直径0.5mm以下のプラスチックを「マイクロプラスチック(マイクロビーズ)」と呼ぶが、2014年の「マイクロビーズ」、2016年の「発生する幼生数が41%減」、2018年の「2020年迄に全世界の店舗で廃止」、2020年の「新型コロナウイルス感染拡大で、こんな問題も発生」、そして今年の「“魔法の素材”は海中だけで無く」と、当ブログでは過去に5回、“マイクロプラスチックによる環境汚染”に付いて記事にして来た。
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「世界のプラ塵、2060年に3倍に 環境流出も倍増、OECD」(6月3日、共同通信)
経済協力開発機構(OECD)は3日、「対策を強化しなければ、2060年に世界のプラスチック塵発生量が、現状の約3倍になる。」と予測した報告書を公表した。「環境中への流出量も2倍に増える。」と分析し、「生態系や人の健康へのリスクが増大する。」として、抜本的な対策強化を求めた。
OECDによると、2019年の発生量は3億5,300万トンで、追加の対策を講じなければ、2060年に約3倍の10億1,400万トンに増える。一方、国際協定を策定する等、世界で協調して厳しい対策を進める場合、6億7,900万トンに抑えられると見積もった。
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「プラスチック塵の発生量、何も対策を取らなければ、33年後には現状の約3倍になる。」というのは、ぞっとする話。だが、「世界で協調して厳しい対策を進めた場合でも、33年後には現状の約1.92倍。」というのだから、もっと何とかならない物だろうか。
利便性を求めたくなるのは判らないでも無いが、プラスチック製品への依存度を激減させないと、環境汚染は大きく進み、延いてはプラスチック塵によって人類は、少なからずの被害を受ける事になりそう。
マイクロプラスチックごみによる人体への深刻な影響は、このままでは避けようがないでしょう。
食物連鎖による消化器への影響と、空中浮遊による呼吸器への影響は、今後より具体性を持ってくると思います。
しかし発生源である企業の目先の利潤を優先する体質と、目先の利便性を優先する消費者の意識が変わらない限り、この状況を変えるのは難しいでしょう。
自然由来でバクテリアによって早期に自然分解される素材が開発され、一気に普及すれば状況が変わるかもしれませんが、発電のようにコスト高を理由に再生エネルギーへの変換が遅々として進まない現実を見ていると、どうしても悲観的になってしまいます。
産業革命以降、人間は今現在の享楽を求めすぎ、子々孫々にツケを回すことに罪悪感を持たなくなってしまったようです。
「政治が悪い。」とか「政治家が悪い。」という声を良く見聞する。確かに其の通りなのですが、でも、そんな政治や政治家を選んだのは、少なからずの国民の筈。「悪い。」と言うならば、真面な政治家を選ぶべきなのに、未だに「面白い。」とか「綺麗(乃至は格好良い。」という観点から“だけ”で投票する馬鹿が居る。
悠々遊様が指摘されている「プラスチック塵に対する企業と消費者の関係」も、同根ですね。
東日本大震災により、原発の怖さを十二分に思い知らされた筈の日本国民。でも、其の怖さが、国民の間から薄れつつ在る様に思え、其れが怖くも在ります。