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「全盲女生徒『1人で歩くのが怖い。』 脚蹴られて3週間の怪我」(9月10日、スポニチ)
埼玉県川越市のJR川越駅で8日、何者かに脚を蹴られて怪我をした全盲の女子生徒が10日、学校で報道陣の取材に応じ「人とぶつかる事は在るけれど、まさか蹴られるとは思わなかった。1人で歩くのが怖い。」と怯えた様子で話した。川越署は傷害容疑等を視野に、捜査を始めた。
生徒は当時の様子に付いて「追い掛けられて蹴られた。(蹴った人物は)其の後、逃げる様に私の後ろに歩いて行った。」と証言。現在、痛みが引かず、学校内では車椅子を利用している。「点字ブロックも白杖も、障害者に必要な物だと理解して。社会の一員として見て欲しい。」と訴えた。
生徒は埼玉県立特別支援学校「塙保己一学園」(同市)の高等部専攻科1年。通学中の8日午前7時50分頃、バスに乗り換える為に同駅の改札を出て、点字ブロック上を歩いていた所、前から来た人が白杖に接触して、転倒した気配がしたと言う。直後に、背後から右膝の裏を強く蹴られて、3週間の怪我を負った。
転倒した人物が蹴ったと見られ、近くから「何を遣っているんだ。」と注意する男性の声が聞こえたと言う。
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「コンビニ店長に土下座させ動画投稿 恐喝容疑で2人逮捕」(9月10日、朝日新聞)
コンビニエンスストアで店長らから煙草を脅し取ったとして、大阪府警は、東大阪市俊徳町5丁目、無職中村剛(39歳)と門真市北岸和田1丁目、会社員野仲史晃(46歳)の両容疑者を、恐喝容疑で10日迄に逮捕し、発表した。中村容疑者等が店長と口論になり、土下座をさせている様子がインターネットの動画サイトに投稿されており、府警は動画に映っている女性2人からも事情を聴く方針だ。
茨木署によると、中村容疑者等は8日午後1時頃、茨木市横江2丁目のコンビニの事務所内で、店長(25歳)やオーナー(51歳)等に「内の若い衆が、店に車突っ込む言うとんぞ。」、「謝るの、普通は手ぶらちゃうわな。」等と迫り、煙草6カートンを脅し取った疑いが在る。「間違い在りません。」と供述していると言う。
中村容疑者等は同日未明から断続的に店を訪れ、空のペット・ボトルに水を入れる様要求したり、スマートフォンで店長を動画撮影したりしていた。店長が抗議して遮ろうとした所、中村容疑者が「俺の携帯を、汚い手で触りやがって。」と腹を立て、口論になったと言う。
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胸糞が悪いニュースが、2つ報じられた。先ずは全盲の女生徒が怪我をさせられた件だが、“加害者”が目の不自由な人物(其の可能性は、零に等しいだろうが。)で無い限り、前方から白杖を突いて歩いて来る人間が居れば、普通はぶつからない様に道を空けるだろう。転倒する程にぶつかるという事は、恐らく“歩きスマホ”か何かをしていて、前方を全く見ていなかったのではないか?
どういう状況で在れ、目の不自由な人に暴行を働くなんて、絶対に許されない事。自分が街中で目を瞑った儘、点字ブロックと白杖だけを頼りにして、只管歩く事を想像して欲しい。何れだけ不安な事か。そして、そんな状況で、誰かから暴行を受けたら、何れだけ恐ろしい事か。
コンビニの件、逮捕された連中は店内で大騒ぎしていて、其れを注意した店長に逆切れしたと言うが、注意される以前にスマートフォンで店長を撮影していたり、恐喝の後にネット上に動画を投稿している事を考えると、「面白い動画を撮って、ネット上で投稿しよう。」という思いが在ったのではないだろうか。
先達て「全盲の男性に付き添って歩いていた盲導犬が、何者かに背中を何ヶ所も刺されていた。」という、実に許し難い事件が在った。「目の見えない女性に対する暴行。」、「客には逆らい難い店長等への恐喝。」、「(普通の犬以上に)無闇に吼えない様に訓練されている盲導犬への暴行。」等、社会的弱者やマイノリティーな立場の人達への卑劣な言動が、最近本当に目立つ。「もし自分が、相手の立場だったら?」という事を想像出来ず、嬉々として弱い者虐めに励む外道達には、“法に基づいた厳罰”をきっちりと科して欲しい。
社会的弱者を守れない社会って、イヤですね。犯人も恥じて自ら名乗り出てくれれば、少しは救われるのですが。
「社会的弱者を守れない社会って、嫌ですね。」、全く同感です。「自身のストレス発散の為、自身よりも弱い者を虐める。」という事なのでしょうが、煎じ詰めると「自分とは少しでも違う部分を持つ存在を排除するのは、一切構わない。」という、多様性を一切認めない狭量さが加害者の中に在るのではないかと。
哀しいかな、太古の昔から、人間社会では「弱者虐め」というのが連綿と続いて来たと思うんです。けれど、インターネットというツールが登場した事で、悪い意味での個人発信が瞬時且つ広範囲に出来る様になってしまい、弱者虐めが其れ迄以上に悪質化してしまった感が。
正義面をし、尤もらしい嘘を並べ立てて、集団で弱者をリンチする。自分が被害者の立場になったら・・・なんて想像力、彼等には皆無なのでしょうね。まあ、国家のトップからしてネット扇動を行い、不都合な対象の封殺を好んで行っているのですから、真似をする連中が出てしまうのも、当然と言えば当然なのですが・・・本当に腹立たしい事です。
「“加害者”が目の不自由な人物(其の可能性は、零に等しいだろうが。)で無い限り」と記事内で、「ぶつかった人の悪意の無いケース」を想定しましたが、加害者が知的障害を有する人物というのは、全く考えておりませんでした。
当事者に「悪意」が無いケースとなると、彼を責めるのも違う気がするし、と言って、被害者が何れだけ怖かったかも判るし、遣り切れない結末です。