「週刊朝日(2月4日増大号)」に「病院でつくられた寝たきりにされない方法」という記事が載っていた。他国に比べて日本では、寝たきりの高齢者が多いという話は聞いていたが、その理由の多くが病院で作られた寝たきりというのには愕然とさせられた。
日本には寝たきりの高齢者が30万人以上居るそうで、この数は先進国平均の6~7倍に該当するのだそうだ。その原因に、骨折や脳血管障害の多さも挙げられるが、大半は病院で適切なリハビリが成されなかった為だという。この事を、記事では「病院で作られた寝たきり」と表している。
記事では75歳の女性(A子さん)の例が紹介されている。寝たきり防止に取り組んでいる西吾妻福祉病院(群馬県長野原町)の折茂医師がA子さんを初めて診た時は、彼女は痴呆の為言葉も発せない状態だった。排尿の為のカテーテルが身体に入り、鼻には栄養補給の為のチューブが挿入され、身体中に何箇所もの床擦れが在ったという。折茂医師がA子さんの家族に経過を聞いてみた所、次の様な事だった。
畑仕事の最中に息苦しさを感じ、肩でゼイゼイと息をする様になった彼女は、近所の総合病院で受診する事となり、心不全(心臓喘息・左心不全による呼吸困難)と診断された。安静と利尿薬で心不全そのものは良くなったのだが、3週間後に安静解除を指示された時には、A子さんは立ち上がる事すら出来なくなっていたという。
折茂医師は語る。「安静にしていると、筋力の低下は1週間目で20%、2週間目で40%、3週間目で60%にもなります。1日の安静で生じた機能低下の回復に1週間かかり、1週間の安静で生じた機能低下の回復には1ヶ月かかります。それに、長期間刺激が無いと痴呆も発症します。」
早い段階で、筋トレ等のリハビリを行なえば良かったのだが、既に痴呆状態となっていたA子さんからの訴えも無く、3ヶ月間そのまま放置されていたという。異変に気付いた家族が病院側に対応を求めたが、埒が明かず、折茂医師に相談して来たというのが、それ迄の経緯だった。畑仕事で健康に日焼けしていたA子さんの肌は皺くちゃとなり、体重は30kg迄落ち込み、表情は全く無い廃人同然の有様だったという。
折茂医師の治療で、A子さんは半年後には車椅子で移動出来る様になり、1年後には歩ける様にはなったそうだが、以前の様に畑仕事が出来る迄には回復しなかった。結果的には、僅か3週間の安静が作り出した寝たきりの回復に、1年の時を要した事になる。
折茂医師は続けて語る。「カテーテルで排尿させ、経管栄養するというのは、人手がかからないので、病院としては楽な方法です。カテーテルを抜くのには。自力で排尿する訓練等が必要で、1~2週間かかります。経管栄養を止めるにも同期間が必要です。又、一人で座れる様になるには1~2ヶ月かかります。この様にリハビリに時間がかかる為、病院側の都合で患者さんを寝たきりにさせてしまったと考えざるを得ないケースが在ります。病気=安静という思い込みを、医師、患者、患者の家族共に改める事が大切です。」
身体を動かされるよりは寝ていて貰った方がケアが楽だし、トラブルを招かない様にと病院スタッフが、患者が出来る事迄手伝ってしまうという病院側の事情も無くは無い。老人施設では、「転倒すると危ないから。」という理由で、歩行可能な高齢者にも車椅子を使用させている所が少なくないのだそうだ。「筋肉を使わない。→筋肉が痩せ細る。→筋肉の機能を失う。」という結果になるのはいとも容易く、この様な状態を「廃用症候群」と言うのだそうだ。そして、この廃用症候群は肉体面だけではなく、精神面にも生じるという。これ等の相乗悪効果で、寝たきりや痴呆が進む。
「絶対安静にしなければならない病気も在るので、安静を指示する病院=悪い病院と見做すのは大きな誤りだが、病気を診るだけではなく、人として生活して行けるにはどうすれば良いかという視点で治療に当たる病院を選ぶ事が重要。」と折茂医師は結んでいる。
早期離床や早期リハビリが非常に重要なのを痛感させられた。しかし、こういった事が成されていない病院が少なくないのを批判しても何の解決にもならないだろう。知り合いの看護士に話を聞く限りでは、現代医療の現場で従事している彼等の労働環境は、想像以上に劣悪の様だ。「ブラックジャックによろしく」でも、その一端を垣間見る事が出来る。慢性的な人不足が叫ばれる医療現場に於いては、病院サイドだけを責め立てるのも筋違いな気がする。介護保険制度の在り方を含めて、国レベルで抜本的な対策を講じていかなければ、”寝たきり大国”という有り難くない座に日本は座り続ける事になるだろう。
日本には寝たきりの高齢者が30万人以上居るそうで、この数は先進国平均の6~7倍に該当するのだそうだ。その原因に、骨折や脳血管障害の多さも挙げられるが、大半は病院で適切なリハビリが成されなかった為だという。この事を、記事では「病院で作られた寝たきり」と表している。
記事では75歳の女性(A子さん)の例が紹介されている。寝たきり防止に取り組んでいる西吾妻福祉病院(群馬県長野原町)の折茂医師がA子さんを初めて診た時は、彼女は痴呆の為言葉も発せない状態だった。排尿の為のカテーテルが身体に入り、鼻には栄養補給の為のチューブが挿入され、身体中に何箇所もの床擦れが在ったという。折茂医師がA子さんの家族に経過を聞いてみた所、次の様な事だった。
畑仕事の最中に息苦しさを感じ、肩でゼイゼイと息をする様になった彼女は、近所の総合病院で受診する事となり、心不全(心臓喘息・左心不全による呼吸困難)と診断された。安静と利尿薬で心不全そのものは良くなったのだが、3週間後に安静解除を指示された時には、A子さんは立ち上がる事すら出来なくなっていたという。
折茂医師は語る。「安静にしていると、筋力の低下は1週間目で20%、2週間目で40%、3週間目で60%にもなります。1日の安静で生じた機能低下の回復に1週間かかり、1週間の安静で生じた機能低下の回復には1ヶ月かかります。それに、長期間刺激が無いと痴呆も発症します。」
早い段階で、筋トレ等のリハビリを行なえば良かったのだが、既に痴呆状態となっていたA子さんからの訴えも無く、3ヶ月間そのまま放置されていたという。異変に気付いた家族が病院側に対応を求めたが、埒が明かず、折茂医師に相談して来たというのが、それ迄の経緯だった。畑仕事で健康に日焼けしていたA子さんの肌は皺くちゃとなり、体重は30kg迄落ち込み、表情は全く無い廃人同然の有様だったという。
折茂医師の治療で、A子さんは半年後には車椅子で移動出来る様になり、1年後には歩ける様にはなったそうだが、以前の様に畑仕事が出来る迄には回復しなかった。結果的には、僅か3週間の安静が作り出した寝たきりの回復に、1年の時を要した事になる。
折茂医師は続けて語る。「カテーテルで排尿させ、経管栄養するというのは、人手がかからないので、病院としては楽な方法です。カテーテルを抜くのには。自力で排尿する訓練等が必要で、1~2週間かかります。経管栄養を止めるにも同期間が必要です。又、一人で座れる様になるには1~2ヶ月かかります。この様にリハビリに時間がかかる為、病院側の都合で患者さんを寝たきりにさせてしまったと考えざるを得ないケースが在ります。病気=安静という思い込みを、医師、患者、患者の家族共に改める事が大切です。」
身体を動かされるよりは寝ていて貰った方がケアが楽だし、トラブルを招かない様にと病院スタッフが、患者が出来る事迄手伝ってしまうという病院側の事情も無くは無い。老人施設では、「転倒すると危ないから。」という理由で、歩行可能な高齢者にも車椅子を使用させている所が少なくないのだそうだ。「筋肉を使わない。→筋肉が痩せ細る。→筋肉の機能を失う。」という結果になるのはいとも容易く、この様な状態を「廃用症候群」と言うのだそうだ。そして、この廃用症候群は肉体面だけではなく、精神面にも生じるという。これ等の相乗悪効果で、寝たきりや痴呆が進む。
「絶対安静にしなければならない病気も在るので、安静を指示する病院=悪い病院と見做すのは大きな誤りだが、病気を診るだけではなく、人として生活して行けるにはどうすれば良いかという視点で治療に当たる病院を選ぶ事が重要。」と折茂医師は結んでいる。
早期離床や早期リハビリが非常に重要なのを痛感させられた。しかし、こういった事が成されていない病院が少なくないのを批判しても何の解決にもならないだろう。知り合いの看護士に話を聞く限りでは、現代医療の現場で従事している彼等の労働環境は、想像以上に劣悪の様だ。「ブラックジャックによろしく」でも、その一端を垣間見る事が出来る。慢性的な人不足が叫ばれる医療現場に於いては、病院サイドだけを責め立てるのも筋違いな気がする。介護保険制度の在り方を含めて、国レベルで抜本的な対策を講じていかなければ、”寝たきり大国”という有り難くない座に日本は座り続ける事になるだろう。
私が入院していた時、1ヶ月間は殆ど寝たきりでした。それでも、ポータブルトイレをベッドの横に設置してもらい、少しは動いていたのです。
でも、段差の上り下りができなくなってましたし、
実生活を始めたら愕然とする事ばかりでした。
後ろ向きで段差に登れない、電車の椅子で手を付かないと座ったり立ったりできない、など。
その後、スポーツクラブ等で筋力をつけましたが、
元には戻っていません。体系が全然変わりました。腰周り(お尻の方です)が貧弱。。。
働き盛りといわれる歳の私でさえそのような状態ですから、年配の方が一度筋力低下すると戻すのは本当に大変でしょう。
でも、「寝たきり」にならないようにするためには、周りの協力(医者、家族)がすごく必要なのでしょうね。。。
そもそも大戦中負傷兵がベッドの上でできる
リハビリ体操として考えられたものなんだそうです。
実際、ベッドの上で、仰向けになっているだけで
いろいろなエクササイズができます。
これって、もし入院することになったら、
ベッドでできていいなあ~、っていう動機もあって、
毎日やってます。
みなさんもいかがですか?
本とかDVDで、自宅で手軽にできますヨ。
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