************************************************
「健康保険組合の半数が赤字 保険料増の恐れも 2021年度決算」(10月6日、朝日新聞)
大企業の会社員等が加入する健康保険組合の半数超が、2021年度の決算で赤字となった。赤字組合の割合は、前年度から大幅に増加。医療費の伸びや高齢者医療への拠出金が、財政を悪化させた。組合によっては今後、保険料率の引き上げを迫られる可能性が在る。
健康保険組合連合会(健保連)が、6日発表した。全国の1,388組合(加入者約2、850万人)の内、赤字の組合は53%(前年度は33%)だった。健保連全体の収支も825億円の赤字で、8年振りの赤字。2,958億円の黒字だった前年度から、急激に悪化した。
会社員等の収入が伸びない中、支出に当たる保険給付や65歳以上の高齢者医療への拠出金が、大幅に増えた。高齢者への拠出金は、前年度に比べて3%多い3兆6,513億円だった。
************************************************
「子育て支援に血税が投入される。」と、「我が家には子供が居ないのに、血税を投入すのは納得出来ない。」と反対する人が居る。自分も子供が居ないので、そういう気持ちを理解出来なくも無いが、「日本、延いては未来の自分達(要するに高齢となった自分達)を背負う事になるのは、結局、“日本の子供達”なのだから、日本人全員で“身の丈に合った負担”をするのは仕方無い事。」と思っている。
又、医療費が大幅に増えると、「高齢者の所為だ!健康な我々若者が、何で高齢者の負担をもしなければいけない!!」と、高齢者を“仮想敵”にして叩く人が居る。でも、「子供叱るな、来た道だもの。年寄り笑うな、行く道だもの。」という諺が在る様に、人は誰しも老い、自分自身も叩かれていた側に回るのだ。だから、医療費に関しても、「日本人全員で“身の丈に合った負担”をするのは仕方無い事。」だろう。
「自分の将来に対し、大きな不安を感じている人が非常に多い。」というのが、日本の大きな問題だと思う。「老後を含め、手厚い福祉が“永続”する。」と多くの日本人が確信出来れば、消費税等が大幅にアップされても、そう不満は出ないだろう。「大幅にアップされた血税が、手厚い福祉に資するので在れば仕方無い。」と考えるだろうし、自分の将来に不安が無くなれば、今迄以上に御金は使われる。其の結果、経済は活気を取り戻し、延いては国の歳入も増える。歳入が増えれば、更に福祉が手厚くなったり、血税が下げられたりする可能性も。好循環という流れが生まれる事だろう。
だが悲しい事に日本・・・と言うか、日本の政治家や官僚に対し、大きな信用を置いている国民は、非常に少数派。「美辞麗句を並べ立て、血税のアップを目論むが、結局は福祉等、我々国民の為に増額分が使われる事無く、無駄な箱物や天下り組織の乱造や、利権創出に使われるだけ。」と、多くの人が判っているから。
真っ当な形で使われる事が“担保”されていれば、“社保”だ“国保”だといった区別を撤廃し、国民全員を“1つの健康保険”に加入させた上、アップさせた血税(国民個々、身の丈に合った増額で在る必要は在るが。)で全てを賄う事が出来るのではないか。