私人と公人の別

「やはり。」と言うべきか。昨日行われた衆議院代表質問で、民主党の前原代表が「先般の総選挙の認識」を問い質した所、小泉首相は「就任以来進めて来た金融、税制、規制、歳出に亘る広範囲な構造改革の方針と成果に付いて、国民の支持を得た。」と述べ、郵政以外の改革も支持されているという考えを表明した。あれだけ「郵政民営化の可否を問う国民投票。」と、争点が一つで在るかの様な選挙運動を仕掛けておきながら、いざ大勝利を収めると、全ての政策が国民から支持されているという”掏り替え”を平然と行うとは。予想通りとはいえ、こういう点がどうしても彼に信頼を置けない所だ。与党、と言うよりも小泉首相が暴走しない様に、国民は一層注視して行かなければならないと思う。

それと、幼稚な発言を連発していた新人議員が、一昨日反省会見を行っていたのも気になった。マスメディアが、彼一人を個人攻撃するのもどうかとは思っている。あの程度の議員は他にも腐る程居る。（”鮫の脳味噌”や”ファイヤー”が、先輩議員として偉そうに彼を批判していたが、「御前等がその口で言うか！」と思った人間は少なくないと思う（笑）。）批判するので在れば、そういった議員連中を等しく糾弾すべきだろう。

唯、案の定と言うべきか「彼を虐めるのは可哀想。」とか「新人議員なんだから温かい目で育てて上げるべき。」という声が上がっていたのはどうかと思う。彼が私人で在り、尚且つ一般の新人社員ならば自分も同情の思いは確かに湧く。でも、公人としての彼を考えた場合、「若いから仕方ない。」というのは通用しないと思うし、余りにも無自覚な幼稚発言をバッシングされるのは仕方ないと思う。

１人の議員に年間１億円程が、国費から投じられている現実を考えて欲しい。その一方で国内に目を転じれば、目を覆いたくなる程の赤字で国は崩壊寸前。又、年間３万人を越える自殺者（１時間に３．６人が自殺。）の内、どれだけの人が金銭に困って自ら命を絶っている事か。その中には、働きたくても働けない人も多く居るのではないだろうか。

１億円以上の国益を生み出してくれる議員は大歓迎だが、「これから勉強します。」等という”幼稚園児”を飼う余裕はこの国に最早無い筈。こういった議員を減らす事で、どれだけ有益な方向に国費が廻せるかをもっと考えるべきだと思う。

「私人に対しての同情と、公人に対しての厳しい目」を、国民の側も使い分ける必要が在るのではないか。