日本球界に「FA制度」の導入が決定したのは、今から26年前の今日、即ち「1993年9月21日」の事だった。FA権を初めて行使したのは、当時タイガースに在籍していた松永浩美氏で、移籍先はホークスだった。以降、去年迄の26年間でFA権を行使した“延べ人数”は「121人」(工藤公康氏、小笠原道大氏、相川亮二氏、鶴岡一成氏の4人が、其れ其れ2回行使。)で、国内球団への移籍は「90人」、海外球団への移籍は「31人」となっている。
以前にも同じ事を調べて記事にした気がするけれど、改めて「FA権行使時に在籍していたチーム」と「FA権を行使して移籍したチーム」に付いて調べてみた。
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「FA権行使時に在籍していたチーム」
1位: ライオンズ(18人)
2位: ファイターズ(14人)
3位: バファローズ(12人)
4位: ホークス(11人)
5位: タイガース(10人)
6位: ドラゴンズ/カープ/ベイスターズ(各9人)
9位: ジャイアンツ/スワローズ(各8人)
11位:マリーンズ(7人)
12位:近鉄バファローズ/ゴールデンイーグルス(各3人)
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ライオンズが一番多いというのは、正直意外だった。イメージ的には、「ファイターズかバファローズが、一番多いかな。」と思っていたので。
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「FA権を行使して移籍したチーム」
1位: ジャイアンツ(26人)
2位: ホークス(13人)
3位: タイガース(12人)
4位: ベイスターズ(9人)
5位: ドラゴンズ(7人)
6位: バファローズ/ニューヨーク・メッツ(各6人)
8位: ゴールデンイーグルス/シアトル・マリナーズ/スワローズ(各4人)
11位:マリーンズ/ライオンズ(各3人)
13位:ファイターズ/オークランド・アスレチックス/テキサス・レンジャーズ/シカゴ・カブス/ボルチモア・オリオールズ(各2人)
18位:近鉄バファローズ/デトロイト・タイガース/セントルイス・カージナルス/ニューヨーク・ヤンキース/シカゴ・ホワイトソックス/ボストン・レッドソックス/ロサンゼルス・ドジャース/クリーヴランド・インディアンス/カンサスシティ・ロイヤルズ/アトランタ・ブレーヴス/トロント・ブルージェイズ/ランカスター・バーンストーマーズ/サンフランシスコ・ジャイアンツ/アリゾナ・ダイヤモンドバックス(各1人)
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ジャイアンツが断トツで多いのは予想通りだった。2位のホークスと3位のタイガースを足した「25人」よりも多いのだから、「FA制度は、ジャイアンツの為の制度。」と揶揄されるのも、仕方無い所だろう。
又、「現存球団では、FA制度での選手獲得に最も積極的では無い。」と言われているファイターズが、12球団では最低の「2人」というのも予想通り。
意外だったのは、海外球団への移籍で一番多かったのがニューヨーク・メッツという事。「シアトル・マリナーズが断トツで多い。」と思っていたので。
移籍先には球団経営がしっかりしたところや、人気球団というのは予想通りですね。
ジャイアンツやホークスはその両条件を満たしているし、タイガースはコアなファンが多いし。
引退後のことも考えるなら、最後はジャイアンツで終えたいというのも選手にはあるでしょう。
マスコミへの露出度が高いので、たとえコーチなどで球団に残れなくても、解説者などへの道も他球団在籍者に比べて有利そう。
もちろん球団にとっても他球団の実力者を獲れるなら、リスクは少ないわけで。
ただ、ジャイアンツの獲得者数を見ると、「財力と人気を使って、根こそぎ持っていくんだなあ」と複雑な気持ちになります(苦笑)。
球界の盟主を自負する球団なら、他球団の大黒柱を欲しがったりせず、自前の選手で日本一を目指すぐらいの気概を持ってほしいなぁ。
頂戴した書き込み、全く同感です。「FA制度」というのが在る以上、ルールに則ってのFA制度による獲得は決して悪く無いのだけれど、大前提として「自前の戦力を育てる。」というのが大事。長い低迷期間は在ったけれど、FA制度で1人も獲得していないカープが、去年迄に3連覇した事実を前にすると、ジャイアンツの育成方式に“足り無さ”をどうしても感じてしまう。