ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

薬物⇒窒素

2023年11月30日 | 時事ネタ関連

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米州窒素吸入で死刑執行へ ~『苦痛無い。』主張に『根拠無し。』批判も」(11月28日、東京新聞[夕刊])

南部アラバマ州で来年1月、窒素吸入による死刑執行が実施される見通しとなった。医学誌は、世界初としている。米国の死刑で40年以上使われる薬物注射は失敗が相次ぎ死刑囚が苦しむ事例が発生しただ。擁護派は「窒素吸入なら、苦痛が無い。」と主張するが、「根拠は無く、情報開示も不充分だ。」との批判も出ている。

米国で薬物注射による死刑執行が始まったのは1982年。筋弛緩剤等を注射するのが一般的だ。だが、製薬会社は製品が死刑に使われるのを嫌い、流通を制限。注射の担当官の技術が未熟で、失敗する事例も起きている。 

昨年11月には、アラバマ州で殺人罪有罪となった50代のスミス死刑囚が、寝台に数時間固定され、何ヶ所も針を刺されて、著しい苦痛を経験。「再び薬物注射による死刑執行をしない事。」等を求めて訴訟を起こし、「問題を避ける現実的な手段は、窒素吸入だ。」と主張した。

窒素は空気の78%を占める気体で、高濃度では酸欠を起こす。労災事故の事例から、苦痛を感じず死亡に到ると見られ、少数の州が死刑への利用を認めた。一方、獣医学会は動物の安楽死指針で、一部の哺乳類に付いては苦痛を引き起こす為、「許容出来ない。」とする。

米法曹協会によると、アラバマ州のアイヴィー知事裁判所の判断に従い、スミス死刑囚に関して窒素吸入を使った執行期日を設定。顔にマスクを装着させ、窒素を流す方法だが、州が開示した手順書は黒塗りが多く、1例目は「新手法の実験台になるのでは。」と懸念されている。州内に瓦斯供給する一部業者が、窒素瓦斯供給を拒否した。」とも報じられた。
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「死刑」に関しては、ブログでも過去に何度か取り上げて来た。人の死に関わる事柄なので、死刑に関して賛否両論在るのは自然な事と思っているが、個人的には「死刑制度に賛成。」というスタンスは変わらない。其の理由としては、「どういう事情が在るにせよ、他者の命を“不法且つ不当”に奪った者は、自らの命を以て償うべきで在る。」と考えるので。「自分にとって近しい人が、他者によって殺害されたら、其の人物が生き続けるという事は、とても耐えられない。」という思いも在る。「其れでは、『目には目を歯には歯を』という“同害報復”ではないか。」という批判が在るのは重々承知しているけれど・・・。

死刑制度に付いて論じられる時、「冤罪の可能性がでは無い限り、死刑制度は廃止すべきだ。」という声が在る。冤罪は絶対に許されてはならないし、死刑の判決に関しては軽々下されてはならないと思っている。でも、「死刑は残酷だ。」とか「執行時、執行者(=死刑囚)に苦しみを与える手法は許されない。」といった声には、とても疑問を感じる。「『残酷だ。』とか『苦しみを与える手法は許されない。』とかと言うけれど、『死刑囚は、“残酷且つ苦しみを与える手法”で人を殺めたのではないのか?自分は何をしても許されるが、自分が同じ事をされるのは許さない!!』というのでは、余りに身勝手。」と、どうしても思ってしまうので。

今回のスミス死刑囚の場合、自身が死刑に処せられる事自体を拒否している訳では無く、「苦痛の無い手法で、死刑を執り行って欲しい。」という事の様なので、其の点では理解出来る。「死刑制度自体は存続させるべきだが、其の手法は可能な限り苦しみを取り除く。」というのは、決して間違った事では無いだろう。


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