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「ネットでは白鵬に批判殺到 師匠・宮城野親方は『良い事言った。』」(11月27日、スポニチアネックス)
館内では拍手に包まれた白鵬の優勝インタヴューだが、ネットの反応は違った。
Yahoo!ニュースに白鵬の発言が載ると“ヤフコメ”に批判が殺到。「膿を出すのは、白鵬では無い。」、「白鵬が場所中に言った事は真実じゃ無かったのか!?」との言葉が相次ぎ、観客との万歳三唱に付いても「八角理事長よりも白鵬の方が偉い相撲協会って何?白鵬に舐められっ放し。」と厳しかった。
一方、白鵬の師匠、宮城野親方(元幕内・竹葉山)は千秋楽のパーティーで「横綱はインタヴューで、良い事を言っていました。」と挨拶したと言う。
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「横綱・日馬富士による暴行問題疑惑」に付いては、未だ未だ判らない部分が多いので、此処で取り上げるのは控えていた。 真相は今後の警察の捜査で明らかになるのだろうが、鳥取県警の聴取に続き、日本相撲協会での事情聴取でも日馬富士が「幕内・貴ノ岩への暴行」を認めている事から、どういう形で行われたかは別にして、暴行が在ったのは確かだろう。
10年前、「ビール瓶で額を殴るのは大丈夫なんです!」と言い放った元力士が居た。暴力を是認する様なアナクロさに唖然とさせられたが、相撲界に悪い意味での“古い体質”が存在したのは事実だし、其れ以降も少なからず存在し続けている様に感じていた。
悪い意味での古い体質が存在し続けてしまう理由は幾つか在ろうが、一番大きいのは「表面的には『反省。』を口にし乍らも、『国技たる相撲は別格の存在。』という“特権意識”を持ち、悪い意味での古い体質を本気で変え様としない角界の驕りと、そんな角界を結果として甘やかし続けて来た“少なからずのファン”に在る。」と思っている。(貴乃花親方を“正義のヒーロー”の如く持ち上げ続けて来たマスメディアにも、ずっと違和感を覚えて来た。“若貴ブーム”の頃から彼等には胡散臭さを感じていたし、貴乃花親方は決して正義のヒーローでは無いと思う。)
で、今回の千秋楽の一件だが、自分も強い違和感を覚えていた。八角理事長が謝罪の言葉を述べた際、場内から「頑張れ!」とか「大丈夫だ!」といった声援が結構飛んでいた。全て真相が明らかとなり、悪い意味での古い体質が改まった上での事なら判るのだが、“今の段階”で「頑張れ!」とか「大丈夫だ!」等と応援するのは、“優しさ”なんかでは無く、単なる“甘やかし”だと思う。
又、白鵬の言動にも強い違和感が。今回の問題では、暴行現場に居た白鵬は、間違い無く“関係者”で在る。彼自身が暴行を働いた訳では決して無い(だろう)し、日馬富士の暴行を止め様としたのかもしれないが、結果として“一般人なら一発で逮捕されるで在ろうレヴェルの暴行が行われた可能性”が在るのだから、関係者の彼が「膿を出す。」と宣言したり、「日馬富士や貴ノ岩を、再び土俵に立たせて上げたい。」と美談仕立ての様な話をするのは、「違うだろ~、違うだろう~!」という感じが。況してや、万歳三唱なんて論外。
本当に相撲を愛し、悪い意味での古い体質の一掃を望む人達ならば、あんなパフォーマンスに乗っかっては駄目。くどい様だが、「全て真相が明らかとなり、悪い意味での古い体質が改まった上での応援。」なら話は別だけれど、今の段階では単なる“甘やかし”だと思う。
仰る様に“警察からのアドヴァイス”に加え、又、日本相撲協会への根深い不信感というのが、貴乃花親方を“沈黙”に到らせている可能性は否定出来ないでしょうね。
唯、個人的には其れだけでは無い様な気がしています。と言うのも、日本相撲協会側の主張が正しい“とするならば”、警察に被害届を出した“後”の“日本相撲協会側への貴乃花親方の主張”が「暴行に付いて、一切触れなかった。」という事が在るからです。前回の理事長選挙以降、伊勢ヶ浜親方(日馬富士の師匠)と貴乃花親方との関係は拗れているという話を、今回の事件前から見聞しており、今回の貴乃花親方の不可思議な対応には、「事件の真相が中々明らかにならない。→日本相撲協会の隠蔽体質をアピール。→自身の理事長就任に利する。」という部分も感じられたりする。
「警察が捜査をしている以上、此処は静かに公的機関の判断が出るのを待つのが筋だと思います。」というのは、其の通りですね。「日本の国技だから。」といった妙な忖度無しに、「悪い事は悪い!」という毅然とした態度で捜査に当たって欲しいです。
貴乃花親方の行動にはマスコミの憶測が飛び交い、批判的なものから理解を示すものまでありますが、個人的には相撲協会に相当な不信感があっての行動なのだろうな、だとしたら心情は理解できると思っています。
以前にも書きましたが身近で事件があった時、情報収集に来た刑事から、マスコミにはあまりしゃべらないようにとアドバイスがあったように、個人の一方的な見解でマスコミに喋ると、憶測を増幅して捜査にも支障が出るでしょうから、貴乃花親方が「捜査機関に任せているので」とマスコミや相撲協会に口をつぐむのは当然のこと。
またテレビで、識者とされる人物が「警察の捜査とは別に、ふつう会社組織でも独自に調査し処分を決める必要があるのは当たり前。、組織のコンプライアンスとして協会の調査に応じるべき」との発言も度々ありましたが、それは正常に機能している組織が前提での話。
現実には社内外の不祥事を組織ぐるみで隠ぺいしたり、内部告発者が不利益を被っている事件も度々明るみに出ているし、これまでの相撲協会の体質を考えると、「正論」を振りかざしきれいごとを言うのは、冒頭で書いた「完全無欠の正義のヒーロー」を貴乃花親方に一方的に求めているようなもの。
鬼が出るか蛇が出るか、警察が捜査をしている以上ここは静かに公的機関の判断が出るのを待つのが筋だと思います。
過去にもマスコミが騒ぎたてて捜査を歪めかけた「松本サリン事件」の悪例がありますから。