芸術ユニット「明和電機」の土佐信道氏が自身のTwitterで、「驚愕の余り、椅子から転げ落ちた出来事。」を記している。其れは、明和電機の新人女子工員(事務系)が発した一言。彼女は、「え?ラジオって、インターネットに繋がなくても聞けるんですか?」と言ったのだそうだ。
以前、「『レコード』を知らない。」という若者の話を聞いて、非常に驚かされた。「『レコード』を見た事が無い。」というのなら未だしも、「『レコード』という物自体を知らない。」という若者が現れた事に、「そういう時代になったのかあ・・・。」と隔世の感を禁じ得なかった訳だが、今やインターネットに繋いでラジオ番組を聞く経験が在る自分でも、「ラジオ番組は、ラジオ受信器のチューナーを操作して聞く。」というのが“定番”。件の女性は、ラジオ受信機を操作した経験すら無いという事なのだろう。
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保育士になって5年。「かえで保育園」で働く小川美南(おがわ みなみ)は、1人の男性が気になり出していた。妻と離婚し、シングル・ファーザーとして息子・旬太(しゅんた)を、1年2ヶ月に亘って育てている志賀隆平(しが りゅうへい)だ。一流企業のエリート社員としてバリバリ働いていた彼は、旬太の面倒を見る為、自ら希望して定時退社し易い部署に異動していたが・・・。
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大崎梢さんの小説「ふたつめの庭」は、保育園を舞台にした作品。保育園で働く人々と、園児及び其の親達を描いている。園児達の家庭環境は様々で、保育士達はそういった点に配慮しつつ、予測不能な動きを見せる園児達に振り回される事も。
大崎さんには書店勤務の経験が在り、故に彼女の作品には「本」に纏わる物が多い。「本」に対する愛情が溢れており、本好きの自分としてはシンパシーを感じる。「ふたつめの庭」にも、子供達が大好きな「絵本」が幾つも登場。冒頭に「どんな絵本が好きでした?そう尋ねられたとき、世界が反転するような気持になりました。自分にも小さいときがあったんですね。忘れていました。そして、思い出しました。」と記されているのだが、紹介されている絵本にて、自分が幼かった頃を思い出したりも。
ネット上で、「恋愛要素があざとい。」というレヴューを目にした。確かに、そういう部分は在ると思う。でも、あざといけれども、こういうストーリーは嫌いじゃないし、何よりも「彼等(乃至は彼女等)形の自我を持ち、周りの環境、特に大人達の言動で傷付いたり、喜んだりする園児達の姿。」というのには、心を動かされる物が在った。
総合評価は、星3つ。