ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

リトルボーイ騒動

2011年08月13日 | 時事ネタ関連

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リトルボーイTシャツ配慮を」(8月12日、中国新聞

 

広島県は11日に、7日夜に放送されたフジテレビ系の連続ドラマで主演の女性アイドルが着ていた「LITTLE BOY」(リトルボーイ)と書かれたTシャツに付いて広島型原爆の通称で苦情の声が寄せられた。配慮して欲しい。と同社に申し入れた。

 

ドラマは「花ざかりの君たちへ~イケメン☆パラダイス~2011」。県被爆者支援課によると、放送翌日の8日朝から「不謹慎だ。」との苦情が電話や電子メールで相次ぎ、同社に10日夕、電話で申し入れた。苦情等は11日夕迄に約160件に上り広島市にも約240件在ったと言う。

 

同社広報部は「不快な思いをした方が居るなら遺憾。誤解の無い様に番組制作に取り組む。」としている。

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此の「リトルボーイ騒動」を知った時から違和感覚えていたのだが、「そう感じるのは、自分だけなんだろうな。」と思って記事にする予定は無かった。しかし後輩からのメールで、同様の違和感を覚えた人が他にも居る事を知り、今回の記事にした次第

 

自分は当該番組を見ていないので色々調べてみたのだが、今回問題になっているTシャツは黄色ので、背中部分に黒字で「LITTLE BOY」と、そして正面には「FOOL ON THE HILL FRIENDS」と記されていたそうだ。「LITTLE BOY」は「第二次世界大戦にて、アメリカ軍が広島に投下した原子爆弾コード・ネーム。」でも在り、又、「FOOL ON THE HILL FRIENDS」と合わせて考えると、「『愚か者達に原爆を』とも解釈出来る。」という事で、「被爆者達の心を踏み躙った。」と問題に。

 

当該Tシャツのメーカーによると、「此のTシャツはビートルズ楽曲に関連した40種類のデザインの1種で、今シーズン用に製造した物。正面に在った『FOOL ON THE HILL FRIENDS』はビートルズの有名な曲(大文字、小文字表記は異なる。)から取った物で、『LITTLE BOY』は、同じくビートルズの『Little Child』と『This Boy』の2曲等を元にイメージした物。」と弁明したとか。

 

で、話を元に戻すが、の後輩からのメール内容は『リトルボーイ』というのが広島に投下された原爆のコード・ネームって事を、一体どれ程多くの日本人が知っているのでしょうか?特に根拠は無いけれど、感覚的に言えばそんなに多くの日本人が知っているとは思えないんです。学校で『リトルボーイ』に付いて習った記憶が無いし、当該ドラマを制作したスタッフ等は『リトルボーイ=広島に投下された原爆のコード・ネーム」という認識が無かっただけなのではないかと。といった趣旨。彼の名誉のに付け加えると、彼自身は何年か前に「原発の仕組み」に関心を持ち、色々調べた際にリトルボーイにそういった意味が在る事を知ったという事だし、今回の件で抗議した人達を非難している訳では全く無い。

 

被爆者の中には「原爆に少しでも関連する事柄には、一切触れたくない。」と思われる方も居られるだろう。其の事を理解出来ない訳では無いけれど、“飽く迄も自分が把握出来た情報の範囲内で言えば”、抗議された側に同情を感じてしまう。自分は歴史的に「昭和」という時代に関心が強く、色々調べたりしているので「リトルボーイ」の意味合いを知ってはいたが、一般的に言えば「リトルボーイ=広島に投下された原爆のコード・ネーム」という認識度は、其れ程高い様には感じられない。感覚的に言えば、中高年でも5割以上の認識度が在るかどうかではないだろうか?況してや若い世代ならば、「殆ど知らない。」という可能性も在りそう。文字通り「LITTLE BOY=小さな子供」と、普通に解釈してしまう様な気もする。

 

当該番組の放送日が「8月7日」、即ち広島市への原子爆弾投下」された日で在る「8月6日」というタイミングの悪さも在ったろう。「原爆に付いて思いを馳せる時期なのに、何て配慮の無い。」という憤りが在ったとは思う。其れ以外に「高岡蒼甫氏の発言から始まった、何でもかんでもフジテレビを叩けば良い。」といった思考も、今回の騒動には反映された様にも感じる。心から憤りを感じて抗議した方達は別だけれど、騒動に乗じてフジテレビ叩きの材料にしている人達が居た“としたら”、抗議を受けた側に自分は同情を感じてしまうのだ。

 

ハーケンクロイツアドルフ・ヒットラーの顔が描かれたTシャツ」とか、「明々白々な差別用語が記されたTシャツ」とかを着てTV番組に出演していたというのならば、其れは一般常識で考えて、非難が殺到しても当然と思う。しかし例えば「(長崎に投下された原爆のコード・ネームで在る)FATMAN(ファットマン)」とか「Watermelon(「安い西瓜しか食べられない程に貧しい。」という、黒人に対する差別的な暗喩でも在る。)」と書かれているTシャツに、「配慮が無い!」と抗議が集まるとなると、「何か違うんじゃないのかなあ?」と言葉狩りと似た雰囲気を感じてしまうのだけれど・・・。


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6 コメント

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判断が難しい (悠々遊)
2011-08-13 12:23:15
giants-55さんも懸念しておられるように、フジテレビ叩きの便乗犯もいるかもしれないし、言葉狩りの側面があるのも確かだろうと思います。

しかし、原発事故が収束せず、時期的にも核問題や戦争に敏感なこの時期に、原爆を連想させる文字を入れたTシャツを、主人公に着せてテレビに登場させるというのは、それが意図されたことでないにしても、不用意というか勉強不足というか鈍感というか。
これは例えば「不愉快な番組なら見なければいい」というようなレベルの問題ではないと思います。

知らない人のほうが多いのではないか、というのは当りだと思います。近・現代史をきちんと教えてこなかった結果でしょう。今では日本に原爆が落とされたという事実すら知らない若者が増えているといいますから。

イデオロギーはとりあえず横に置いて、事実の列挙だけでも近・現代史を教えないと、知らないことで誤解し、外国とトラブルになることもあるでしょう。

本質を置き去りにした、表面的な言葉狩りには違和感を覚えるし、「誰かが嫌悪を感じる」ような言葉を消去していったとしたら、自由に使える表現はずっと少なくなるでしょう。そんな不自由な社会はごめんです。

と同時に、相手や時期に想いを至らせることなく、無神経に振舞うこともやはり慎むべきでしょう。実はその判断が実に難しいのですが。
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>悠々遊様 (giants-55)
2011-08-13 15:05:32
書き込み有り難う御座いました。今回は此方にレスを付けさせて貰いました。

当該Tシャツを着用していた女性アイドルに関しては(自分は此の方を良く知りませんので、別段好意から庇う訳でも何でも在りませんが。)、年齢等を考えると彼女が「非常識!」とバッシングされるのは気の毒に感じています。恐らくは歴史の授業でも習っていないだろうし、単にスタイリスト等から渡されたTシャツを、其の儘着ただけと思うので。

又、制作スタッフに関しても「リトルボーイというコード・ネーム」を知らない人達が多かったのではないか(もしかしたら全員が知らなかった可能性も。)という気もするので、一概に非難されてしまうのは気の毒には思うけれど、唯、「公共の電波」を使っているという「重責」を担っている以上は、彼等に関しては“正当な範囲での”非難が集まるのは止むを得ないのかもしれませんね。

自分が学生だった頃でも、歴史の授業では「近・現代史」は御座成りな感じでした。御指摘の様に、イデオロギーの問題も在って、「厄介な近・現代史には余り不快入りしたくない。」という気持ちも在った(在る)のでしょうね。しかし歴史は「同じ過ちを繰り返さない為の学問」とも言え、特に「近・現代史」にはそういったヒントが多く含まれていると思うので、極力「私感」を取り除いた上で、「事実」をきちんと教えて欲しいもの。

Eテレビ(旧名:教育テレビ)では「さかのぼり日本史」(http://www.nhk.or.jp/sakanobori/)という番組が放送されているのですが、此れが実に面白い。「特定の史実」を取り上げ、「何故こういう事が起こってしまったのか?」を、過去に遡る形で検証して行くというスタイルなのですが、歴史の授業も無条件で古代史からスタートさせるのでは無く、時には「近・現代史から遡って教える。」なんていうのも面白そう。
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Unknown (ss)
2011-08-14 12:09:40
Little Boyが広島型原爆のニックネームということを知らない日本人にいるでしょう。
しかし、問題はそんなところにはありません。
文字のプリントされたTシャツは世の中に無数に出回っています。
文字の種類も無数にあるでしょう。
このTシャツを扱っていた大阪の会社もプリント文字の種類は40種類あるといいます。
8/7に放映するドラマの主人公が着るTシャツに偶然に背中に"LITTLE BOY"とプリントされている確率は限りなく0です。
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>ss様 (giants-55)
2011-08-15 00:25:15
書き込み有り難う御座いました。

問題となっているTシャツが、広島に原爆が投下された翌日の放送で流されたというのは、問題を大きくしたというのは在ると思います。此れが「一般的に戦争の記憶を色濃く残している8月」で無かったならば、恐らくは問題にならなかったか、若しくは非難が出ても、今回程大きくは取り上げられなかったでしょうね。


此の件に関してネット上の“一部”では、「反日のフジテレビだから、わざと遣ったに違いない。」とか「反日分子の嫌がらせだ。」みたいな論調の書き込みが散見されましたが、個人的には「流石に其れは無いでしょ。」と考えています。所謂「謀略論」と言っても良いのでしょうが、そういう可能性が全くゼロとは言わないけれど、飽く迄も“私見で言えば”「反日云々というのは深読みし過ぎ。」と思っています。

過去に何度か書いている事だけれど、個人的にはフジテレビの「面白ければ何でも在り。」といった度の過ぎた悪ふざけのスタンスは嫌い。でも、そんな自分でも「フジテレビの番組でキムチ料理を取り上げていたのは、同局が反日姿勢だからだ。」といったバッシングには、苦笑するしかない。

Tシャツを着用していた女性アイドルがバッシングされるのは一寸筋違いな気がするけれど、原爆被害者を傷付けたという意味では、制作スタッフは反省する必要は在る。でも「此処迄バッシングされる必要が在るのか?」となると、個人的には「否。」と思ってしまう訳です。勿論、此れは飽く迄も自分の考えで在り、他の考え方が在って当然とは思っていますが。

件のTシャツを販売している会社によると、シリーズ物で40種類在るとの事。「其れなのに、何故よりにもよって今回のTシャツが選ばれたのか?不自然ではないか?」というss様の御指摘には「確かに其れは在るな。」と思う一方で、“もしかしたら”此の会社の販売担当者なりが「リトルボーイがコード・ネームで在る事を認識している上で、『今の時期だった売れるかも。』という悪戯心(決して褒められた気持ちとは言えませんが、唯、「悪意」としてしまうには厳し過ぎるかなあと思ったりも。)から、一押しでディスプレイなりをしていたのを、事情を良く知らないコーディネーターなりが選んでしまった・・・という可能性も無きにしも非ずかなあと。勿論、此れは飽く迄も想像の1つで在り、実際の所は当然乍ら判りませんが。

今後とも何卒宜しく御願い致します。
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Unknown (3518)
2011-08-16 09:35:30
タレントにはスタイリスト(衣装とメイク両方をこなす)が付いていて、スタイリストという職業はほとんどが業務請負で一人社員、一人社長という個人事業主であることが一般的です。 そういう方々の業界を見てもおそらくはリトルボーイというロゴはたんなるロゴとしかの認識しか持たれないのではとたやすく想像できます。 ファッションとしてのセンスでものを見る業界なのでそこまで深い認識を求めるのも彼ら彼女らには酷かと。 おそらくバッシングを受けていることにもキョトンとしているくらいかもしれませんよ。 想像するのは失礼かもしれませんが、カバチャンやイッコーサンにそこまで認識を持てっていうのは無理でしょう。 ごめんなさい。 
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>3518様 (giants-55)
2011-08-16 10:04:42
書き込み有り難う御座いました。

真相は当事者のみぞ知るで、部外者の自分は推測で物を言うしか無いのですが、個人的には矢張り「何等かの意図を持ってした事では無いんじゃないかなあ。」という気がしています。高岡蒼甫氏が発言した件とは異なり、此の件が今ではネット上で殆ど取り上げられていない様に見受けられるのも、「一般的には、同じ様な感じで受け取っている人が多いからではないかなあ。」という感じが。
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