ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

城に住む

2007年09月28日 | 其の他
「おどみゃ島原の おどみゃ島原の 梨の木育ちよ♪」島原城を見学した際、入り口で渡されたヘッドホンから案内と共に流れて来た「島原の子守唄」。数多の民が亡くなった島原の乱発生の地という事も在り、その物哀しい曲調は暫し耳朶に残った。

これ迄に姫路城熊本城大阪城名古屋城等、数多の城を巡って来た。中には沓掛城の様な城址も在ったが、城(城址)に立って当時の人達の暮らしに思いを馳せるのは非常に楽しい。*1暮らすには決して便が良いとは思えないが、数日程度ならば住んでみたいという思いは在る。

週刊文春(9月13日号)」の巻末グラビアで、奇しくも2つの城が取り上げられていた。1つは大分県中津城1587年、黒田如水によって築き始められたこの城は、今や九州最古の近世城郭とされている。黒田氏以降は細川氏小笠原氏、そして1717年に奥平氏と城主が移り変わり、現在は奥平政幸氏が当主を務めている。(彼の経営する民間企業が天守閣を、そしてやはり彼が代表役員を務める「奥平神社」が土地を所有する形態。)420年の歴史を誇るこの城が、現在は売りに出されているという。

この春、城に隣接する私有地の使用料を5割以上値上げすると市から言われたんです。固定資産税の負担や神社の老朽化も在るし、城と土地を売って神社を移転したい。奥平家は長篠の合戦の時には長篠城主だったし、の地は他所にも在ります。3億円程で売れればと思っています。と奥平氏は述べている。中津市が買い取る可能性に付いては、「予算の問題も在り、どうなるか全く決まっていません。」(市の担当者)との事。

そしてもう1つの城、と言うよりも宮殿はウィーンに在るシェーンブルン宮殿「世界7都市『家賃10万円』部屋巡りの旅」という記事の中で紹介されている。不勉強な身故知らなかったのだが、何とこの宮殿に住む事が出来るのだそうだ。女帝マリア・テレジアが18世紀に完成させたこの宮殿は1962年に民営化されて以降、一般公開されている1&2階以外は賃貸住居になっており、リビング・ルームやベッド・ルーム、バス・ルーム等総面積130㎡程の部屋が月10万円程で借りられるとか。(入居時に掛かる費用:3ヵ月分の賃料を先払い。契約料&敷金手数料が約1ヵ月分。)「ベランダに洗濯物を干してはいけない。」、「帰宅時に入場門の横を潜り抜けようとすると、切符売り場に並ぶ観光客から『横入りするな!』と叱られる事が在る。」等、幾つかの規制や悩みの種は在るが、ヨーロッパ有数の庭園を窓の直ぐ外に見る事が出来る等の利点も。ダンサーや俳優、芸術家等アーティストが多く住んでいるのだそうだ。

「石造りの海外の城は気密性が高く、その多湿さ&日光の入らなさ故に精神疾患を抱える城主が少なくなかった。」という説を昔目にした事が在る。宮殿と城とでは事情が異なるのだろうが、その住み心地を試してみたいものだ。

*1 「城」繋がりで言えば、自分の好きな女優の一人はこの方で在る。

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5 コメント

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シェーンブルン (Spa supernova)
2007-09-28 13:00:43
実際は1920年代から一部が賃貸住宅になっているそうです。当時は住宅事情が非常に悪かったため、福祉的な目的だったそうで、NHKの番組で70年子どもの頃からずっと住んでいるおばあさんを取材していました。
シシー(エリザベート皇后)が逃げ出した陰気な城は今や人々の憩いの場というのも皮肉ですね。
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>Spa supernova様 (giants-55)
2007-09-28 16:34:23
書き込み有難う御座いました。

第一次大戦の前から一部賃貸になっていたんですか。その頃は概して「民よりも国」という意識が世界的に強かったのではないかと思われるのですが、それを考えると凄いですね。
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日本の城がいちばん (マヌケ)
2007-09-29 13:57:38
友達のミチルちゃんはもういいおばさんなのですが、学生時代、アフリカ旅行のオプションで気球に乗り、同乗した英国貴族のマイケルさんに見初められて、あれよあれよという間に結婚してしまいました。 今ではリブジー家という貴族で、ロンドン郊外フォーシャムの城に住んでいます。 石の壁はカビ臭く、天井の雨漏りや鳥の巣、水回りの設備や電源の確保などの不便さ、窮屈な家具にくつろげないバスタブなど、何度も日本に帰りたくなって泣いたのだそうです。 サッチャーの時代から国庫の補助が大きく削減され、貴族も働くか、財産の切り売りで城や土地の維持管理が厳しくなったのだそうです。 マイケルさんは旅行代理店勤務のサラリーマン貴族ですが、イビザやNZにも別荘があるとのこと。 文化遺産に住んでいるわけで家の中に何百年も前の調度品などがあり、廊下の壁には普通なら美術館にあるような絵画がずらり、幽霊の出る部屋まであるとか。 旅行者に宿泊施設として部屋を提供しているのでシーズンは家事だけでなく大変なことも多いとのことでした。 日本ではリノベーションで古民家を改築したり、古い建材の一部を用いて建て替えることも流行っているようですが、やっぱり木や土の感触や畳はほっとします。 城に住むなら日本の城がいいですね。 オランダの風車には人が住んでるのだそうですが、ちょっと興味あります。    
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>マヌケ様 (giants-55)
2007-09-29 15:32:52
書き込み有難う御座いました。

急勾配の階段を登って上部に行かなければならない等、日本の城も決して住み易いとは思えないのですが、唯、風通しの良さという点では海外の城に優っている感が在ります。海外の古城には幽霊伝説が少なからず存在しますが、あのジメッとした環境が住む者の精神に影響を来たし、その結果「見えぬ物を見せてしまう」のではないかという説も。

イギリスの貴族達も嘗ての生活を維持するのは極めて困難になっている様で、精神的な拠り所の一つ?だった貴族院も、これ迄の貴族の世襲では無く一般にも開放(選挙制度導入)されそうとの事。
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一国一城 (帆印)
2007-09-30 00:11:36
昔から、こんな言葉があるくらい、男の憧れでもある。
城は大げさにしても、いつか持ちたいとも思うね。友人の店の飲み屋は、土間がある、行く人の客人は、ほとんど気がついてないのかも知れないが、カヤの木のカウンターで一献、膝をつき、足元の土間の感触を楽しむ。冬は適度に湿りを帯、夏は水気を吸い込む。いつか城を持ったら、こんなところを家の片隅に作りたいとも思ったね。
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