1961年にオープンして以降、数多のアーティストがコンサートを開いて来た「東京厚生年金会館」。49年の歴史を刻んで来たこの施設が、先月末を以て閉館となった。残念乍ら中に入った事は無かったけれど、その存在は良く知っていたし、初めてこの建物を外から見た際には「此処が、あの東京厚生年金会館か。」と感慨深い思いがしたもの。
週刊新潮(4月1日号)に「誰もが疑うヨドバシカメラの新宿『博物館』構想」という記事が載っていた。「東京厚生年金会館の跡地はどうなるのだろう?」と思っていたのだが、記事では或る経済紙記者が次の様に証言している。
「元々厚生年金施設は小泉政権の下で売却が決まっており、東京厚生年金会館の“身売り”も既定路線でした。ヨドバシカメラは敷地面積6,152平米も在るこの施設を120億円で落札し、此処にカメラの博物館やフォト・サロンを開く予定にしています。」
新しい持ち主がヨドバシカメラというのも驚きだが、120億円も支払って手に入れたあの施設をカメラの博物館やフォト・サロンにする構想というのはもっと驚き。ヨドバシカメラがこの場所を押さえたのには、同社の“意地”も在ったとか。前記経済紙記者は、更に証言。
「矢張り、新宿はヨドバシカメラの発祥の地で在り“牙城”です。4月にはヤマダ電機が新宿東口店をオープンしますが、ヨドバシとしては心中穏やかならざる物が在るでしょう。厚生年金会館は新宿で売りに出された物件としては最大クラス。ライバルに取られてはならぬと考えたのでしょう。」
つい先達て「2010年3月期の売上高が、国内家電量販店としては初めて2兆円を達成した。」との報道が為され、同業界の2位以下を大きく突き放しているヤマダ電機。しかし20年程前は「家電量販店」と言えば、ビックカメラやヨドバシカメラ等の方が一般的な知名度は高かった様に思う。だからこそヨドバシカメラに大きく突き放されたとはいえ、“新宿の嘗ての顔”としてこの場所に固執したというのは判らなくも無い。
唯、「最寄駅から徒歩5分程というロケーションは店舗に最適じゃないにせよ、もっと利益を生み出す別の用途が在るのでは?」という気がする。その点に付いて流通ジャーナリストの金子哲雄氏は、興味深い分析をしている。
「厚生年金会館を博物館やフォト・サロンにするといってもヨドバシにはちゃんと計算が在る筈。例えばカメラ愛好者は写真を撮れば見せたくなる。フォト・サロンで御客が撮った写真の展覧会を開いたり、高級機種の使い方を教えるスクールを開く事で囲い込みが出来る。一種の“外商”と考えれば良い。高齢化社会でカメラ愛好者が増えているのを見越しての一手でしょう。」
ヨドバシカメラの広報担当者は跡地利用の詳細に付いて、「今は御話し出来る段階では在りません。」とコメント。従って実際の所は判らないが、「高齢化社会でカメラ愛好者が増えるのを見越しての構想」というのは在り得るかも。風光明媚な場所で多くのカメラ愛好者が写真を撮っている場面に何度か出くわしたが、過去に撮った写真を御互いに見せ合ったり、持参したカメラの評価をし合ったりしているのを結構見掛けたから。
週刊新潮(4月1日号)に「誰もが疑うヨドバシカメラの新宿『博物館』構想」という記事が載っていた。「東京厚生年金会館の跡地はどうなるのだろう?」と思っていたのだが、記事では或る経済紙記者が次の様に証言している。
「元々厚生年金施設は小泉政権の下で売却が決まっており、東京厚生年金会館の“身売り”も既定路線でした。ヨドバシカメラは敷地面積6,152平米も在るこの施設を120億円で落札し、此処にカメラの博物館やフォト・サロンを開く予定にしています。」
新しい持ち主がヨドバシカメラというのも驚きだが、120億円も支払って手に入れたあの施設をカメラの博物館やフォト・サロンにする構想というのはもっと驚き。ヨドバシカメラがこの場所を押さえたのには、同社の“意地”も在ったとか。前記経済紙記者は、更に証言。
「矢張り、新宿はヨドバシカメラの発祥の地で在り“牙城”です。4月にはヤマダ電機が新宿東口店をオープンしますが、ヨドバシとしては心中穏やかならざる物が在るでしょう。厚生年金会館は新宿で売りに出された物件としては最大クラス。ライバルに取られてはならぬと考えたのでしょう。」
つい先達て「2010年3月期の売上高が、国内家電量販店としては初めて2兆円を達成した。」との報道が為され、同業界の2位以下を大きく突き放しているヤマダ電機。しかし20年程前は「家電量販店」と言えば、ビックカメラやヨドバシカメラ等の方が一般的な知名度は高かった様に思う。だからこそヨドバシカメラに大きく突き放されたとはいえ、“新宿の嘗ての顔”としてこの場所に固執したというのは判らなくも無い。
唯、「最寄駅から徒歩5分程というロケーションは店舗に最適じゃないにせよ、もっと利益を生み出す別の用途が在るのでは?」という気がする。その点に付いて流通ジャーナリストの金子哲雄氏は、興味深い分析をしている。
「厚生年金会館を博物館やフォト・サロンにするといってもヨドバシにはちゃんと計算が在る筈。例えばカメラ愛好者は写真を撮れば見せたくなる。フォト・サロンで御客が撮った写真の展覧会を開いたり、高級機種の使い方を教えるスクールを開く事で囲い込みが出来る。一種の“外商”と考えれば良い。高齢化社会でカメラ愛好者が増えているのを見越しての一手でしょう。」
ヨドバシカメラの広報担当者は跡地利用の詳細に付いて、「今は御話し出来る段階では在りません。」とコメント。従って実際の所は判らないが、「高齢化社会でカメラ愛好者が増えるのを見越しての構想」というのは在り得るかも。風光明媚な場所で多くのカメラ愛好者が写真を撮っている場面に何度か出くわしたが、過去に撮った写真を御互いに見せ合ったり、持参したカメラの評価をし合ったりしているのを結構見掛けたから。