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「『国民皆歯科健診』検討開始へ 骨太方針」(5月29日、毎日新聞)
政府が6月上旬に纏める 経済財政運営の指針「骨太の方針」に、全国民に毎年の歯科健診を義務付ける「国民皆歯科健診」の導入に向け、検討を始める方針を明記する事が29日判った。歯の健康を維持して、他の病気の誘発も抑え、医療費全体を抑制する狙いが在る。政府・自民党では令和7年頃の導入を目指す。
「65歳以上の高齢者は、自身の歯を多く残す人程、健康を維持し易く、入院回数が少ない事。」が明らかになっている。逆に「歯周病等を放置すれば、糖尿病の合併症等、大きな病気に繋がる可能性。」も指摘されている。厚生労働省は日本歯科医師会(日歯)と共に、80歳で自らの歯を20本残す「8020運動」等を進めて来た。
歯を多く残すには、歯周病等の早期発見と治療が重要になる。唯、国内では歯科健診の受診率が低い。義務化しているのは1歳半と3歳の乳幼児、就学時や小中高生の学校健診、歯に有害なガスを業務で扱う人等に限られる。
全国の約7割の自治体では、40歳から10年に1度、健康増進法に基づく歯周病対策の検診等も実施しているが、受診率は1割にも満たない。
其処で、自民党では日歯の要望も受けてプロジェクト・チームを立ち上げ、医療費全体の抑制効果も考慮し、皆健診制度の検討を進めて来た。
具体的な手法としては、健保組合等が毎年行う健康診断の際に唾液を提出して貰い、歯周病等の可能性が在る人を受診に繋げる案が浮上している。自民には、来年にも導入迄の具体的なスケジュールを記した議員立法を制定する動きが在る。
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本題に入る前に、我が国に於ける「高血圧の定義」に付いて触れてみたい。参考にさせて貰ったのは、此方の情報。
現在の高血圧の基準値は、「診察室血圧;140/90mmHg以上、家庭血圧:135/85mmHg以上」となっている。(大昔、問題が無い血圧の“上限”は「(年齢+90)mmHg」だったそうだ。詰まり、凡そ「160mmHg迄の血圧」は正常値とされていた訳だ。)1987年、“厚生省”は「180/100mmHg以上」を高血圧の基準としたが、2000年には日本高血圧学会が「140/90mmHg以上」というのを高血圧の基準として示した。其の基準が今も続いている訳だが、更に下げ様という動きが在るとか。「高血圧の基準をどんどん下げる事で、製薬会社や医者を儲けさせたいだけなのでは?」という気がしている。
今回の「国民皆歯科健診の検討」、「歯が“健康”で在れば、肉体の健康も維持し易く、そういう人が増えれば、延いては医療費を抑制出来る。」“ので在れば”、必ずしも反対はしない。でも、歯科健診を義務化する事で、本当に医療費抑制に繋がるのかは、きちんと検討(乃至は検証)しないといけない。
例えばだが、現在の総医療費が「100」として、国民皆歯科健診に「10」の費用が掛かるとする。出費は併せて「110」になるが、其れによって将来的に総出費が「100」未満になれば「費用対効果在り。」と考えても良いだろうが、「100」以上で在れば「効果が在るとは言い難い。」という事になるだろう。
2016年、「2029年には、歯科医師の人数が約1万4千人過剰となる。」と厚労省は試算を発表。現在でも歯科医師が余剰状態に在る様な気がするけれど、「票田で在る日本歯科医師会に“忖度”し、歯科医師を“救済”すべく、国民皆歯科健診を導入する。」という事“で在れば”大反対だ。
歯科健診の義務化、我々は其の是非をじっくり論じて行かなければいけない。