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「バレンティン プロ野球新の次は、2打席連続57号弾!アジア記録も抜く」(9月15日、スポニチ)
ヤクルトのウラディミール・バレンティン外野手*1(29歳)が15日、神宮球場での阪神20回戦に「4番・左翼」で出場、初回の第1打席に榎田大樹投手から左中間へシーズン最多、プロ野球新記録となる56号2点本塁打を放った。バレンティンは更に3回の2打席目に、左翼ポール際に57号ソロ本塁打を放った。
此れでバレンティンは元巨人の李承が2003年の韓国時代に記録した56本を抜き、アジア記録も樹立した。
球場の興奮が冷めやらぬ3回、1死から打席に入ったバレンティンは、同じく榎田からスタンド限り限りに飛び込む57号を放った。5回の第3打席は空振り三振に終わった。4打席目は四球、8回の5打席目は中飛だった。
日本新記録の一発は初回、1死二塁で打席に入り、カウント2ボール1ストライクから真ん中漸外角寄りのストレートを豪快なスイングで引っ張り、打った瞬間、其れと判る打球が左中間スタンドの中段に突き刺さった。
バレンティンは11日に1964年王(巨人)、2001年ローズ(近鉄)、2002年カブレラ(西武)の持つシーズン55本塁打に並んでいた。
バレンティンは此処3試合で10打数2安打と本塁打は出ず、新記録は御預けになっていた。此の日、第1打席で1964年王以来、49年振りのシーズン最多本塁打記録更新の快挙を達成した。
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相手投手も「『56号を打たれた投手』として、球史に名を刻みたくない。」という思いも強く、際疾い所を徹底的に突いた投球をして来るだろうから、56号は時間が掛かるかもなあと思っていたので、「意外に早く達成したなあ。」というのが正直な気持ち。多くの注目を集めた中、バレンティン選手も相当のフラストレーションが溜まっていただろうが、第1打席に記録を更新出来た事で気分的に楽になれ、2打席連発の快挙となったに違い無い。
バレンティン選手、記録更新おめでとう!!!
何だ彼んだ言う人も居るだろうが、シーズン最多本塁打記録を塗り替えたというのは、素直に「凄い!」と思う。伊達や酔狂で達成出来る記録では無く、プロ野球ファンの1人として心より敬意を表したい。
シーズン最多本塁打の世界記録は、2001年にバリー・ボンズ氏が残した「73本」。スワローズの残り試合数が「18」という事を考えると、世界記録更新も夢では無い。「日本記録」と「アジア記録」を更新した勢いで、何とか世界記録も更新して欲しいもの。頑張れ!!
バレンティン選手が「54号」を達成して以降、相手投手達は“ロシアン・ルーレット”をさせられている様な心持ちだったろう。従来の日本記録「55号」を打たれた投手も然る事乍ら、新記録の「56号」を打たれた投手は、新たに記録を更新する選手が出る迄、「56号を打たれた投手」として、其の名前や映像を何度も使われるのは間違い無いから。
56号を打たれた榎田投手には、同情の思いを持ってしまう。けれど、彼には今回の経験を糧にして、より凄い投手へとなって貰いたい。彼が“大投手”と呼ばれる存在になれば、将来、バレンティン選手の記録更新が話題になった時、「彼の大投手から、バレンティン選手は打ったのか!」と、バレンティン選手共々に、榎田投手の凄さも賛美されるだろうから。禍を転じて福と為す。榎田投手も頑張れ!!
*1 「ウラディミール」という名前を目にすると、真っ先に思い浮かぶのが、世界的なピアニストだったウラディミール・ホロヴィッツ氏。
嫌らしい話55本で巨人戦に突入して巨人のピッチャーのバレに対する対応を見てみたかったですね
55本塁打が輝いてるのは単に日本記録だけでなく王貞治と言う長年に渡って実績を残してきた実力者&人格者(細かい事は無しにして)が作った記録だからと思います
個人的に厳しい事を言うならバレが最低でも五年連続ホームラン王になり球場の内外で誰からも敬われる存在にならなければ単なるマグレで王さんの日本記録を更新した選手というのが俺の考えです
何気無くセ投手の成績を見たら防御率8位の杉内と防御率9位の(我らが)沢村の成績て勝敗以外は防御率を含めほぼ同じなのに杉内は11勝5敗で沢村は4勝9敗とは世の中ままならぬ物ですな
今回のバレンティン選手の件で感じたのは、「良い意味で、球界の雰囲気も変わったなあ。」という事。カブレラ選手が55本超えに挑戦した頃は、「56本を記録させたら、国辱物だ。」といった雰囲気が在りましたけれど、今回は「真っ向勝負で挑む。其れで打たれたら、止む無し。」という雰囲気を感じたので。
バース選手が55本に挑んだ時、ジャイアンツの監督は王氏でした。槇原寛己氏等、当時のジャイアンツの投手達が、其の後に語っているのを見聞すると、王氏から「敬遠する様に。」という指示は全く無かったけれど、投手陣の中で「監督の記録を破らせてはいけない。」という話し合いが持たれ、其の結果として敬遠攻めがされたとか。原監督の場合は良くも悪くもプライドが高いタイプなので、バレンティン選手には真っ向勝負で挑むのではないかと思っていました。飽く迄もイメージですが、もし55本の段階でジャイアンツの投手陣がバレンティン選手に挑んだ場合、宮國投手辺りが打たれそうな気が。
バレンティン選手の今後に付いて、透明人間様の書かれている事柄には全く同感です。「今年1年がまぐれだった。」という事にはなって欲しくないし、多くの野球ファンから愛される選手で在って欲しいです。
全盛期を思えば、岩瀬投手の力は大分落ちているとは思う。でも、必死で投げ抜いている彼の姿には、「頑張って欲しい。」と思わせる物が在る。大魔神の記録に並んだというのは、本当に凄い事。記録更新を期待しています。
澤村投手、先日のリリーフを見ていると、良い意味で心境の変化が在ったのではないかという気がしました。何方かと言えば「唯我独尊」的な面が在ったけれど、周りを見てプレーが出来る様になりつつ在るのではないかと。素質は十二分に在る投手なので、通算での貯金を早く作って貰いたい。
「55本」を記録したタフィー・ローズ氏が、今回のバレンティン選手の偉業に関してコメントを出していましたが、其の中に次の件が在りました。
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記者:米国でも1961年にロジャー・マリスがベーブ・ルースの記録(60本)を破る時は、大騒ぎになった。
ローズ氏: ルースの時は、人種や出身国が問題だったのでは無く、兎に角、偉大なルースの記録を抜いて欲しく無いという事だった。王さんの記録は、“抜くなら日本人ではないといけない。”という事だった。でも、2010年にはイチローのシーズン安打記録も、外国人選手(マートン)が抜いたんだよね。日本も時代は変わってきたと思う。
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「偉大な王さんの記録を抜いて欲しく無い。」という気持ちが、球界に無かったかと言われれば、其れは「ノー。」だと思う。でも、確かに「抜くなら、日本人ではないといけない。」というのも在ったでしょうね。
メジャーには「メジャー・リーグこそが野球に関しては最高にして、唯一の存在。」といった思い上がりの面を感じる事も在る。でも、全体的に見れば、日本に比べると懐は深い。良き点は、素直に見習うべきですね。