ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

イスラム教

2010年11月01日 | 其の他
最初に断っておきたいのだが、イスラム教キリスト教の信者、そして宗教関係の知識がそこそこ深い方は、今日の記事を読んでも全く面白くないと思う。「そんなの常識でしょ。」と思われる様な内容だろうから。自分の様な無宗教の人間、イスラム教やキリスト教の知識が余り無い人間ならば、「へー。」と思う内容かもしれないけれど。

もう可成り昔の話になるが、仕事でマレーシアに長期滞在する機会が多かった。マレーシアと言って一番忘れられないのは、宿泊した安ホテルで迎えた初めての朝の出来事。夜明け前、大音声の音楽と意味不明な言葉が聞こえて来たので、「何なんだ!?」と目が覚めてしまった。其れから一寸して、独特な抑揚で呪文を唱える様な声が聞こえて来たので、窓を開けて外を見ると、近くに在るモスクから拡声器を使って流れているのが判明。最初に流れたのはイスラム教信者に対して「今から祈りを開始しなさい。」という呼び掛け(アザーン)で、次に流れたのはクルアーン(コーラン)誦する声だったのだ。前日の夕方にホテルの部屋に入った際、天井に「メッカの方向を指し示す矢印」(キブラ)が書かれているのを見て、「イスラム教の社会に来たんだなあ。」と感じはしたけれど、此の朝の大音声で自分が異世界に居る事を痛烈に再認識させられたのだった。

そんな強烈な経験をした自分だけれど、イスラム教に関する知識は皆無に等しい。(イスラム教に限らず、他の宗教に関しても同様。宗教、特に新興宗教に対して胡散臭さを感じてしまうのだ。)其処で今回「池上彰の講義の時間 高校生からわかるイスラム世界」を読んだのだが、TV番組の時と同様に池上彰氏の説明が実に判り易く、とても勉強になった。個人的に「へー。」と思う点が多かったので、幾つかをクイズ形式で紹介してみたい。

*****************************************
【問題】


① 「ブリタニカ国際年鑑2010」によると、世界の宗教人口総数は68億2,815万5千人で、最も信者が多いのはキリスト教の22億6,449万2千人(33.2%)。では、イスラム教信者の数はどの位か?


② 世界で最もイスラム教信者の多い国は何処か?


③ 次の(A)~(E)に入る、適切な単語は?

神道仏教等は複数の「神」が存在する(神道の場合は自然界の其処彼処に神が存在し、人間も死ねば神として祀られる。仏教の場合は、守る神が幾人も存在。)「多神教」だが、(A)や(B)、そしてイスラム教は唯一の神しか存在しないという「一神教」で、尚且つ(A)も(B)もイスラム教も同じ神を信じる“兄弟宗教”で在る。

(A)の信者にとっては「律法(トゥーラー)」と呼ばれる書物が聖書で、此のトゥーラーは一般的に「(C)」と呼ばれている。

(B)の信者にとって聖書は2つ存在する。「(C)」、そして彼等独自の聖書「(D)」で在る。

イスラム教の信者にとって聖書は3つ在り、「(C)」及び「(D)」、そして全てで114章から成る「(E)」で在る。


④ 次の文章には、1ヶ所誤った部分が在る。其れは何か?

嘗て神はユダヤ人の指導者モーセ(モーゼ)に対し、人間として守るべきルール(律法)を「十戒」の形で伝えた。其れから後、神はキリストムハンマド(モハメッド)等の人間を選び、予言者として彼等に神の言葉を伝えた。
*****************************************

此の本の中でも記されているが、イスラム教と言えば「怖い。」とか「暗い。」というイメージを持つ人が多いと思う。自分もそうで、加えて言うならば「非常に偏狭で、柔軟性が全く無い。」というイメージが在る。しかしイスラム教は本来、結構柔軟性を有した宗教で在る事を知り、其れが非常に意外だった。ラマダーンの時期の断食の厳しさは良く言われる所だが、実際には結構“抜け穴”を用意してくれていたりする。「厳しく身を律しなければならない。でも、そうは言っても人間は弱い生き物だから100%は守れないだろうから、こういった抜け穴を用意しておく。」といった感じなのだ。喩えに出して申し訳無いのだが、優勝した事で物を破壊したりと大暴れする“一部の”タイガース・ファンを取り上げて「全くタイガース・ファンは、皆どうしようもない。」といった批判をする人が居るけれど、当然の如くこんな連中はタイガース・ファンのほんの一部で在り、其の他大勢のタイガース・ファンは極めて全うな人達だと思っている。どんな組織にも極端に過激な連中は居り、自爆テロ等を行う“過激派”は、イスラム教信者の“絶対的多数”では無いという事なのだろう。

では、正解を記す。






























*****************************************
【答え】
 

① 15億2,321万2,150人(22.3%)。但し、全国各地でイスラム教信者の数は増加しており、「間も無く信者数でキリスト教を抜くだろう。」と言われているとか。


② インドネシア。人口約2億人の約90%、即ち約1億8千万人がイスラム教信者と見做されている。因みにヒンドゥー教信者一色」というイメージの在るインドにも、実はイスラム教信者が約1億6千万も居るのだとか。


③ (A)ユダヤ教 (B)キリスト教 (C)旧約聖書 (D)新約聖書 (E)クルアーン(コーラン)
ユダヤ教とキリスト教の関係は何となく理解はしていたが、恥ずかし乍らイスラム教は両宗教とは全く無関係な存在と思っていた。又、更に恥を晒すと「きゅうやくせいしょ」は「旧“訳”聖書」、「しんやくせいしょ」は「新“訳”聖書」と書くのだとずっと思い込んでいた。「約」は神と人間との「約束」を意味し、「古い約束」が「旧約」、「新しい約束」が「新約」なのだとか。


④ 予言者→預言者
此れも完璧に勘違いしていた。未来の物事を予測する「予言」とばかり思っていたが、「神の言葉を預かる」という意味の「預言」が正しいのだとか。
*****************************************

コメント (8)    この記事についてブログを書く
« 別の形で生き残る | トップ | 「プリズン・トリック」 »

8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
へぇー (悠々遊)
2010-11-01 21:45:24
「ブリタニカ国際年鑑2010」によると、世界の宗教人口総数は68億2,815万5千人・・・とのことですが、今ウィキペディアで確認すると、2010年10月時点の世界人口は国連推計で69億人とか。両者にはたぶんタイムラグがあるだろうから、ほぼ同じと考えて良さそう。

という事は、giants-55さんや私のような無宗教者は世界人口にカウントされていないということなのでしょうか。それとも日本人はほぼ全て仏教徒に数えられていたりして。
返信する
>悠々遊様 (giants-55)
2010-11-01 22:34:01
書き込み有難う御座いました。今回はこちらにレスを付けさせて貰います。

大昔読んだ本の中に、「日本人の宗教観の面白さ」を指摘した記述が在りました。初詣は神道、御年玉は道教、クリスマスはキリスト教等を種々雑多な宗教習慣を普通に受け入れ、そして亡くなった時は多くが仏教式で送るという日本人のスタイルは、外国人からすると非常に奇異に映るという物でしたが、此れを柔軟性と取るのか否かは別にして、外国人が不思議がるのも判らなくは無い。

此の本の中で書かれていて「へー。」と思ったのは、日本人が結構口にし勝ちな「私は無宗教ですから。」という発言が、熱心に宗教を信じる外国人からすると「無宗教→神の存在を信じない。→神をも恐れない行動が出来る。→テロリスト」という発想にも成り兼ねないという点。唯、「無宗教」とは言い乍らも「悪い事をしたら、“あの世”で酷い目に遭う。」という“潜在的な思い”を持つ人は少なくなく、其れが「規範意識」を保つモチベーションになっているという面は在るでしょうね。

宗教人口に関する日本の統計では、日本人の宗教人口は“実際の人口”を超えてしまっている。複数の宗教を信じている人が結構居るというのも在りますが、各々の宗教団体が「水増し申告」する事で自分達の存在感をアピールしているという面も多そうです。
返信する
水増し (悠々遊)
2010-11-02 21:13:40
宗教人口の水増しは当然あるでしょうね。

もともと宗教とは「自分の信じるものこそ絶対」との排他的偏狭性で成り立っているので、宗教論争や宗教戦争が起こるわけで。

これがもし「私の神様」も「あなたの神様」もともに信じましょうという、おおらかさであれば、同じ宗教の中でいろんな宗派(いわば派閥)が生まれてくるわけなど無いはず。

大方の日本人の宗教観は、おおらかというよりは、都合の良いところ取りのいい加減といったところではないかと思いますね。

私の場合は宇宙を支配する真理としての「神」は信じますが、本質的に排他性で成立っている「宗教」は信じないということです。こういう考え方も宗教家から見れば「神をも恐れぬ異端者」ということでしょうかね。
返信する
>悠々遊様 (giants-55)
2010-11-03 09:36:44
書き込み有難う御座いました。今回はこちらにレスを付けさせて貰います。

人間は弱い生き物ですから、追い詰められた際何かに縋りたくなるのは判るのだけれど、個人的にはだからと言って宗教に頼る気はおきない。「宗教に頼るよりも、自分の事を真に心配してくれているで在ろう御先祖様に何で頼らないのだろうか?」という思いが在ります。まあ、考え方は人それぞれなのでしょうが。

「仮想敵」を作り上げ、其れをバッシングする事で己が存在感をアピールする。宗教の世界に留まらず、そういった手法は良く用いられます。「此の考え方こそが全てで、其れ以外は存在してはいけない。」といった極めて近視眼的で狭量な唯一無二論を繰り出す人が居るけれど、世の中に「唯一無二的な物」なんてそうは在る物では無い。「BETTER」を論じるのならば未だ受け入れられるのですが、己が「BEST」を強要されるのは嫌な物ですよね。
返信する
難しいですよね (青空百景)
2010-11-03 09:57:42
大学の時に「宗教学概論」というような教養科目を受講して、あっと目から鱗が落ちたように感じたのは、
「宗教とはつまり『世界観』のことだ」
というものでした。
大昔の人類が、自分を取り巻く世界を把握しよう、この世の成り立ちを想像しようとして、そうして出来上がっていったものが宗教。
……と、いう風に思っている私としては、仏教キリスト教ユダヤ教イスラム教ヒンズー教等々の古くからある宗教ではない、「新興宗教」のたぐいにはどうも「本物じゃない」感がぬぐえないでいます。
不幸の解消とか心の安らぎとか、そういう「ご利益」を求めて入信する、というのは何か違うだろう、と。
返信する
>青空百景様 (giants-55)
2010-11-03 12:33:35
書き込み有難う御座いました。今回はこちらにレスを付けさせて貰います。

「宗教とは世界観」というのは頷けます。古くから存在する宗教にも“様々な思惑”が全く無かったとは思わないけれど、所謂新興宗教の場合は様々な思惑が前面に出てしまっているという感じは在りますね。過度な個人崇拝(キリスト教等も、そうでは無いとは言い切れないけれど。)や金銭の巻き上げを最優先とし、信者を踏み台にしている“様な”面も受け容れ難い。
返信する
Unknown (寄らば大樹)
2010-11-05 12:48:16
イスラム教徒が自爆したらテロだと言うけれど、イスラエルが国連施設や小学校にまでクラスター爆弾落としても誤爆というのはなぜ?制服を着た軍隊だといいのかな?アメリカが無人機のカメラから見えた不確かな様子だけで、ミサイル発射して、葬儀とか結婚式の最中にある大勢の人をテロリストらしき人物とともに葬り去ってもテロと言われないのはなぜ?世の中は不公平なのはわかるけど、度が過ぎるよね。やっぱ大国の側について大人しく経済いそしんでるのがいちばんだよね。はむかえばコテンパンじゃん。うすうす大国の卑怯さを子供達もわかってきてるから、不公平に憤らなくなる世代が増えたところで、アラブとかアフガンとか北もそうだけど、あいつらみんなテロだから地図から消えちゃえばとかなるかもしんないね。
返信する
>寄らば大樹様 (giants-55)
2010-11-05 15:06:57
書き込み有難う御座いました。

自身の利益だけを追い求め、其の為に「白」を「黒」で在ると主張する。エゴ剥き出しで「不正義」を「正義」と訴えるのは古今東西多くの国で見られる事で、アフガニスタンなんぞは大国だけでは無く、大国とは言い難い国からも“生贄”にされてしまった国家という感じが在りますよね。

「我々のして来た事は全て間違いだった。」という余りに自虐的な思考もどうかと思うけれど、逆に「我々がして来た事は全て正しい。」とする妄信的な思考も怖い。そういった思考こそが、狭量な排他性を生み出してしまうと思うから。

今後とも何卒宜しく御願い致します。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。