意味ではなく、あくまでも祖先が見守って居てくれるから大丈夫という事で。)、立ち直りを図ると思います。



何か纏まりの無い文章になってしまって済みません。



これからも宜しく御願い致します。
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人生の一大事 (帆印)
2006-02-02 22:53:58
時に、人生の一大事に誰に相談するべきか?

藁をもすがる、という言葉があるが、思い悩んだ挙句、行き当たりばったりにいろいろな人の意見を聞くのもいいと思うがな。

人生の一大事に、美輪明宏氏に問う。たとえそれがテレビだろうが、対面記事だろうが・・。「この記事は見てないから、なにともコメントしがたいが・・。」

その相談者は、美輪氏なら何かがある、もしくは何かが、変わるんだろうと思って相談したんじゃないかな。美輪氏のファンならいざ知らず。

美輪氏のコメントは、なんでもないコメントだろうが、どんな小さなことでも聞き入れて糧にしたいと思う「相談者」が、俺には見えるがね。



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諫言を聞けるのは聡明な人間 (RYU)
2006-02-03 04:47:37
相談者に話を聞いてもらう際には、「当たるも八卦、当たらぬも八卦」という柔かい気構えを持つべきだと思います。



僕は、美輪さんの方が好きですね。

某監督夫人や某女占い師も好きだった時期があるんですが、ちょっとアナログ的な考えに偏っていると思います。

「成功したキャリア」やパワーがある分説得力があり視聴率も取れるようですが、テレビで観ている限り「子供・高校生・未熟な大人」のしつけ向きのタイプであり、成長した大人の心のケアや礼儀に「振り向かせる」事はできても、

「前進するための助言」や本人の悩みを根本的に解決する相談はできないと思います。



特に、人の話を聞かない所にわがままさ・独裁を好む気質を感じたりするのですが、

美輪さんの方が、話を聞く相手の個性を理解し、相互のコミュニケーションを取りながらアドバイスをするのが上手いと思います。



>「諫言」と「言いたい放題」は似て非なるもの



特に、「リーダーたらんとする人間」に必要とされる能力だと思うのですが、「諫言」と「言いたい放題」を峻別できるだけの聡明さ・人間性は本当に大事だと思います。

「諫言」とは耳障りであり、言う方も聞く方もエネルギーが要るものですが、

組織・グループ内に自由闊達な若い気風が見られたり、対話のコンセンサスが前提としてある・リーダーが「下からの諫言を認める」と公言しているケースでも、

リーダーと幹部・部下の信頼関係ができていないと、下が考えを正直に言ってくれる行動は起こりにくいです。



結構古いリーダーはコンスタントな対話・手法の変化を嫌い、若い個性を潰してでもリーダーシップを張りたがるタイプが多い気がするのですが、長い目で見て成功するグループや最近のビジネスモデルには、コミュニケーション・個性・人材重視のスタイルが見られ、上下の形式的威儀で頭を下げさせるのではなく、もっとヨコの繋がりやパートナーシップを大事にする事によって信頼関係を築き、そういう態度は内だけでなく外にも関係があり、顧客との信頼関係・株主価値向上・ファンサービスにおいて成功が多いと思います。



リーダーにも、自分の立場・部下の気持ちを慮れずに失敗を重ね、諫言を遠ざけ、自力の修正もできない絶望的なタイプも居るんですが、

成功するリーダーの資質には「本質的解決を見出す能力・幅の広さ」というものがあると思いますし、「諫言」「言葉の暴力」を峻別できる違いは、「味方をも敵にする愚者・敵をも味方にする賢者」という

「人としての格の違い」でもあると思います。
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悩み (syuu)
2006-02-05 14:53:22
 人生の一大事を他人に相談・・という時点で美輪さんに相談するのがいいかどうかはわかりませんが、私も美輪さんは結構まともな事を言っていると思います。

 以前、子供に関して「最近は子守唄を唄う母親が減った」云々・・・ということを言っていたのを記事で読みました。なるほど、と思いました。

 悩みを相談する、ということは別にその人に解決して欲しいとかではないのだそうです。相談しているうちに(つまり他人に悩みを話しているうちに)自然と自分の中で解決の糸口が見つかっていくのだ・・・とカウンセラーの人に聞いたことがあります。美和さんの言葉も、一つの参考として受け止めれば相談した人の悩みの解決に少しはつながっていくのではないでしょうか?

 確かに、現代に戦時中の話をしても・・という人もいますが、「死しか選択肢がない」状況でない限り、どこかに必ず道があるのだと美和さんは伝えたいのでは?なんて、勝手に思っています。
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